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理不尽な下積みは、もう要らない! 素人を2か月で一人前にする「東京すしアカデミー」の野望

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2015年5月14日放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)は、「飯炊き3年握り8年」と言われたすし職人の技術を、最短2か月で習得できる「東京すしアカデミー」(東京・新宿)を創立した福江誠さんを紹介した。

東京・六本木のすし店で店長を務めるベテラン寿司職人・田名綱貴史さん(38歳)は、18歳から修業し、7年ものあいだ一度もお客さん相手にすしを握らせてもらえなかった。下働きに明け暮れ、「仕込みもやらせてもらえないし、洗い物や掃除ばかりで」と振り返る。
村上龍も感心「すごく丁寧で分かりやすい教え方」

しかしいまでは、すし職人になるのに、そんな理不尽な下積みは不要だ。日本初のすし職人養成学校の「東京すしアカデミー」なら、「1年」「2か月」「週末」「夜間」の4つのコースで一人前に仕立て上げる。

一番人気は、学費86万円の2か月コースだ。魚の見分け方から握り方、カウンターの接客まで徹底指導。人気の高級店で働く職人には、この学校の卒業生が増えているという。

20代の若者や転職組もいれば、定年退職後に新たなチャレンジをする61歳の人など年齢は幅広い。講師は有名店や一流ホテルで腕を振るってきた腕利きの職人たちで、実践で役立つプロの技を手取り足取り指導する。オリジナルテキストで予習復習もできる。

村上龍はアカデミーを見学し、「生徒さんが熱心だし、教える方はすごく丁寧で分かりやすい教え方。俺も20歳くらいだったら勉強してもいいかなと思うくらい」と感心していた。

創立者で代表の福江さんは、経営コンサルタントとして主にすし屋を担当していた。1990年代の回転寿司ブームの頃で、仕事は成果が出る一方、自分が好きな「カウンターのある街のすし屋」がどんどん潰れていく状況に複雑な思いを抱いていた。
卒業生たちが世界50か国ですしを握る

福江さんは海の幸が豊富な富山県出身で、子どものころからカウンターのあるすし屋に親しんできたという。

「これだけすしの人気が出てきたのに、若者が修行する場もなくなる。これではすし屋が全然ダメになっていく」

そう考えた福江さんは、リサーチのため年間1000軒にも及ぶ全国のすし屋を渡り歩き、いまの時代にあった技を系統立てて教える学校をつくろうと決意。閉店したすし屋を借りて、2002年に学校をスタートした。

世界のすし・和食店はいまや5万5000店。3000人もの職人を世に送り出してきた東京すしアカデミーは、すでに卒業生たちが世界50か国ですしを握っている。いまもアメリカやロシアなど海外から多数の求人が寄せられており、この状況をこう見ている。

「『日本の本物のすしを食べたい』という需要で、世界中にチャンスがあるし、今はまだ誰でもそのチャンスがつかめるタイミングにあると思います」

元OLで2児の母の鈴木昭子さんは、ニュージーランド移住の夢をかなえるため、すし職人を目指していた。進路指導では就職先の斡旋だけでなく、現地の情報やビザ取得などのアドバイスも受けられる。
「若者たちの多くは、決して内向きになっているわけではない」

鈴木さんは4月の卒業試験に合格すると、5月上旬にすし職人としてニュージーランドに旅立った。すしアカデミーならではのメリットをこう語る。

「情報量が抜群に多いし、すでに世界で活躍している卒業生からの情報も入ってくる。すごく役に立っています」

村上龍は番組の終わりに、「若者たちの多くは、決して内向きになっているわけではなく、可能なら海外でも働けるような、生きていくための実質的な技術と知識を求めているのだと思う」と語った。

若いうちから技術を学んだ方が覚えも良いし、習得してから経験を積み、さらに熟練となるという意味でも、このやり方は理にかなっている。

きっかけや具体的な支援があれば、自らチャンスをつかもうと動く人はたくさんいる。福江さんは自分が愛するすしの世界を守りながら、ビジネスにつなげていることが素晴らしいと感じた。(ライター:okei)

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