透過スクリーン越しに見えた18歳女子ラッパーの素顔 DAOKOデビューライブレポ

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透過スクリーン越しに見えた18歳女子ラッパーの素顔 DAOKOデビューライブレポ

DAOKOさん
18歳の女性ラッパー・DAOKOさんのメジャーデビューアルバム『DAOKO』のリリースを記念したライブ「DAOKO THE LIVE」が、4月6日、渋谷・WWWにて開催された。

2011年にニコニコ動画に投稿した楽曲が人気を博し、同年8月より、インディレーベル・LOW HIGH WHO?(以下LHW?)に所属。ウィスパーボイスの女性ラッパーとして、これまで活動を行ってきたDAOKOさん。

そのLHW?から飛び出したDAOKOさんによる、メジャーデビュー記念という節目となる本ライブには、彼女と縁の深い面々が登場。

DAOKOさんを中心とした「DAOKO THE BAND」の他に、アルバム・『DAOKO』へ楽曲提供をされている、きくおさん、PARKGOLFさん。

また、LHW?からは、主宰のParanelさん、盟友のラッパー・GOMESSさんが、特別ユニット・GOMESS&Paranelとして出演。

会場は盛況。渋谷PARCOにスタジオを構えるソーシャルTV局・2.5Dによる、インターネット上でのライブ中継でのネット視聴者数は〜を記録した。

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DAOKOさんのライブでは、透過型スクリーンを用いて、ステージとフロアの間に映像が投影されるという幻想的な空間演出も披露され、そのパフォーマンスを引き立てた。

3月に高校を卒業したばかりのDAOKOさん。アーティストとしても、大きな人生の節目となったであろうこのタイミングに、期待や不安、メジャーデビュー後初のライブへの緊張感などもあったことだろう。

そんな春の季節に相応しい、DAOKOさんにとって重要な旅立ち、そして門出となった本イベントをレポートする。

幻想的ポップ! きくおさんのステージで幕開け

きくおさん

まず最初にステージに現れたのは、作詞・作曲家、ボカロPとして活躍されているきくおさん。

代表曲「僕をそんな目で見ないで」は64万再生を超え、映画主題歌やゲーム音楽のプロデュース、漫画制作まで多岐にわたる活動を展開している。

アルバム・『DAOKO』では、「ゆめうつつ」と「流星都市」の2曲を手がける。

きくおさん

きくおさんの静かな登場に、会場にも穏やかなムードが漂う中、突如として電子音が鳴り響く。

そうしてはじまったきくおさんの音楽は、幻想的かつポップ、そしてダンスミュージックのような心地よさまでつくり出してゆく。

また、きくおさんが手がけ、DAOKOさんが歌う「流星都市」も披露。DAOKOさんの甘いヴォーカルと、ポップなサウンドは陽気な夢を見ているかのようだ。

トップバッターにふさわしく、きくおさんの披露した曲の数々は、徐々に客席を飲み込んでゆくようなステージが展開された。

踊ってしまう! PARKGOLFさんのステージ!

PARKGOLFさん

次に登場したのは、4月8日にファーストアルバム『Par』をリリースしたばかり、札幌在住のトラックメイカー・PARKGOLFさん。

2012年の活動から、数多くの楽曲をインターネット上で公開し、ダンスミュージックファンらに高く評価され、フロアを沸かすクラブアンセムを次々と生み出してきた。

アルバム・『DAOKO』では、リードトラックとなったtofubeatsさん原曲の「水星」のアレンジと、「ミュージック」と「」の2曲の楽曲提供をしている。

PARKGOLFさん

PARKGOLFさんのステージは、観客を誘惑するかのような、アップテンポなビートから始まった。

溢れんばかりの勢いそのままに、代表曲・「Woo Woo」や「Kiss Me」を披露。今にも踊り出したくなるような楽曲の数々をフロアに届ける。

また、時折見せた、JAZZを連想させるかのようなアレンジは、今にもとろけてしまいそうな甘い味わいを感じさせた。

LHW?からGOMESS & Paranelの送辞

GOMESS & Paranel

続いて登場したのは、GOMESSさんとParanelさん。

Paranelさん主宰のLHW?は、GOMESSさんが現在所属し、またDAOKOさんがこれまで活動してきたレーベル。

この日のための特別ユニットとして登場した2人は、DAOKOさんのこれまでを祝福し、これからを激励するステージを披露した。

心に突き刺さる、GOMESSさんのまっすぐな言葉の数々。一方でParanelさんのかける楽曲は、穏やかな川の流れのように、美しくも力強さを感じさせた。

楽曲の合間のトークで、GOMESSさんは、普段連絡を取りあったり遊んだりするわけではないけど、「やっぱりDAOKOは家族だから」と心中を語る。

GOMESS & Paranel

また、Paramelさんは、自身のレーベルから飛び出しメジャーで挑戦するDAOKOさんについて、「DAOKOは飛び方を覚えたので、背中を押してあげましょう」と、ファンに語りかけた。

2人の温もりを感じさせる言葉の数々は、LHW?時代からのファンはもちろん、DAOKOさんの心にも届いただろう。

ライブの最後には、GOMESSさんは「ありがとう、さよなら、いってらっしゃい、おやすみ、おかえり、すべての言葉をかけたいな」と、DAOKOさんの背中を押すように、力強くマイクで伝えた。

DAOKO登場… その前に!

ここで一旦ステージ上に幕が降ろされる。そして、MCアリスムカイデさんが登場し、DAOKOさんのこれまでの活動を紹介をし、これまでのDAOKOさんの活動と、これから登場する新しいDAOKOさんの姿を結びつけてくれた。

つづいて、アルバム『DAOKO』で楽曲制作を手がけた、PARKGOLFさんときくおさんが壇上へと招かれた。

2人が手がけた楽曲について、PARKGOLFさんは自分なりの理想のDAOKO像を浮かべながら、制作したのが「ミュージック」だったと語った。

また、きくおさんは、アルバム『DAOKO』について、「いろんな作曲者の方の思いを受けて、いろんなDAOKOの魅力が現れている作品」と評した。

3月25日にリリースされた『DAOKO』は、DAOKOさんの歌声と歌詞が描き出す世界観と、多才なトラックメイカー達との出会いから生まれた、新たなDAOKOの世界観が広がる楽曲が収録されている。

同アルバムに収録されている「かけてあげる」のMVにおいても、豊かな映像表現とDAOKOさんの持つ世界観が融合している。

DAOKO「かけてあげる」のMV

インターネットの世界から活動をはじめ、ついにメジャーデビューを記念するステージに登場することとなった、DAOKOさん。

MCが終わった後、しばし閉ざされたままの幕を目の前に、会場に集まったファンは静かに登場を待ち望んでいた。

ついに、DAOKOさん登場!

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DAOKOさんの登場を待ちわびる観客たちを前に、閉ざされていた幕が静かに上がった。

前面に貼られた透過スクリーンの裏に、DAOKOさんをはじめとした「DAOKO THE BAND」の面々の姿がかすかに見えてくる。

「いったい、これから何が始まるのか」という期待感と昂揚感とともに、静けさを増す会場。

アルバム『DAOKO』のリードトラックである「水星」のメロディが流れはじめると、スクリーンには楽曲を反映した映像が流れ出した。

その透過した光を受けて、ファンの前にDAOKOさんの姿がしっかりと浮かび上る。同時に、独特な、ささやくような、儚くも力強いDAOKOさんの歌声が広がる。

インターネットの後光さす、「水星」のパフォーマンス!

DAOKO 『水星』 Music Video

「水星」はもともと、トラックメイカー・tofubeatsさんが盟友・オノマトペ大臣と制作した、2010年代のインターネットミュージックを象徴する楽曲。

DAOKOさんがニコニコ動画から人気を博したように、tofubeatsさんもインターネットレーベルでの活動から人気が広がり、メジャーというフィールドの第一線で活躍している。

フロアとステージの間に投影された映像はどこか、インターネットの繋がっているけど、触れられないような、そんな儚さすら感じさせた。

しかし、確実にそこにあるDAOKOさんをはじめとした「DAOKO THE BAND」の姿に、フロアからは熱い視線が注がれる。

「DAOKO THE BAND」のステージは魔法のよう

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つづいてアルバム収録曲「かけてあげる」を披露。甘く切なくも、フロアに突き刺さるDAOKOさんのボーカル。

また「DAOKO THE BAND」が奏でる生演奏はライブならではの刺激的な音を届ける。

そして、スクリーンに投影される同曲MVに登場している映像や文字たちが、よりステージを幻想的に見せてゆく。まさに、魔法をかけられるような感覚だ。

つづいてのナンバーは「一番星」。アップテンポな曲調にあわせて、スクリーンの映像もよりポップな演出を見せてゆく。

映像の隙間で見え隠れするDAOKOさんは、可憐な少女の様な姿を見せながらも、確かな存在感を放っていた。

18歳の肩にかかった期待の大きさ

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そして、DAOKOさんのボーカルを存分に引き出しながらも思わず体が踊りだしたくなるPARKGOLFさんによる「ミュージック」。映像と音楽のマッチによって、時に幻想的に、時にストレートにDAOKOさんの世界観を映しフロアに届ける「ないものねだり」を披露。

アルバムのサウンドプロデューサーを務めたロックバンド・GREAT3の片寄明人さんが演奏に参加した「高い壁には幾千のドア」、そしてラストナンバーの「きみ」。

客席にひしめき合うファン全員が、デビュー後、はじめて公の場でパフォーマンスするステージ上のDAOKOさんに注目していた。

そんな大きな期待を受けながら、DAOKOさんは甘いウィスパーボイスで全曲を歌い上げた。会場を後にする観客の顔は上気し、充足感に溢れていた。

これまでのファン、これからのファン、誰もが納得いく、デビューに相応しい記念碑的イベントとなっただろう。

しかし、これほど充実したパフォーマンスを披露したDAOKOさんが、舞台袖へと戻ってくる時、「ダメコだったかも」とはにかみながら、小さくこぼしたように聞こえた。

弱冠18歳のDAOKOさん。未来への理想や不安、大きな期待と同等の重圧、すべてを含んだ彼女の未来は遠く、広く続いてゆく。

現状に満足せず遠くを見据えるDAOKOさん、そして新鮮なライブパフォーマンスを目撃した観客の表情から、これからもDAOKOさんの止まることのない成長、そして活躍が続くことを確信した。

引用元

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