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103歳美術家が語る、「歳をとらなければ見えてこないこと」とは?

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 あなたは「歳をとること」に対して、ネガティブなイメージを持っていませんか?

 103歳にして現役の美術家として活動を続ける篠田桃紅さんの著作『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』(幻冬舎/刊)には、「歳を重ねることの先には新しい発見が満ちている」そう思わせてくれる言葉がいくつも見つかります。

■百歳を過ぎて、どのように歳をとったらいいのか、私にも初めてで、経験がありませんから戸惑います。(中略)百歳を過ぎると、前例は少なく、お手本もありません。全部、自分で創造して生きていかなければなりません(P23より)

 「お手本になる、人生の先輩がいない」という状況は、とても心細いだろうなと想像がつきます。しかし、篠田さんはその心細ささえも、「自分で創造できることの喜び」に転換しています。「芸術家だからこそ、そういう逆転の発想が可能になったのでは?」という見方ができるかもしれません。しかし、それだけではないはずです。
篠田さんの言葉をヒントに、「自分にピッタリ合うお手本なんて存在しないんだ」と、ある程度あきらめたとき、見えてくるものがあるかもしれません。

■百歳を過ぎると、人は次第に「無」に近づいていると感じます。
 その一つに、私は作品を描き始めると、一切、なにも思わなくなりました。作品と私との間には筆があるだけで、ただ描いているだけです。(中略)無意識のうちに、自然にできあがっていた。しかも、これまで見たことのない、まったく新しい境地の作品です
(P52より)

 若いうちは良くも悪くも、自分のなかのいろいろな欲望にとらわれてしまうもの。でも、歳を重ね、自分にとって本当に必要なものとそうでないものとを切り分け、篠田さんのような良い枯れ方ができれば、肩の力も抜け、ムダなストレスも抱えずにすむようになる。そう考えれば、歳をとるのも、そう悪くない気がしてきます。

 本書に載っている言葉を読んでいると、あらためて「歳をとらなければ見えてこないことがある」という、当たり前のことに気づかされます。それと同時に、「なんとなく歳を重ねた」だけでは、このような言葉には辿り着かないだろうとも思います。本書には他にも、生涯独身を貫きながら、約半世紀にわたって墨を用いた抽象表現主義者として世界的な活動を続けてきた篠田さんにしか語れない言葉がちりばめられています。「歳を重ねるとはどういうことなのか」を考えてみる上で、とても学びになる一冊です。
(新刊JP編集部)


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