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【衝撃!】悪人とヒーローは些細な違いだった。心理学者が語る普通の人が「ヒーロー」になる方法

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心理学者フィリップ・ジンバルドは、ニューヨーク都心部のスラム街で悪に囲まれて育った経験から、何が人の道を誤らせるのかを考えるようになりました。

残虐な事件や有名な実験の例を挙げ、誰しもが善悪両方の心を持ち合わせていると指摘しています。そして、子どもたちが正義を守る英雄になるためには何が大切かを教えてくれました。

私たちは少しの違いで、悪人にも英雄にもなり得るのです。彼がTED Talksで行ったスピーチをまとめると、

・善悪の境界線は流動的
善と悪の境界線は、実は流動的であいまいなもの。善人が悪に墜ちることもあれば、悪人が更生することもある。

・状況が悪を生み出す
政治や文化といったシステムが謝った権力を作り出し、それに服従することで悪への感覚が麻痺する。

・誰もが英雄になれる
想像力と行動力、そして勇気を持てば、誰でも英雄になれる。子どもたちに伝え、正義と平和を目指そう。

(実際のスピーチ映像は最下部にあります。)

善悪の境界線は流動的

私はニューヨーク都心部のスラム街で悪に囲まれて育ちました。友人の中には刑務所に入った人やドラッグで死んだ人もいて、何が人の道を誤らせるのかをずっと疑問に思ってきました。

多くの人々は、自分は良い側にいて境界線の向こう側が悪人と信じていますが、それは間違いです。善と悪の境界線は、あいまいで流動的なものなのです。

だから、善良なはずの人間が線の向こう側に誘惑されることもありますし、悪いことをした子どもが正しい教育を受けて更生することもあります。

Reference : Nic McPhee

目を凝らせば、世界は善と悪でいっぱいなことに気づかされます。善と悪は、それぞれの心の中に存在しているからです。そして、人間は精神的なダメージや何気ないきっかけで悪へと変貌してしまう可能性があるのです。

状況が悪を生み出す

数年前、戦争の最中、イラクのアブグレイブ刑務所でアメリカ兵が囚人を虐待していたというショッキングなニュースがありました。非常に残虐なものでした。

ブッシュ政権は、制度のせいではなく、一部の悪い兵士のせいだと主張しました。しかし私は、アメリカ人兵士は通常は善人であり、間違っていたのは指導の方だと考えます。

事件が起こったのは、夜勤時の地下階層でした。その場所でCIAは、専門的な訓練も十分に受けていない兵士たちに尋問を行わせました。やつらの意志を砕け、弱らせて抵抗できないようにしろ、と圧力をかけた結果、一線を越えるようなことが起こり始めたのです。

Reference : DVIDSHUB

元国防長官ラムズフェルドは「誰がやったのだ?」と聞きましたが、この質問は間違っています。本当は「何が原因か?」と聞くべきです。

善良ななずの人間がなぜ変貌してしまったかを理解するためには、人の内面を見ることよりも、状況を把握することが重要だと考えます。

この事件の鑑定人になったとき、政治や法律、経済、文化的といったシステムが、間違った権力を作り出し人を腐敗させてしまうということに気が付きました。

だから、人を変えたければ状況を変えなくてはいけません。状況を変えたければ、システム上の権力がどこにあるのかを突き止めなければなりません。

服従心と責任不在が
人を悪人に変える

心理学者スタンレー・ミルグラムによる有名な実験があります。

1,000人の普通の人を生徒役と教師役に割り振り行り、教師役には生徒役が問題を間違えたら感電ボタンを押すようにと指示をします。最初のボタンは15ボルトで、一問ごとに15ボルト追加されていき、最終的には450ボルトまでいくようになっています。

だんだんと学習者は叫び声をあげるようになります。「死にそうだ!ここから出してくれ!」と。さらに375ボルトのボタンには「危険」と書かれていました。

教師役はだんだん恐ろしくなり「何かあったら、誰が責任を?」と尋ねます。すると、研究者は言います。「心配いりません。責任はすべて私たちにあります。」

Reference : Kamil Antosiewicz Monika Powalisz

すると、多くの専門家の予想を裏切り、教師役の3分の2もの人が450ボルトまで行ったのでした。男性も女性も変わらない結果でした。

この実験から、権威は人を盲目にさせ、服従心をコントロールすることが分かりました。個人の責任があいまいになったことが要因でしょう。

例えば、戦士が戦場へ向かうときに、化粧やマスクをかぶって自分とは違うモノになることもあります。自分ではなく、匿名の者になれば、任務として殺人や拷問といったことができるようになるのです。

問題を正すには、個人に焦点を当てるのではなく、状況やシステムといったそもそもの大元に目を向けることが重要です。いじめや偏見、暴力などもそうだと思います。

誰もが英雄になれる

最後に、悪に打ち勝つ英雄になる道についてお話ししたいと思います。

私は子どもとのワークショップで、みんなは今“待機中のヒーロー”なんだよと教えています。子どもたちがいざというときに、英雄として行動できるように「想像力」を持つことが大切だと思うからです。

英雄になれるのは、ごく普通の人です。誰でもなれます。でも「はみ出し者になる勇気」が必要です。グループの服従に逆らうこともあるからです。

また、英雄には「行動力」が必要です。他人が受け身なときにこそ行動すること、そして社会のために行動することが重要な鍵になります。あなたは、不正行為をして悪に染まることも、弱いものいじめを見過すこともできますが、勇気をだして行動し英雄になることもできます。

ニューヨークの地下鉄で、50才のアフリカ系アメリカ人の男性が、線路に落ちた白人を命がけで助けたというニュースがあり、彼はたちまち英雄になりました。

そんな時のために、イメージをもっておくことが大切です。そして子どもの想像力を育ててあげましょう。英雄になるチャンスは一緒に一度しか起こらないかもしれません。

さまざまな間違ったシステムの力に抵抗を示し、正義と平和を目指していきましょう。どうもありがとうございました。

 Reference:TED Talks

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