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Album Review:マイアミ・ホラー、ポップでドリーミーなサウンドは『All Possible Futures』でさらに高みへ

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 オーストラリア・メルボルン出身の4人組、マイアミ・ホラーのドリーミーで軽やかなメロディは2ndアルバム『All Possible Futures』でも健在。むしろ、パワーアップしている。5年振りとなる今作で、彼らはまた我々を心地良いマイアミ・ホラー・ワールドへと誘ってくれた。これからの時期に手元に置いておきたい1枚だ。

 マイアミ・ホラーの名を世に知らしめたのは前作『Illumination』。エレクトロ・サウンドをベースに、ディスコ、ハウスなどを取り入れた楽曲は、“Disco House Throwback Style”と呼ばれ、あっという間に世界中の音楽ファンから支持された。今作は、前作から5年の歳月をかけてリリースされた。その間彼らは、オーストラリア・メルボルンとアメリカ・LAで生活をし、作曲活動をしていた。それぞれの街での生活で違ったインスピレーションを受け、ニューアルバムに反映したことは間違いないだろう。

 『All Possible Futures』は、シンセサイザーの音色が特徴的な「American Dream」から幕を開ける。1曲目から彼らの魅力である軽快なドリーミー・サウンドは全開でアルバムへの期待感がぐっと高まるナンバーだ。続く2曲目は、LAのエレクトロポップ・トリオ、SuperhumanoidsのSarah Chernoffをフィーチャーしたリード・シングル「Real Slow」。曲のタイトルとは裏腹に、テンポ感のあるビートと透明感のある女性ボーカル、駆け抜けるような美しいメロディが合わさり、夢見心地な気分にさせてくれる。そういった意味で“Real Slow”な1曲になっている。

 また、このアルバムにはSarah Chernoff以外にも多彩なミュージシャンたちが参加している。3曲目「Love Like Mine」と7曲目「Colours In The Sky」には、同郷のミュージシャン、Cleopoldがフィーチャーされている。「Love Like Mine」は、彼らが影響を受けた80’sディスコを彷彿させれるような1曲。「Colours In The Sky」は、ミドルテンポにサイケデリックな要素が加わり、一段とドリーミーな雰囲気がある楽曲。両曲ともアルバムの中でも特色のある楽曲になっている。また、4曲目「Cellophane (So Cruel)」には、アメリカのエレクトロ・グループ“Base Camp”のAaron MillerとLAを拠点に活動する女性シンガー、Gavin Turekが参加。こちらはAaron Millerの力強くも浮遊感のあるボーカルとGavin Turekのコーラスワークが際立つR&Bテイストな1曲だ。

 アルバムを通して、キャッチーかつグッドメロディー。ハウス、エレクトロ、ディスコと様々な要素を融合させて作り上げられたポップサウンドは、昨今人気のEDMとは一線を画す。アルバムのジャケットにあるようなオープンカーを走らせながらこのアルバムを聞けば、あなたを非日常へ連れ出してくれるに1枚に違いない。

text:中谷聡

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