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SEBASTIAN X、活動休止前ブリッツ公演で約3時間熱演「また一緒にバンドやろう」——OTOTOYライヴ・レポート

SEBASTIAN X、活動休止前ブリッツ公演で約3時間熱演「また一緒にバンドやろう」——OTOTOYライヴ・レポート

SEBASTIAN Xが4月30日、活動休止前最後のライヴを赤坂BLITZで行った。こちらは、3月に発売したミニ・アルバム『こころ』のリリース・ツアー・ファイナルでもある。このアルバム発売前の1月に、彼らはバンド活動を休止することを発表していた。

メジャー・デビュー直後に活動休止という、あまりにも突然の発表。この日、会場に集まっていた人たちのなかにも、気持ちの整理がついていないファンはきっと多くいたことだろう。そんな思いを拭うように、ライヴは終盤までまったく悲壮感を感じさせない、彼ららしいポジティブな空気に満ちたもので、特に永原はいつものようなまばゆい笑顔で歌い続けた。

定刻より5分押しで場内が暗転、ありったけの拍手と歓声に迎えられて沖山良太(Dr)、工藤歩里(Key)、飯田裕(Ba)がステージに登場。沖山が「SEBASTIAN X、ワンマン・ライヴはじめます!」と宣言すると演奏がはじまった。すかさず赤いドレス姿の永原真夏(Vo)がステージに現れ、「つきぬけて」を歌いながらくるくるまわったり、手を振ったりとスタートから全力で客席を盛り上げ、「みんな元気? 楽しんでいきましょう!」とスカートの裾を持ち上げて一礼した。「ROSE GARDEN, BABY BLUE」「光のたてがみ」など、序盤はアップ・テンポの曲を連発。永原は客席に渦巻く複雑な感情を払拭するかのごとく、満面の笑顔で「みんな元気!?」「声出せる?」と煽りながら熱唱した。客席もステージに向けて精一杯、手を伸ばして歓声を送り、「フェスティバル」までの6曲をノンストップで駆け抜けた。

「ありがとう! 改めまして赤坂にお越しのみなさま、SEBASTIAN Xです! 今日は曲をたっぷりやるんです。楽しんでいってください!」と永原があいさつすると、7〜8年前に作ったというレア曲「LIFE PLEATS」を披露。「スピカ」ではミラー・ボールの光のなかで、永原がまるでミュージカル女優のように大きく身振り手振りを交えながら歌い、亡くなった飼い猫のことを歌ったミディアム・テンポの「日向の国のユカ」では、終盤に猫を抱きかかえるような仕草をみせた。

再びMCコーナーを挟み、メンバーは思い思いにライヴの感想を話す。そして永原が「歌を歌うと宇宙を感じることができたりします。それがすごいなって思います。別にたいしたことはしなくていいんだよ。勉強しなくていいし、なにもわからなくていいんだよ。だって、本に書いてあることよりも、君が生きてることの方が正解だ。テレビでやっていることよりも、君が感じたことがだいたい正解だ。そういうふうにできている」と語りかけると、「ラブレターフロム地球」へ。続くバラード「愛の跡地」では、伸びやかな歌声と心のこもった演奏に、客席はじっと耳を傾けていた。

「今日ね、すっごい長いセットリストにしたんだけど、もう後半戦です!」と永原が告げると、ライヴは終盤へ。沖山の力強いドラムに飯田の野太いベースがくわわると、客席から「オイオイ」コールがあがり、そのまま「ひなぎく戦闘機」へ。「やめたやめたやめた」と歌った「Sleeping Poor Anthem」では客席前方は軽いモッシュ状態に。「ヒバリオペラ」ではコール・アンド・レスポンスのワードを客席から募って「大好き! SEBASTIAN X! 赤いドレス! 弾けろ!」と一斉に叫ぶ。「ツアー・スターピープル」では、飯田もマイクを握りステージ前であおり、永原はカメラマンからカメラを奪って客席を撮影するなど、アグレッシブなパフォーマンスをみせた。

「ライヴもう終盤ね〜 真面目な空気は苦手なだから 不真面目なお客さんばかりで安心したわ」と工藤のキーボードに乗せて永原が即興で歌うと、そのまま「スーダラ節」へ。イントロで永原は靴と靴下を脱ぎ捨て裸足になると、ほかのメンバーも一緒になって歌い、場内はお祭り騒ぎとなった。「GO BACK TO MONSTER」では、点滅する照明のなかで「君の目に映るのは 輝く世界ですか?」と永原は何度も絶叫しながら問いかける。飯田は、スタッフに制止されながらも必死でステージから身を乗り出して演奏していた。本編最後に演奏されたのは、永原のアカペラからはじまった「こころ」。「けどちがう ここじゃない」「でもちがう これじゃない」と繰り返し歌われていく。曲の後半、ふいに照明が明るくなると、まるでその光を吸収しながら演奏しているかのように、ステージ上の4人はまぶしく思えた。堂々たる笑顔の演奏で、本編を締めくくった。

アンコールでは、「DNA」のメロディに乗せて永原が「いろんなことがあって、私ここで歌っているけど、10年〜11年前には想像もしなかったわ」とアドリブで歌いはじめる。さらに「あからさまに人生の分岐点にいる私からみんなに言えることは、斜に構えている暇はねーぞ! いましかないんだよ! しょうもない出会いとか、しょうもない恋愛とか、しょうもないお金とかを10年後20年後に奇跡に変えるのは、いましかないんだよ赤坂!! いましかないんだよ! 斜に構えてカッコつけてるあいだに、死んじゃうんだからね」と痛烈なメッセージを送った。

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