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KDDIの接続料大幅下落で、au通信網の MVNOが増える?

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MVNOのビジネス展開において非常に重要なポイントの1つとなっているのが、キャリアから通信回線を借りる際、キャリアに支払う“接続料”です。実際、パケット接続料の変化がMVNOに与える影響は、非常に大きなものがあります。
それを象徴しているのが、IIJが3月24日に業績を下方修正したこと。その要因は、同社が回線を借りているNTTドコモの、2014年度のパケット接続料の下げ幅が想定より小さく、追加の支払いが生じたためとされています。


実際、先日公開されたNTTドコモのレイヤ2接続における2014年度のパケット接続料は、945,059円と、2013年度(1,234,911円)と比べ約23%の下げ幅にとどまっています。昨年度は56%を超える大幅な下落を記録しただけに、この下落幅の小ささは、多くのMVNOが影響を受けたと考えられそうです。


それに対し、大幅な接続料の下落を見せたのがKDDI(au)です。KDDIのレイヤ2接続における、2013年度のパケット接続料は2,751,142円と、NTTドコモの倍以上の価格となっていました。ですが4月に公開された2014年度のパケット接続料を見ると、なんと1,166,191円と、58%近くも下落しているのです。

しかしなぜ、KDDIのパケット接続料はこれほど大幅に下落したのでしょうか?

キャリアのパケット接続料は基本的に、通信に必要なネットワークの設備投資にかかる費用を、トラフィックで割って算出します。それゆえKDDIのパケット接続料が大幅に下落したのは、LTEのネットワーク設備投資が一巡して落ち着いた一方で、ユーザーの増加などによりトラフィックが増えたことが主な要因となるようです。

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では今回、KDDIのパケット接続料が大幅に下がったことで、KDDIの回線を利用するMVNOが劇的に増えるかというと、それはまだ難しいでしょう。大きな理由の1つは、それでもNTTドコモより接続料が高いこと。MVNO各社は現在、激しい価格競争を繰り広げていることから、少しでもコストを落として競争を勝ち抜きたいというのが本音です。

つまりNTTドコモより接続料が安くならない限り、KDDIの回線を利用するMVNOが劇的に増えることは考えにくいのです。


そしてもう1つの理由は、KDDIのネットワークの特殊性です。KDDIは3Gの通信方式が他社と異なり競争上不利なことから、いち早く3Gのネットワークを終了させてLTEへの一本化を図りたい。それゆえMVNOに対しても、3Gのデータ通信は提供せず、LTEのみ提供する方針をとっているようです。

そうしたことから、「mineo」や「UQ mobile」などKDDIのネットワークを用いたMVNOは、iOS8以上のiPhoneで通信が利用できない、一般的なSIMフリーのスマートフォンでは通話ができないなどのハンディキャップを抱えています。これらの問題を解消するには、VoLTE対応のSIMフリースマートフォンが多数登場するまで待つ必要があることから、やはり価格下落だけでMVNOの増加を見込むのは難しいでしょう。

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ただ、法人向けやデータ通信用など、利用用途が限られた分野であれば、価格の下落をきっかけとしてKDDIの回線を利用するMVNOが増える可能性は十分考えられそうです。IIJが3月26日にKDDIのMVNOとなって法人向けのデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプK」を提供すると発表していますが、こうした動きは今後も増えていくのではないでしょうか。

また今回の価格下落は、KDDI系のMVNOの競争力向上に大きく貢献することも、忘れてはなりません。実際、mineoは5月1日より、一部料金プランで通信容量を増量することを発表しています。KDDIの接続料がNTTドコモに近づいたことで、NTTドコモ系のMVNOと、KDDI系MVNOとの競争がより激しくなることは、確かではないでしょうか。

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