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月曜から夜ふかし 視聴率好調の背景に数々の人気番組の手法

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 ジャニーズのアイドルグループ・関ジャニ∞の村上信五とマツコ・デラックスが、世間で話題となっていることについてトークする深夜番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)が絶好調だ。4月27日の放送では、レギュラー放送で過去最高の12.0%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)を記録、さらに5月4日の放送でも11.4%の高い視聴率をマークした。

「レギュラー版だけではなく、定期的に放送しているゴールデンタイムのスペシャル番組も高視聴率をあげています。今年3月末の特番第9弾目は16.4%。これは今のところスペシャル版の過去最高視聴率です」(芸能ライター)

 この『夜ふかし』人気の背景について、番組のファンだという放送作家の内堀隆史氏はこう語る。

「同じ日本テレビ系の人気番組に『秘密のケンミンSHOW』がありますが、『夜ふかし』は、さしづめ“ブラックケンミンSHOW”といったところでしょうか」

『秘密のケンミンSHOW』はご存知の通り、各都道府県の変わった郷土食や習慣などを地元に直接出向いて取材し、その魅力を伝える番組である。『夜ふかし』も同様に、ご当地にまつわる「問題」を毎回のように取りあげるが、こちらはかなりディープなテーマを扱う。

「例えば、かつて番組で『仙台市 五大都市勘違い問題』というテーマが取りあげられました。通常『日本の五大都市』といえば東京、大阪、名古屋、福岡、札幌という5つの都市を指しますが、仙台市民は最後の札幌を自らの仙台と言う人が多い、というのです。

 それでは仙台と札幌、どちらがより五大都市に入るのにふさわしいのか番組で調査し、人口や市内総生産で比較してみると、仙台は札幌よりいずれも少ないことがわかった。

 そしてスタッフはよせばいいのに、そのデータを仙台市民にわざわざぶつけました。すると仙台市民はこう言い返したのです。『でも旅行する人は札幌と仙台どっちを旅行するってなったら、やっぱり仙台だよね』『雪まつりどんだけ頑張ってんだよ』と…。『ケンミンSHOW』であればカットするようなそのような発言も敢えて取り扱うところに、視聴者は今までにない面白さを感じるのではないでしょうか」(内堀氏)

 他にも、「京都VS滋賀 琵琶湖の水問題」というテーマでは琵琶湖からの水の恩恵を受けているはずの京都人の本音がさく裂! 「琵琶湖、夏とか汚くなるやん」とか、「(琵琶湖の水は)昔はおいしかったけど今は沸かして飲んでる」といった散々な声が挙がった。そんな京都人の声を当の滋賀県民にぶつけると、「じゃあ水飲むな」「水止めます」と反論していた。

「こうして、わざわざ地元の人に核心をぶつけたり、データを持って言いに行ったりするというところに、番組の努力が感じられます。それを“悪意”と呼ぶ人もいるでしょうが、それがこの番組の味となるわけです。いずれにしても、さまざまな着眼点から各地の人々の本音を引き出すことで、見ている視聴者がさらに意見を言いやすいようにする効果があるのではないでしょうか」(内堀氏)

 テレビを見ながら、いろいろ言いやすいのがヒット番組の条件だとすれば、まさにこの『夜ふかし』はその王道をいくものではないだろうか。

「もちろん、細かいところで言えば、問題となるテーマを番組冒頭で発表することで、どういうことだろう?と興味をあおる点や、『ロンドンハーツ』『アメトーーク!』(いずれもテレビ朝日系)の声でおなじみのナレーター・佐藤賢治さんの硬すぎるナレーションによって、下世話になりがちなVTRが一定の格調をもって見られるという効果もあります。またひとつのテーマのVTRの中に、さらに細かいテーマが挟まれていることで、ちょっとしたコラム感覚で見ることができ、視聴者を飽きさせない工夫も見事です」と同氏は語る。

 開始当初は4~5%の視聴率を行き来していた同番組。その人気に拍車がかかったのは、スタートから約1年後のことだった。株歴30年のベテラン投資家で、驚異の財テク術によって現金をほぼ使わず、企業から送られて来る株主優待券で生活するという桐谷広人さんが登場したのである。これについて内堀氏は、

「優待券を有効期限内に使いきるために都内各地を、自転車で爆走する姿が話題を呼びましたよね。このような“おもしろ素人”を世に出して番組の認知度を高める手法はかつて同局で放送されていた『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の系譜に近いアプローチです。

 また、株主優待券の話はためになるとしても『クーピーの白色は何のためにあるのか』『ドライヤーのCOOLは何のためにあるのか』など一見ムダに思えるようなことも取り扱う姿勢は、かつての『トリビアの泉』(フジテレビ系)にも通じます。『夜ふかし』は、こうしたバラエティーの基本をおさえつつ、先ほど言ったように、とにかく執拗に取材対象にフォーカスし、本音を引き出し、本質を突くというプラスアルファの要素を添えている。この手法に対して『あまりにしつこすぎて笑えない』という視聴者もいますが、そう言わしめるスタッフの狂気に拍手を送りたい」と手放しで絶賛した。

 いずれにしても『月曜から夜ふかし』というタイトル通り、月曜から寝つけないことは間違いなさそうだ。


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