首都圏の中古住宅は価格上昇トレンド。買うときのポイントは?

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【今週の住活トピック】
「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」を公表/(公財)東日本不動産流通機構(東日本レインズ)

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が2014年度の「首都圏不動産流通市場の動向」をまとめて公表した。これによると、中古マンション、中古一戸建てともに、成約価格が上昇している。新築住宅の価格上昇が指摘されているなか、中古住宅の市況はどうなっているのだろう。成約件数は減少するも、成約価格は中古マンションで2年連続、中古一戸建てで4年ぶりに上昇

東日本レインズの2014年度のデータを見ると、売買が成立した成約件数は、中古マンション・中古一戸建てともにここ数年著しく増加しているが、2014年度は減少に転じた。対前年比で中古マンションは-9.5%、中古一戸建ては-8.2%となっているが、なかでもマンションでは東京都の多摩地区と埼玉県で、一戸建てでは埼玉県と横浜・川崎を除く神奈川県で減少幅が大きい。

一方で、成約価格については、中古マンションは2年連続で、中古一戸建ては4年ぶりに上昇した。価格は上昇トレンドにあるようだが、詳細を見るとマンションと一戸建てでは動向が異なる。まず、この10年間で見ると、中古マンションは平均成約価格が上昇を続け、2014年度の2789万円が最高額となっている。しかし、中古一戸建ては2007年度の3305万円をピークに2008年度で急落し、以降はほぼ横ばいの状況で、2014年度は2958万円(前年度比+1.3%)とわずかに上昇した。
さらに、首都圏の地区別に見ると、中古マンションではいずれの地区でも成約価格は前年より上昇しており、特に東京都の都区部の上昇幅が大きい。中古一戸建てでは埼玉県、千葉県、横浜・川崎を除く神奈川県では前年より下落しており、東京都の都区部と多摩地区の上昇が首都圏全体を押し上げる結果となっている。

【図1】中古マンションの平均成約価格の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」)

【図1】中古マンションの平均成約価格の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」)

【図2】中古一戸建ての平均成約価格の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」)

【図2】中古一戸建ての平均成約価格の推移(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」)

【図3】地区別の平均成約価格(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」)

【図3】地区別の平均成約価格(出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2014年度)」)中古住宅を選ぶ際のポイントは?

首都圏の中古住宅の成約件数が減少したとはいえ、この10年間で見るといずれも3番目に多い水準だ。新築住宅の供給が以前より絞られていることや価格が上昇していることなどを考えると、今後も中古住宅に購入者の目が行くことが考えられる。

中古住宅は、新築住宅に比べて千差万別だ。個々で立地条件も違えば、建物の状況も違う。例えば同じ築年数でも、住み手の管理の良し悪しで建物の状況は大きく違ってくる。こうした個々の違いをしっかり見ることがポイントになる。

また、リフォームを考えている場合は、「中古住宅を買った後で希望の間取りにできないことが分かった」ということのないように、リフォームの依頼先を早く決めておき、購入する際にも建物の状況を見てもらったり、リフォームにかかる費用の概算などを聞くようにするとよいだろう。

また、中古住宅の築年数や耐震性などによっては、希望する住宅ローンが希望通り(適用金利や借入額、返済年数など)に借りられないということもあるので、並行して資金計画もしっかり立てておく必要がある。リフォームを検討している場合は、なおさらだ。

価格が安いからとよく調べないままに買ってしまうと後悔のもとになるので、不安があるなら専門家に相談したり、インスペクション(建物診断)を依頼したりして、建物の状況を把握したうえで購入をするようにしたい。

中古住宅の平均価格が上昇しているからといって、すべての中古住宅の価格が均等に上昇するわけではない。上がるものと下がるものが混在しているので、物件のある場所の相場や個々の物件の状況をしっかり見極めたうえで判断したいもの。ただし価格は上昇トレンドにあるので、様子を見ていればその時点より下がるということは期待薄。だからといって焦る必要もないので、本当に欲しい物件に出会ったら、その時が買い時と考えよう。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/04/28/82801/

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