暑い日には極地の気分を!国立極地研究所『南極・北極科学館』

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春かと思ったらいきなり台風が来て、梅雨もまだなのにもう初夏の陽気。
かといってエアコンには早すぎる。
そんな中途半端な暑さには、極地の気分で過ごしてみよう。

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立川市にある国立極地研究所。
ここには広報展示施設としての「南極・北極科学館」がある。
入場無料で極地の本物を見て、さわって、感じることができる施設だ。

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交通はJR立川駅北口のバスターミナル2番乗り場から立川バスで5分ほど。運賃は現金200円、ICなら195円。
立川学術プラザ下車、目の前である。
バス停目の前の建物は、国文学研究資料館と統計数理研究所。
その建物をそのまま突っ切ると外に出る。
その前に、大きな荷物はコインロッカーに預けておこう。10円で使用後は戻るので実質無料だ。大型ロッカーは100円。

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この大きな図書館のような建物の中央を出たところ、左の建物が目指す科学館だ。
建物の外にはカラフト犬のブロンズ像があり、南極から持ち帰ってきた蜂の巣状の岩が何気なく置いてある。
この岩、なんと5億年前のものらしい。究極のパワーストーンかもしれない。もちろんさわって構わない。

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中に入ると、説明が書いてあるパンフレットがあるのでもらっておこう。

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ここに展示してあるものは、模型以外はすべて本物である。

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南極のものは本当に観測船で日本に運ばれたものだという。
または実際に南極で使っていたもの、あるいは再度使う可能性のあるものである。
もしまた使用する機会があれば、展示から外れて本当に南極に持っていかれるそうだ。

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この雪上車も本物である。

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もう走ることはできないので使用されることはないが、とにかく本物だ。

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なんと、中に入ることができる。
SLを思わせるような狭い車内で、苦労して基地から南極点に達したのかがよくわかる粗末な車内だ。

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歴代観測船の模型も展示している。

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南極は地球上でもっともいん石が多い地域と言われている。

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その本物のいん石や南極の岩石をさわることもできるし、顕微鏡で観察することもできる。

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南極に生息している魚やプランクトンも展示されている。プランクトンはもちろん顕微鏡で見ることになる。

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アザラシのはく製。動物園のものとは一味違う。

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こちらは様々な種類のペンギンのはく製。

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この犬みたいな生き物のはく製は、もちろん犬でもなければオオカミでもない。ホッキョクギツネだ。

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観測隊員になって写真を撮ろうというコーナー。

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これまた本物の観測隊員の服や靴が貸し出され、それっぽい背景の前に立って写真撮影することができる。

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驚きは南極の氷にさわってみようコーナー。
これも本物。当然少しずつ融けてくるが、その都度低温保管庫から職員が持ってくるそうだ。
そんなにたくさんの氷をストックしているのかと広報の方に尋ねてみた。
「観測船は1年に1回、南極と日本を往復しているのですが、往路は1年分の食料や装備、実験器具を積んでいきます。でも、帰りの船には南極で出た廃棄物を積むくらでもったいないので、採取した標本と一緒に大量の氷を積んできて、ここで展示しているんです。ですから1年中南極の氷がさわれるのです。今日はたまたま大きなものを持ってこれたのでラッキーですよ。」
なるほど、それはすごい。この氷の中には数千年前の空気が閉じ込められているので、実際に氷をさわって融けた瞬間から数千年前の空気を少しだけ吸うことになる。何ともロマンチックなタイムマシンみたいな話ではないか。

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氷をさわって少し涼んだところで、「南極あるある話」を広報員が披露してくれた。
「南極では低温で菌が繁殖しないので、隊員の誰かが風邪の菌を持っていたら1回だけみんなにうつりますが、その後は帰るまで風邪をひくことはありません。冷えて風邪をひくこともありませんし、熱が出ることもありません。菌がないのですから健康です。お風呂に入って冷えたら風邪をひくというのは南極ではありえない話なのです。本当に冷えたら風邪を引いて熱が出る前に凍死してしまいますけどね。」
風邪を通り越して死んでしまうとは…極地はすごいところなんだろうと察しが付く。

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さらに、あるある話。
「南極では外で息を吐いても白くなりません。白くなるのは空気中のちりやほこりに付いた水蒸気なんです。空気がきれいな南極ではちりもほこりもないので白くならないというわけです。ただし、雪上車が通った後は排気ガスがあるので白くなるそうです。」
これは日本にいると想像すらできない、究極のきれいな空気なんだろう。

オーロラシアターで天空のオーロラを眺めたり、専用のゴーグルを装着してオーロラを探したりと、ここにあるものは見て触って感じることができるので、実際に行って南極に触れていただきたい。

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最後にパンフレットのスタンプ欄に記念スタンプを押して、南極・北極科学館を後にした。
普段は入ることができない冷凍標本の保管室には年に1回、今年は8月8日・土曜日に一般公開される。
申し込みが必要で、申し込み多数の場合は抽選になる可能性があるのでホームページでチェックしてほしいとのこと。

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敷地内には遊歩道や休息施設もあるので、散策を兼ねてゆっくりと楽しみたい。
休館日は日曜日・月曜日・祝日、年末年始。日祝休館なのは、あくまでも研究所の広報施設だから仕方がない。
開館時間は10時から17時。(最終入場は16時30分)
館内の写真撮影はオーロラシアターをのぞいて自由。

※写真はすべて記者撮影

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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