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「時給1500円」を求めて…ファーストフード店員賃上げ要求の妥当性

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国内24都道府県の30都市で賃金アップのデモが行われる

4月15日、東京など国内24都道府県の30都市で賃金アップのデモが行われました。「ファーストフード世界同時アクション」に合わせたもので、東京では個人加盟の労働組合が中心となって結成され、それぞれが「時給1500円、これが常識」、「働きすぎはもう終わりだ」と書かれたプラカードを掲げてアピールしていました。

背景としては、過酷な労働環境の中、低賃金労働を強いられ、働けなくなれば使い捨てにされる若者が数多くいることが影響しているからだと考えられます。もともと、最低賃金は労働基準法で都道府県ごとに定められており、雇用者はそれを守る必要があります。ただ、その賃金は本来、労働者の年齢、学歴、経験年数、業務内容、会社の経営状況などを総合的に考慮して決定されるものです。

国際競争力を失いかねない

現在、日本の中で最低賃金が最も高額な東京(888円)では、平均でも時給千円程度の求人が増加しています。それが、デモの主張通りに時給1500円になれば、雇用者は雇っている人数を減らさざるを得なくなることが考えられます。

当然、人件費を抑えるために機械化が進み、多くの労働者を雇用する必要性が薄れるかもしれません。ほかにも、時給が上がり人件費が高騰することにより、提供する商品やサービス価格に転嫁しなければならなくなります。結果、商品が売れずに経営状況が悪くなれば、賃金の引き上げどころではなくなります。同時に、消費者が少しでも安さを求めて輸入品に頼り始めれば、国産品は売れず、海外にお金が流れ国際競争力を失いかねません。

労働者側は時給に見合う高度な専門性を身に付けるべき

こうした問題の背景には、牛丼チェーン店での24時間勤務やワンオペと呼ばれる深夜の一人勤務、長時間労働など、過酷な労働環境の割に賃金が低いという問題があります。しかし、それと時給を1500円にすることとは話が違います。

もちろん、過酷な労働環境は当然、改善する必要があります。しかし一方で、賃金は企業が経営状況や労働者の特性などを考慮して決定するもので、時給が800円の仕事しかできない人に、時給1500円を払いたくはありません。それでもまだ時給1500円を希望するのであれば、労働者側はそれに見合う高度な専門性を身に付けるほかないでしょう。

(松本 明親/社会保険労務士)

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