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竹中平蔵氏から土日夜間議会改革への応援メッセージ

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 今、統一地方選挙の只中で候補者のみなさんは、「住民へのサービスを充実させますよ」といろんな公約をしておられます。それはそれで大変結構なことなんですが、より重要なのは選挙の機会を活用して「地方議会とは何なのか?」「地方議会はそもそもどうあるべきなのか?」という本質論を議論しないといけないと思います。
 アメリカに長く住んでいた経験から言いますと、選挙というのは「民主主義を考えなおす、勉強する機会である」ということを学校で教えられます。日本においてもまさに今、「地方議会はどうあるべきか?」ということを考えなおさねばならない時期だと思うのです。
 地方議会の多くはPTAやマンションの理事会と同じように、土日や夜間でできることなのではないでしょうか。私はそのように思いますし、私がアメリカのニューヨーク郊外に住んでいたカウンティでもそのように行われていました。
 ところが日本の地方議員さんというのは、国会議員と同じようにバッジを付けて、専業でやっておられる方が多い。この日本にはなんと35,000人の地方議会の議員さんがいらっしゃるそうですが、この数は弁護士と同じ数で、つまり相当存在感があるということです。
 そしてそこで使われているお金が2,600億円ぐらいと言われています。このお金がどのくらいかと言いますと、昨今日本の伝統文化の保存やソフトブランドの必要性が言われていますが、そのようなアーティストや文化のために使われている国の予算は1,000億円です。その2,6倍が地方議会議員に使われているわけです。特に都道府県議会の議員さんは平均すると年収2,000万円を超えているんですね。アメリカでは平均400万円ぐらいだと言いますから、5倍の給料をもらっているわけであります。
 もちろん、他人の給料が高いからけしからんというのはさもしい議論でありまして、いい仕事をして高い給料を貰うというのは大変いいことなんです。問題はいい仕事をしているか?なんです。
 ある調査によりますと、市長を中心とした行政側が出してきた議案をそのまま通している「丸のみ議会」が半分はあると言われています。議案が出てきたら「賛成」「反対」というだけで、修正もしないし、提案もしない。そういう議会が半分もあるわけで、このような議会がいいとはとても思えません。なぜこのようになっているのか、私はかねてから不思議に思います。そもそも日本の民主主義、近代化というのが、上からの民主主義、近代化だったからかもしれません。
 経済の立場から勉強をして面白いと思うのは、明治4年に岩倉具視を団長とする欧米の調査団が視察に出るわけですが、これがすごい。明治維新から間もない頃、ほとんど政府がからっぽになるぐらいにみんなが視察に行くんです。残っていたのは板垣退助と西郷隆盛ぐらい。それだけの人たちが視察してきたなかで、彼らの心を最も強く打ったのは、プロシアの鉄血宰相として登場し、ものすごい近代化を行ってきたビスマルクの言葉に非常に強くインプレスされたわけです。そして帰ってきた彼らは、内務省を作り、それが今の総務省になっている。私は小泉内閣のときに総務大臣をやらせていただいたのですが、大臣室には大久保利通の書が掛かっているんです。「為政清明」と書いてあります。「政を成すには清く明らかでなければならない」。
 そして、私が総務大臣だったとき、実は地方制度調査会から大変重要な答申がなされました。第28次答申というもので、まさに土日夜間に議会が開催でき、それによってふつうに働いている人、多様な人材がPTAやマンション管理組合のように集まるシステムをつくろうじゃないかというものです。そして第30次の答申で道州制が出ているんです。
 第28次答申が出た、今からちょうど10年前(2005年)、まともな議論が行われ始めたわけですが、ほとんど何の進展もないままに10年が過ぎてしまいました。 しかし、これを機に、まず日本の中心であり、ひとつの地方である千代田区から地方議会を変えようというわけであります。

 ぜひ、土日夜間に議会を開催して、ふつうに頑張っている人がコミュニティを作っていくという成熟した社会にしたいと思っています。

土日夜間議会
http://donichiyakan.jp/

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