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執行猶予中に無免許運転で逮捕。実刑になるでしょうか

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Q.

 酒気帯びで免許停止中に車に乗ってしまい、一時停止の違反で執行猶予2年の判決が出ました。それから、運転はしていなかったのですが、兄が危篤と連絡が入り、とっさに頭が真っ白になり、タクシーもなく車で病院まで駆けつけたところ、また一時不停止で捕まってしまいました。
 これから裁判になりますが、実刑になるでしょうか?なる場合、期間はどれくらいでしょうか?執行猶予は2年で丁度8か月たった時くらいにまた捕まりました。

(40代:女性)

A.

 刑法26条1項では、「猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき」に刑の執行猶予を取り消さなければならないとされています。
 ご相談者様の場合、仮にこれから裁判を受ける一時停止違反で懲役刑の実刑判決を受けることになると、前回の一時停止違反の判決において言い渡された執行猶予が取り消され、今回の刑期に前回猶予となっていた刑期が加算されることになります。
 しかし、確実に実刑になるかというと、そうでもありません。
 具体的には、「再度の執行猶予」(刑法25条2項参照)が得られれば、前回の一時停止違反での執行猶予が維持されることになります。

 ただ、相当に厳しい条件である旨をご理解ください。刑法25条2項において「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする」と規定されています。つまり、今回の一時停止違反の刑が1年以下の懲役または禁錮である必要があります。さらに特に酌量すべき情状が必要です。
 ご相談者様の場合、免許停止中に車を運転し、一時停止も違反している事情があり、繰り返し道路交通法に違反しているということもマイナスに働きます。無免許運転の場合「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(道路交通法117条の2の2第1項)、一時停止違反の場合「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」(道路交通法119条1項2号)なので、「兄が危篤であったので大急ぎで行く必要があった」という事情を勘案しても、1年以下の懲役となるのは厳しいものと思われます。

 他方で、今回の違反で科されるのが「罰金刑」ならば、前回の一旦停止違反での執行猶予が維持される「場合があります」(執行猶予の裁量的取消し。刑法26条の2第1号)。
 もっとも、前述のように今回のケースではそもそも(執行猶予がつくかどうかは別にして)懲役刑が予想されるため、こちらの可能性も低いと言わざるを得ません。

 つらい回答ですが、現実を見据えて裁判に臨む必要があると考えます。早期に刑事弁護を得意とする弁護士に依頼し、「兄が危篤で交通手段がなく、やむを得ず車を運転した」という事情を訴えつつ、反省している旨を真摯に訴えていくほかないと思われます。

元記事

執行猶予中に無免許運転で逮捕。実刑になるでしょうか

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