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嵐が“史上最強のエンタメ集団”である理由とは?

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 唯一無二の国民的男性アイドルグループ、嵐。大野智、櫻井翔、相葉雅紀、二宮和也、松本潤の5人は、音楽やドラマ、バラエティをはじめとした、さまざまなジャンルで活動の幅を広げ、その勢いはとどまるところを知らない。彼らが“史上最強のエンタメ集団”であることに、疑いの余地はないだろう。

 では、どうして嵐はこんなにも時代から求められる存在になったのだろうか?
 その答えが『嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったか』(リアルサウンド編集部/編、サイゾー/刊)に書かれている。
 本書は音楽情報サイト「リアルサウンド」に掲載された嵐の分析・批評を、加筆・修正して一冊にまとめたもの。もともと掘り下げて批評することに定評のある「リアルサウンド」だが、本書における嵐の分析も非常にディープ。『隣の嵐くん』(サイゾー/刊)の関修氏や、『嵐ヲタ絶好調超!!!!』(大和書房/刊)の青井サンマ氏ら、批評陣も豪華だ。

 「音楽性」「キャラクター」「演技・バラエティ」「パフォーマンス」という4つの切り口から嵐の実像にアプローチしていく本書の中から、今回は嵐の「音楽性」の奥深さをクローズアップしよう。

■新しい形で先輩へのリスペクトを示した嵐
 音楽ジャーナリストの柴那典氏と評論家の矢野利裕氏の対談では、「嵐の楽曲はどう“面白い”のか?」について語られている。

 矢野氏は嵐のメンバーと同世代で、特に二宮さん、松本さんと同い年。1999年のデビューシングル『A・RA・SHI』がすごい勢いでヒットチャートに入り、その後、嵐が当たり前にそこにあるものとして聴いてきたという。一方の柴氏は「リアルサウンド」でヒットチャートを分析するコラムを書いていたことがきっかけで嵐に触れるようになった。

 この2人は初期から現在における嵐の音楽的な変化について、指摘を重ねる。
 柴氏が初期の方向性はブラックコンテンポラリー、特にファンクを意識していると言えば、矢野氏も「『A・RA・SHI』は、イントロがもろファンクだし、ジャニーズの真ん中をやるんだという方向性を示している曲」だと述べ、ジャニーズが長らく紡いできたブラックミュージックの系譜を受け継ぐぞという覚悟が見えると述べる。
 さらに、初期で重要な曲として矢野氏は「a Day in Our Life」を挙げ、ジャニーズ事務所の先輩である少年隊の「ABC」がサンプリングされており、先輩の曲をカバーするジャニーズ的伝統をヒップホップ流のサンプリングで現代的にアレンジした、そしてそこにはリスペクトが込められていると語る。

■2000年代後半の嵐は「COOL & SOUL」がカギ
 一方で、00年代後半でカギとなる曲として柴氏が挙げるのが「COOL & SOUL」(アルバム『ARASHIC』収録)だ。「クリーン・パンディットみたいなストリングスのサンプリングが超カッコイイ」という絶賛とともに、櫻井さんのラップの中に出てくる、「4つ前のアルバムに話は遡る」という詞を取り上げる。実はその「4つ前のアルバム」に当てはまるのが、セカンドアルバム『HERE WE GO!』であり、そのオープニング曲「Theme of ARASHI」で使われていた「太陽光」や「近づくスロー」といったフレーズを、「COOL & SOUL」で再び使っていると指摘する。
 これは、矢野氏に言わせれば、自己言及しながら、自ら連続性を見せていく「ヒップホップ的な遊び方」なのだという。そしてこの歌詞に、「自ら歴史を紡いで現在につなげよう」という意思があってもおかしくないと解説する。

 矢野氏は、この15年もの間、嵐がポップスとしてちゃんと攻めていることを評価し、攻めているがゆえにポピュラリティを獲得していることは唯一無二だと絶賛する。一方の柴氏は、嵐が文化発信の起点として、たくさんのつながりを生み出している存在なのだとして対談を締めくくる。

 本書ではこのような形で、さまざまな識者や批評家たちが登場し、それぞれの“嵐”考を述べていく。「各メンバーの魅力がわかる「嵐の聴き方」とは」「メンバーカラーで見るそれぞれのキャラクター」「嵐のダンスはどう作られる? 大野智の振り付けと、各メンバーの特徴」などといった、ファン必読の評論が並ぶほか、嵐のバイオグラフィーまで収録。いわば「ファンブック」に近い部分もあるかもしれないが、その分析は、嵐の魅力や人気を理解するのに充分だ。

 嵐はなぜ史上最強のエンタメ集団になったのか? ぜひその答えを、本書から見つけ出してほしい。
(新刊JP編集部)


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