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別居中の妻の借金を増やさせない方法は?

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Q.

 別居中の妻が借金をふくらませているのであれば、それが共有財産とされない手段はありませんでしょうか。

(60代:男性)

A.

 ご相談者様が、別居中の奥様が作った借金がないか、あるとすれば共有財産に含まれないかと心配されるのは、言い換えると「夫である自らが返済などの責任を負うのではないか?」「仮に離婚した場合、共有財産の清算として借金を負担することがあるのではないか?」という点にあろうと思われます。
 今回は、この2点について、順を追ってご解答いたします。

 まず、「別居中の妻が作った借金について、夫が返済義務を負うのか?」という点について。
 民法においては個人責任の原則があり、夫婦のいずれかが借金をしたとしても、配偶者はその責任を負いません(夫婦別産制)。しかしながら、夫婦は同居し、お互いに助けあう義務を負っているため(同居協力義務。民法752条参照)、夫婦別産制は修正され、共同生活中に得た財産や借財は、いずれに属するかがわからないものについては共有化されます(民法762条参照)。また、日常家事債務については、連帯責任を負うものとされています(民法761条)。

 別居中の奥様が借金をする場合、基本的には奥様が個人の名前でお金を借りるものと考えられます。連帯保証などを行わない限りは、基本的にご相談者様に支払い義務が生じることはありません。
 しかしながら、日常家事債務の範囲であると判断された場合、支払い義務が生じる場合があります。例えば、生活を営む上で必要な家電製品や衣類を購入し、それらの支払いにショッピングローンを利用することなどが想定されます。

 ただ、日常家事債務に含まれるか否かは、個別の事例に応じて判断されるため「ここまでが含まれる」というのが明確には答えづらい部分があります。詳細については、弁護士などの専門家に相談されることをおすすめいたします。
 また、いわゆる「家族カード」のクレジットカードを奥様が持たれている場合、請求がご家族で一本化されている結果、ご相談者様が支払わなければならないということになります。こうしたカードが有る場合は、解約手続きをするのが対応法の一つだといえます。

 一方、「離婚した場合、共有財産の清算として借金を負担することがあるのではないか?」という点について。
 離婚時には、財産分与を実施することができます。財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を、離婚の際に貢献度などに応じて分配する手続をいいます(民法768条参照)。

 この場合、借財などのマイナスの財産も分配することになります。実務上は、マイナスの財産とプラスの財産を合算して、プラスがあればそれを分配するというのが一般的だと考えられます。そして、財産分与の対象となる財産は、一定の別居期間を経て離婚となった場合は、原則として「離婚時ではなく別居時」を基準に確定されます。別居後の財産については、「夫婦が協力して形成したものではない」と判断されるためです。
 そのため、仮に別居後に奥様が借金をされたとしても、離婚時に支払いをしなければならないということは想定しづらいといえます。もっとも、「基本的には」別居時とされるにすぎず、こちらも個別の事案に応じて判断されます。
 場合によっては奥様が作った借財を負担することも想定されますので、専門家に対応策を相談されることをおすすめします。

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