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自撮り棒は世界で規制強化の方向 装着型広角レンズが流行か

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 昨年米国TIME誌で「2014年最高の発明品」と称賛された先端にスマートフォンをつけての撮影用具「自撮り棒」。日本でもイベントや観光地でごく普通に使われ、ヒット商品となっている。流行のきっかけをつくったと言われる韓国をはじめとしたアジアだけでなく、欧米でも多くの人に愛用されている。しかし今年になって、使用自粛を求めたり禁止する施設やイベントが増えている。

 映画『ナイト ミュージアム2』の舞台にもなった博物館を運営するアメリカのスミソニアン学術協会は、3月に来館者と展示物の安全のために自撮り棒(selfie sticks)を使用禁止物に加えた。ただし、私的な利用であれば撮影と写真投稿そのものは規制されていない。アメリカでは他にニューヨーク近代美術館やメトロポリタン美術館、フランスはベルサイユ宮殿、イギリスではナショナルギャラリーなどが同様の取り決めをしている。

 施設だけでなくイベントでも同様の動きが続いている。6月29日に始まるテニス4大大会のひとつウィンブルドン選手権でも自撮り棒の使用禁止が決定され、4月末にアナウンスされたとき様々なメディアで大きく取り上げられた。

 規制の動きは海外だけではない。日本でも広がりつつある。自撮り棒を愛用する女子大学生は、人が多く集まるところでは禁止されても仕方ないと思う体験をした。

「iPhone6になってセルフタイマー機能がついたから、安い自撮り棒を買って愛用しています。6に機種変してから使うようになった人が多いと思いますよ。10秒タイマーを使うんですけど、テーマパークで友だちと一緒に棒を伸ばしてシャッターを待っていたら、棒と歩いてきた人がぶつかっちゃったことがあるんです。そんなに強くぶつかってなかったから謝るだけで済んだけど、それ以来、かなり余裕がある場所でだけ使うようにしています」

 似たようなヒヤリさせられる場面が増えたからだろう。東京ディズニーリゾートや北陸新幹線の5駅で使用禁止が定められ、国立科学博物館もホームページで「次の行為はご遠慮ください」と「フラッシュ、三脚、一脚、自撮り棒を用いての撮影」を挙げている。イベントでは8月に開催される音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」や「サマーソニック2015」が持ち込み禁止を明記している。

 私的な目的であれば撮影やSNSでの共有も可能な国立科学博物館が、自撮り棒を「遠慮ください」の項目に加えたのはなぜなのか。

「今年の1月、2月ごろの海外から、特にアジアからの来館者で自撮り棒を使っている方が目立ちました。具体的にトラブルが発生したわけではありませんが、当館の特別展示室は狭いので込み合った場合に事故につながる可能性が高いことから使用禁止を決定し、3月上旬頃にホームページに明記しました。今のところポスターや貼り紙、パンフなどには記載しておりません」(国立科学博物館広報・常設展示課お客様サービス担当者)

 今は使用禁止とアナウンスしていない施設やイベントも、自撮り棒について検討中のところが多い。今後は肩身が狭くなりそうな気配を察知してか、代わって新自撮りアイテム「セルカレンズ」が関心を集めている。スマホのカメラレンズにレンズを重ねることで、自撮り棒のように広い画角での撮影が可能になるからだ。自撮り棒と同じく、韓国でのブームが紹介されたのをきっかけに日本でもヒット商品となっている。

「テレビで紹介されてから問い合わせが増えたので、自撮り棒の隣に『セルカレンズ』コーナーをつくりました。画角が大きくなるワイドや広角のレンズが人気です。スマホにつけるレンズは商品としては以前からありましたが、安くても5000円はしました。いまは安くなって自撮り棒と同じくらいの価格帯で買えます。カラーバリエーションも増えているので本体の色にあわせて買っていかれるようです」(家電量販店販売員)

 スマホに装着するタイプもクリップ、マグネット、吸盤から選べ、自撮り棒に比べてコンパクトに持ち運べる。

 使用するアイテムは変わろうとも、自撮り(selfie)の流行はとうぶん続きそうだ。


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