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結婚式でiPadに保存した楽曲リストを再生できる?

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Q.

 披露宴で使用する曲に著作権がかかると聞きました。自分なりに色々調べてみたら、著作権と著作隣接権がかかるというのは理解できました。自分のiPadで正規のルートでダウンロードされた曲をプレイリストにして流してもらうようにした場合、CDを複製する時と同じように著作権侵害になるから、著作権者の承諾が必要と考えてもよいのでしょうか?
 どこのサイトを探しても、CDに複製することばかりが書かれていて、iPadやPCで音楽を流す場合の事が書かれていなかったので、すごく疑問に思いました。

(30代:女性)

A.

 ご結婚、おめでとうございます。気持ちよく披露宴を執り行うためにも、お気に入りの音楽を流したいものですよね。
 若干、ご質問内容に混乱が見受けられますので、まずは簡潔に結論からお答えいたします。

 披露宴で使用したい曲、それぞれについて著作権者の許諾を得ていれば、それをプレイリストとしてどのような順番に組み替えたとしても(個別の楽曲自体を改編や編集しない限り)著作権法上は問題ありません。そして、多くの披露宴会場では音楽の著作権管理団体と包括的な許諾契約を取り交わしているため、会場側がOKを出せば楽曲使用は問題ないと考えられます。
 したがって、ご相談者様の場合は「こんな曲をこんな順番で使用したいのだけれども大丈夫か?」ということを会場側に問い合わせてください。そして、会場側の判断に従えば問題ありません。

 具体的にお答えします。まず、披露宴会場で音楽を使用する場合、著作権者の演奏権を侵害することになります。演奏権は、ご指摘いただいた「著作権」に含まれます。したがって、著作権者に許諾を得て(多くの場合は対価を支払って)音楽を使用することになります(著作権法22条95条)。
 次に、iPad上に保存した楽曲を使用するという点について。この点にすこし混乱が見受けられるので、かみ砕いてご説明します。
 音楽の著作物の場合、権利者に複製権という権利が認められます。これがご指摘いただいた「著作物隣接権」に含まれます(著作権法21条)。文字通り、「許諾なくコピーされない権利」という内容です。

 例えば、iPad上の楽曲をさらにメモリーカードやCDなどに保存した場合、複製権を侵害することになります。要は、ダウンロードした端末(もしくは1つのIDで管理されたアカウント)限りにおいて、音楽の再生が許されているとお考えください。複数のアーティストの楽曲について順番を変えてプレイリストを作ったとしても、お手持ちのiPadで再生する限りにおいては、どこにも複製はしていないので、複製権の侵害にはなりません。
 したがって、理屈の上では披露宴会場でiPadをスピーカーに直結させて、そこからプレイリスト上の音楽を流した場合、「著作隣接権」は侵害しないことになります(もちろん、著作権である演奏権についての侵害はあるため、使用の許諾を取ることは必要です)。

 もっとも、音響設備の形式上iPadを直結できるかどうかはわかりません。また、機材の仕組みによっては厳格に解釈すれば、iPadから披露宴会場の音響機器に楽曲を保存しなおして再生した、と判断される可能性もゼロではありません。
 そのため、間違いのない対応としては、楽曲が保存されたお手持ちのiPadを持参して披露宴担当者を訪ね、プレイリストの再生が可能か。不可能な場合、プレイリスト上の音楽をどのようなタイミングで再生したいかを伝えて打ち合わせを行うことが解決への近道だと思います。

元記事

結婚式でiPadに保存した楽曲リストを再生できる?

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