ゆとり世代の教育もお手のもの!? いまもなお若手を開花させる、球界の名伯楽たち

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 今年も「子どもの日」を中心に賑わいを見せた大型連休のプロ野球。ちびっ子たちの声援を受け、巨人の高木勇人や西武の森友哉など、若い力が躍動してみせた。

 新緑まぶしい季節、若い力が躍動する時期だからこそ、あえて意識したいことがある。それは球界における名伯楽たちの存在だ。近年、監督・コーチ人事はどのチームも若返りの傾向がある中、それでも頼られる68歳以上の野球人たちをピックアップしてみたい。

◎内田順三(68歳)
読売ジャイアンツ2軍打撃コーチ

 1969年ドラフト8位でヤクルトに入団。以降、日本ハム、広島でも活躍し、1982年に現役引退。翌1983年から広島の打撃コーチに就任すると、広島か巨人、常にどちらかのチームでユニフォームを着続けてきた、球界随一の打撃指導者だ。

 育て上げた選手は、広島では1990年代の赤ヘル打線の中核を担った野村謙二郎、江藤智、前田智徳、金本知憲など。そして巨人では松井秀喜、高橋由伸、阿部慎之助といった錚々たるメンバーが並ぶ。

 昨季限りで広島の2軍監督を退任すると、今季から再び巨人の2軍打撃コーチに就任。昨季、イースタンリーグでチーム打率が最下位だったヤングジャイアンツの改革に臨む。指導信条は「数を打つだけでは意味がない」。

◎小谷正勝(70歳)
千葉ロッテマリーンズ2軍投手コーチ

 1967年のドラフト1位で大洋に入団。主に抑えで活躍し、オールスターゲームにも出場している。引退後の1978年に同球団スカウトとなり、翌1979年から投手コーチに。以降、ヤクルト、大洋・横浜、巨人、と在京セ・リーグチームで33年間コーチ業を歴任した。

 ヤクルト時代は内藤尚行や川崎憲次郎を、大洋・横浜時代は佐々木主浩や三浦大輔を、巨人では内海哲也といった各球団のエースを育て上げたことでも有名。近年は、テスト生だった山口鉄也の才能を見抜き、入団に導いたことで知られている。

 1年間の浪人を経て、2013年からは初のパ・リーグとなるロッテ2軍投手コーチに就任。伊東勤監督からの信頼も厚く、入団にあたっては「お任せします。自由にやってください」とだけ言われ、実際に自由奔放に指導に当たっているという。西野勇士や古谷拓哉らのブレイクのきっかけを作った男として、70歳にしてなお、注目を集め続けている名指導者だ。

 プロ以外では、青葉緑東リトルシニアに所属していた、当時中学生の松井裕樹(現楽天)にも指導したことがある。ちなみに、松井は教えたことをすぐに体現できたそうで、小谷氏は松井のことを「天才」と呼んでいた。

◎伊勢孝夫(71歳)
東京ヤクルトスワローズ2軍バッティングアドバイザー

 1963年に近鉄に入団。1971年には28本塁打を記録し、当時の三原脩監督から「伊勢大明神」と呼ばれるほど頼りにされた。指導者になってからもこの愛称で呼ばれることは多い。

 現役引退後はヤクルト、広島、近鉄、巨人などで打撃コーチを歴任。1989年から1995年までヤクルトの打撃コーチを務め、野村克也監督の右腕として池山隆寛、広沢克己、古田敦也、宮本慎也らヤクルト黄金期のメンバーを育てあげた。また、1996年からは近鉄のヘッド兼打撃コーチに就任し、「いてまえ打線」で恐れられた中村紀洋、タフィー・ローズらの指導にあたったことで知られている。

 その間には、スコアラーや編成部門の要職に就いたり、海を渡って、韓国プロ野球のSKワイバーンズの打撃コーチとして優勝に貢献したり、その仕事人ぶりは場所も職種も問わなかった。2010年のシーズン途中からヤクルトに復帰し、最大で借金19まであったチームを小川淳司監督代行とともに立て直し、8月下旬には完済させた。

 投手から野手に転向した雄平の指導にあたるなど、若手育成には定評のある人物だ。昨季もセ・リーグ1位のチーム打率を誇った強力打線のさらなる底上げに、「伊勢大明神」にかかる期待は大きい。

◎松岡功祐(72歳)
中日ドラゴンズ2軍育成野手総合コーチ

 1966年ドラフト1位で大洋に入団。内野手として活躍し、1977年に現役引退。引退後は同球団でコーチ、スカウトを歴任。スカウト時代には波留敏夫(現中日コーチ)や相川亮二(現巨人)らを担当した。その後、2007年からは中国の天津ライオンズのコーチを経験。2011年から2014年までは母校の明治大野球部でコーチを務め、3度のリーグ制覇に貢献している。

 そんな異色の経歴の持ち主に白羽の矢を当てたのが中日の落合博満GMだ。今季から選手寮「昇竜館」の館長も兼任する形で2軍の育成コーチに就任した。

 明治大コーチ時代には朝4時起床。すぐに朝風呂に入ると、その後はストレッチで身体をほぐし、5時にはウエートトレーニングをしていたという元気の塊のような人物だ。世代交代が急務の中日。松岡コーチのエネルギーで若手の突き上げが起こるかに注目だ。

 広島・黒田博樹(40歳)の日本球界復帰や中日・山本昌(50歳)の最年長記録、DeNA・三浦大輔(42歳)の23年連続勝利など、ベテランたちの活躍にも注目が集まる中、70歳前後の名伯楽たちから見れば、まだまだ彼らも「ひよっこ」たちだ。ましてや、指導者ともなれば50歳近くも年の離れた、いわゆる「ゆとり世代」にも上手に道を示さねばならない。そこには、年齢を超えた「指導者としての知恵」があるはずだ。会社や組織で若手の指導に悩むサラリーマンにこそ、その背中から学ぶべきことは多いのではないだろうか。

 5月の『週刊野球太郎』では、『プロ野球格差対決2015』と題し、体格差、年棒差、出身地、境遇といった、さまざまな格差対決を特集! 雄平vs.新井貴浩、三浦大輔vs.松中信彦、西川遥輝vs.石川雄洋……これらは一体、どんな格差対決でしょうか!?

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