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記憶力、世界No.2が語る。古代ギリシャから存在する、脳が喜ぶ「暗記術」とは?

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「卓越した記憶力は才能ではなく、テクニック次第で高めることができます」そう語るのは、世界記憶力選手権で第2位という成績をおさめたイドリズ・ゾガイさん。

彼は「Ted Talks」で、古代ギリシャから存在している暗記術を紹介しています。覚えてもすぐに忘れてしまう…、とお悩みの方に。悩みを解決するヒントが彼のスピーチにはありました。その内容を簡単にまとめると、

1.記憶力は生まれつきの能力ではなく、テクニック次第で誰でも暗記名人になれる。

2.多くのことを覚えるためには、脳を喜ばせることが必要。おもしろくて鮮明なストーリーを作り、脳にインパクトを与えることで覚えやすくなる。

3.正しい学び方でトレーニングを続ければ、可能性は無限大になる。

記憶力は生まれつきの能力じゃない
大事なのはテクニック

私の特技は、たくさんのことをすぐに覚えられることです。人には「超能力者みたい」「天才」と言われますが、決して生まれつきこの能力を備えていたわけではありません。25歳になってから、この能力を身につけました。その頃ちょうど大学を卒業して「これから何をしようか?」と考えていました。人とコミュニケーションをとるのが好きだったので、新しい言語を学ぶことに決めました。いろいろな言語のテキストを探していたところ、偶然にも記憶に関する本を見つけたのです。

私は言語を学ぶ時には、教科書を使って文法を勉強するのではなく、その国にいって現地の人と話し、実践でマスターしたいと考えていました。そのため、渡航前に語彙やフレーズ、言い回しをいくつか覚えておこうと思ったのです。そこで私が、“記憶に関する本”が役立つと思い、読み始めました。そして、記憶するにはテクニックが重要だということに気づいたのです。

この本の最後の章には、「記憶力のチャンピオンを決める世界大会がある」ということが書かれていました。私はいろいろな言語に興味があって、あれこれテキストに手を出しているうちに何年も経ってしまっていました。でも、学んだテクニックを使って、中国語やヒンドゥー語など、多くの言語の練習問題を解いているうちに「自分は、記憶力に関して、相当なレベルに達しているのでは?」と気がつきました。
そこでさらにレベルを高めようと考え、トランプのカードを使う方法などで繰り返し練習し、27歳の時にイギリスで開かれた世界記憶力選手権(World Memory Championships)に参加したのです。

Reference: UnlockingTheBible

私は見事世界で2位、スウェーデン国内では1位という成績をおさめ、以後5年もの間タイトルを守り続けてきました。地元の友達にはとても驚かれました。「マジかよ?いつの間にそんなオタクになったんだ?」「一体どうやって世界チャンピオンになったんだ?」と。
私は「僕自身は何も変わっていないよ。ただ本に書いてあったテクニックを使っただけだよ」と答えました。

大会では、単語や人の名前、歴史の年代など、全部で10項目の情報を覚えます。その量はとてつもなく多く、学校の勉強の12年間分と言えるでしょう。しかもそれらを5分で覚えなければなりません。でも、このテクニックを使えばきっと誰でも簡単に覚えられます。わかりやすく説明するために、例題をお見せしましょう。

多くのことを覚えるために、
脳を喜ばせてあげよう

ここに2つのイラストがあります。なんのつながりもない、ただランダムに選んだものです(※映像は下部にあります)。
皆さんは、この2つの画像がつながるように、おもしろくて、鮮明に目に浮かぶようなストーリーを頭の中で作ってください。五感をすべて使い、どんな風に見えるか、何を感じるかを意識して、立体的にストーリーを組み立ててみてください。

私ならこうします。
まず、この大きなカタツムリとドアのイラストだったら、カタツムリの殻に“Welcome”と書かれたドアがついている。なのでちょっと気持ち悪いけど、開けて殻の中に入ってみるとします。別にこのストーリーに意味があるわけではないんですけどね。

次に、こちらの2つのイラストです。フラミンゴとレンガ。フラミンゴがレンガを積み上げているとしましょう。私たちは登らないといけません。では、このイラストはどうでしょう?ゾウとおもりだったら、ゾウは力持ちだから重いおもりだって運べます。キリンとスキーヤーのイラストだったら、スキーヤーがなんだかノリノリですね。蛇と太陽だったら、爬虫類はお日様が好きだから、蛇が太陽の下にいる・・・とするのはちょっと危険ですが(笑)。

ありきたりのストーリーでは、人はすぐに忘れてしまいます。だから、屋根でおおきなサングラスをかけた蛇が、太陽の下で飲み物を飲んでいるストーリーにしましょう。

Reference: Petr Dosek

脳の中にある神経は、何千という数でお互いにつながっています。このつながりはとてもユニークで、全く同じ組み合わせはありません。そして、強いつながりをつくれれば、記憶に残りやすいのです。強くてインパクトのあるつながりをつくるほど、長く覚えていることができるのです。

さあ、このイラストを見てみてください。何が足りないか、きっとあなたにはわかるはずです。おもりといったらゾウだし、レンガといったらフラミンゴ。ドアといったらカタツムリですよね。「出てきた順番に並べて」と言われたら、覚えた時のことを思い出せばいいだけです。反対回りと言われたら、たださかのぼるだけ。
これが世界記憶選手権で皆がしていることです。

大切なことは、
トレーニングを積み重ねていくこと

私の友人であり世界記憶選手権のチャンピオンであるサイモン・レインハードも、これと同じ方法をしています。知識を構築させて脳に定着させるイラストを見るのは1回だけです。必要なのは、脳に強いつながりづけを定着させること。そうすれば、可能性は無限大です。

以前に研究者にも「並外れた能力だ!」と驚かれたことがありましたが、私たちはただ、脳が喜ぶ仕組みを理解してその通りに学習をしているだけです。このテクニックは古代ギリシャの時代から存在するもの。私たちはただうまくトレーニングして、この力を利用しているだけです。

あなたもすぐにトレーニングを始めることできます。今度何か面白い話を聞いたら、それをさらに面白くしたストーリーを頭の中につくって、強いつながりを持たせてみてください。必ずできます!

Reference:Ted Talks

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