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前科は消えるものなのでしょうか?

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Q.

 自分は16歳で万引きをして前科がつきました、しかし友達の話によると20歳になると前科が消えると言われたのですが本当なのでしょうか?お答えください。

(10代:男性)

A.

 いわゆる前科は、「過去に確定した有罪の判決を受けたことがあること」を意味し、法令用語としては「犯歴」と言います。
 「有罪の判決」という部分がポイントで、「執行猶予」となった場合も、あくまで「刑」の執行が猶予されているにすぎず、有罪の判決自体は受けているので、記録されるべき前科(犯歴)となります。詳しい内容は、これまでのご相談への回答を参考にしてください。なお、「前歴」とは前科よりも広い意味を持つもので、「捜査機関から被疑者として捜査を受けたことがあること」を意味します。

 さて、「前科が消えるか?」というご質問ですが、詳細な意味がわかりかねるため複数のパターンを想定してお答えいたします。
 まず、前科(犯歴)は、その人が死亡するまで検察庁で保管されることになっているため(犯歴事務規程18条)、「事実として」前科は消えない点はご理解ください。

 次に、「前科があることで発生する不利益な効果が消えないか?」という点についてご回答いたします。
 前科があることで生じる不利益には、選挙権が一定期間停止したり(公職選挙法11条など参照)、特定の職業に就けなかったり、資格試験の受験資格がなくなったりするケースなどが挙げられます(詳しくは、これまでの記事を参照)。
 「少年(20歳未満)」の時に前科がついてしまったご相談者様としては、このような就職・受験資格の制限が気になるところだと思われます。

 多くの場合、「禁錮以上の刑に処せられた者」は当該資格を取得できないという形式が制限の手法といえます(執行猶予であっても刑に処せられたと言える点に注意が必要です)。実際に禁錮以上の刑となった場合は、刑の執行を終えてから10年以上経過したときに刑の言い渡しの効力が消滅し(刑法34条の2)、制限が解除されます。執行猶予だった場合は、執行猶予の期間を経過したときに刑の言い渡しの効力が消滅し、制限が解除されます(刑法27条)。
 ただ、法律上少年である者は、少年のときに犯した罪について「刑の執行を受け終わった」か「執行の免除を受けた」場合、その瞬間から刑の言い渡しの効力が消滅し、制限が解除されます(少年法60条)。少年は、更生のチャンスを与えるという観点から優遇されていると言えます。
 しかしながら、事実として前科は消えません。過去に犯した罪について重々に反省をして、どうかこれからの将来に向かって歩んでください。

元記事

前科は消えるものなのでしょうか?

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