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「0.27%」モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは — ビクターエンタテインメント CONNECTONE制作部長 高木 亮氏

「0.27%」モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは — ビクターエンタテインメント CONNECTONE制作部長 高木 亮氏

「0.27%」モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは
— ビクター 新レーベル「CONNECTONE」設立 —
ビクターエンタテインメント 制作本部 CONNECTONE制作部長 高木 亮氏

ビクターエンタテインメント 制作本部 CONNECTONE制作部長
高木 亮(たかぎ りょう)

 ビクターエンタテインメントが「つなげる音楽、つながる音楽」をコンセプトに、これまでにないビジネススキームを備えた新レーベル「CONNECTONE(コネクトーン)」を設立した。音楽文化の素晴らしさを改めて強くアピールする音楽集団を目指し、今の時代に相応しい契約形態やビジネスの枠組を追求するという。数多くのアーティストをヒットに導き、また「EMI ROCKS」を立ち上げ音楽ファンを熱狂させるなど数々の経歴を持つCONNECTONEレーベルヘッドの高木亮氏は、「『音楽最高だよ、楽しいよ!』と、もう一回真正面から吠えなければ」と語る。
(Jiro Honda)
2015年4月○日掲載

PROFILE
高木 亮(たかぎ りょう)
早稲田大学商学部を卒業後、1985年に東芝イーエムアイ音楽出版株式会社に入社し、洋楽曲の獲得及びプロモーションに関わる。1993年、東芝イーエムアイ株式会社に入社、洋楽ディレクターとして、ローリング・ストーンズやスマッシング・パンプキンズなど、数多くの海外アーティストを手掛ける。2004年、同社の邦楽部門に異動。執行役員として、邦楽レーベル・ヘッド、社内アーティスト・マネージメント社長、新人開発部門等を兼務。2010年から、レコード会社としては初のロック・フェスとして話題を集めた「EMI ROCKS」を主宰、日本を代表するロック・レーベルとしてのブランドを確立。2014年、ビクターエンタテインメントに入社。現在に至る。

ビクターエンタテインメント

レーベルの存在意義を見つめ直して辿り着いた想い

—— ビクターの新レーベル「CONNECTONE」は業界のみなさんも注目していますよね。高木さんはEMIに長くいらっしゃったとお伺いしています。

高木:私は約30年間、EMIグループ(現 ユニバーサル ミュージック ジャパン)で働いてきまして、おおまかに言うと20代は音楽出版、30代は洋楽、そして40代で邦楽を担当してきました。EMIとユニバーサル ミュージックが統合して1年ほど経った頃でしょうか、自分の身の振り方を考えるタイミングがありまして、その時に一番最初に相談したのが斉藤さん(現ビクターエンタテインメント代表 斉藤正明氏)だったんです。その際、有り難いことに「すぐ(ビクターに)来い」という話を頂きまして、2014年7月にビクターに入社しました。

 私自身、約30年振りの新入社員ということで(笑)、今までのキャリアを活かして新しいことにチャレンジしたいと考えましたし、斉藤さんからは「新しいレーベルをゼロから作ろう」というミッションを頂いたので、入社後すぐに新レーベル設立に向けて動きはじめました。

—— お互い実現したいこともタイミングも、ちょうど合致したんですね。

高木:斉藤さんは20年以上も私のことを見てくれているので、なんとなく私をどう使うのがいいかをイメージしてくれたんじゃないかなと思います。昨年9月、ビクターのプレゼンテーションイベント「MUSIC STORM 2014」で対外的に新レーベルの立ち上げを発表しまして、いよいよこの4月に正式スタートとなりました。

—— CONNECTONEは、その名の通り「つなげる音楽、つながる音楽」がコンセプトになっているということですが。

高木:音源売上が低迷している中でレーベルを立ち上げるにあたり、この時代におけるレーベルの存在意義、そしてそもそも自分は何をやるべきか、何が出来るのかということを根本から見つめ直さざるをえませんでした。結果、「音楽シーン全体の底上げに貢献するような音楽集団を作っていきたい」と改めて思いました。一発の大型ヒット、一人のスーパースターを目指すだけではなく、「音楽文化」の素晴らしさをもう一度強くアピールしていけるようなレーベルにしたい。こちらが売りたいものを一方的に押し付けるのではなく、アーティストとユーザー、ユーザー同士、そしてアーティスト同士のコミュニケーションの場、音楽の楽しさや素晴らしさを感じてもらえる場や機会を提供したい。さらには音楽文化を次世代へとつなげたい、そんな想いをレーベル名に込めました。

—— やはりシーンの現状に危機感を持っていらっしゃる?

高木:当たり前に音源を買ってもらえる時代は終わりましたので、全てを一旦リセットして、新しいパラダイムを創り上げていかなければいけないと思っています。これまでとは全く違う形のファイティングポーズで取り組まなければいけないですよね。

 例えば、今年のグラミー賞で年間最優秀アルバムを獲得したベックの「モーニング・フェイズ」は一般的には地味な印象のアルバムかもしれませんが、本当に素晴らしい作品ですよね。ああいう作品が年間最高のアルバムに選ばれるところに、アメリカの音楽文化の懐の深さがある。一方で、今の日本の音楽シーンはいささか偏ったものになっている気がするんです。理想論ばかりを語っていられないのかもしれませんが、CONNECTONEではビジネスとスピリットの両面をギリギリのところでせめぎ合わせながら、志高く運営していきたいと思っていますし、そうすることが成功につながるのではとも考えています。

▲今年2月に発売されたベック約6年ぶりとなるフル・アルバム「モーニング・フェイズ」

次世代アーティストとメジャー契約の溝

「0.27%」モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは — ビクターエンタテインメント CONNECTONE制作部長 高木 亮氏(2/5)

「0.27%」モデルからの脱却 〜 業界キャリア30年の音楽人が新天地で挑む、慣例を破る音楽ビジネスとは
— ビクター 新レーベル「CONNECTONE」設立 —
ビクターエンタテインメント 制作本部 CONNECTONE制作部長 高木 亮氏

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