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取調べでの「嘘を言うと偽証罪になるぞ、本当のことを言え」、これ本当?

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Q.

 ある事件での取調べ中に、刑事から「嘘を言うと偽証罪になるぞ、本当のことを言え!」と怒鳴られました。

 警察での取調べで嘘を言うと、偽証罪で処罰されるのでしょうか?

(1)偽証罪になる
(2)偽証罪とはならない

A.

正解(2)偽証罪とはならない

 刑法169条は「法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは・・・」と、偽証罪を規定しています。したがって、偽証罪となり得る者は「法律により宣誓した証人」だけです。

 ここでの「法律」とは、刑事事件であれば刑事訴訟法、民事事件であれば民事訴訟法などを意味します。警察での取調べで宣誓をすることはありませんので、偽証罪にいう「宣誓した」には該当しません。また、もし宣誓をしたとしても、それは刑事訴訟法で定められた宣誓ではありませんから、「法律により」宣誓したともいえません。

 また、「証人」という地位にある者だけが、偽証罪の犯罪主体となりますから、被告人本人が(少なくとも共同被告人事件の証人とならない限り)偽証罪に問われることは、法廷でもありません。ましてや、取調べを受けている者は、証人ではありませんので、偽証罪の主体となりません。
 ですから、「法律により宣誓」したという要件も、「証人」という要件も欠くことになり、取調べ中に刑事さんから「嘘を言うと偽証罪になるぞ、本当のことを言え!」と注意されながら、虚偽の供述をしたとしても、偽証罪になることはないのです。

 なお、このように怒鳴られて、自分が偽証罪に問われることになると思い違いをして供述をした場合、それは偽計(嘘)による捜査方法として、違法な捜査であるとの評価を受けることにもなり得ます。将来この供述を録取した書面、供述調書が証拠として請求された場合、違法収集証拠となって証拠としての適格性が否定されることもあり得ます。

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