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26歳無所属で川崎市議選当選・重冨達也氏インタビュー(後) 「4年後に選挙を出る人を募集中です」

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2015年4月12日に投開票が実施された川崎市議会議員選挙で、26歳の無所属新人の重冨達也氏が6311票を集めて5位当選を果たしました。『ガジェット通信』では、晴れて市議となった重冨氏にインタビューを敢行。前篇では政治家を志した理由や選挙の戦いぶりなどを中心にお話をお聞きしました。

26歳無所属で川崎市議選当選・重冨達也氏インタビュー(前) 「選挙戦はひとりで戦うつもりでした」
http://getnews.jp/archives/929791 [リンク]

後篇では、いよいよ市議になり、議会報告会の条例で義務化や議員報酬のカットといった”議会改革“をどのように実現していくのか、その戦略についてお聞きしました。重冨氏によると、4年後の選挙に向けて、掲げる政策に賛同して立候補をする人を募集中とのこと。既成政党とは一線を画する理由についてもお話しして頂きました。

自身の議員報酬はどうする?

ーー当選したということは、いよいよ政治の舞台が市議会になるわけですが、重冨さんはずっと「議会改革」を訴えてきたわけです。その中には議員報酬の削減も含まれているので、まずはご自身の報酬をどうするのか、という問題に直面すると思います。

重冨市議(以下重冨):そうですね。議員報酬は1300万円、政務活動費が500万円で合わせて1800万円になるのですが、その500万円を僕は受け取りません。なぜそうするのかというと、議員報酬を法律で受け取らないのはできないんです。そのため、1300万円のなかで活動費を使って、政務活動費と同様に領収書などを自分のホームページに添付をして報告をするということを考えています。

ーーでは500万円を返納するっていう扱いになるんですか。

重冨:政務活動費は厳密にいうと一年の最初に申請をしないと一年間もらえないんですよ。これもモデルがあって、すでに現職で貰ってない方がいます。彼とも大学の時に会っていて、先ほどの8年前に当選した議員もそうですが、モデルプランをもとに自分の戦略を練っていますね。

ーー次に、重冨さんがそこまで「議会改革」を重視する理由についても教えて頂きたいのですが。

重冨:議会改革でいえば、有権者の多くから政治家が信頼されていないという現状があり、政治家が何をやっているかわからないように見えるのを、変えていきたいというのが、政治家になる一番の動機でした。でも、これまでは信頼できる政治家がいなくても困ってこなかったのだと思うのです。僕は小学生の時に政治家の名前を知りませんでしたし、おそらく今50代くらいの方も30代の時に信頼できる政治家はそんなにいなかったのではないかと。当時はそれでよかったのだと思います。

ーーどうしてでしょう?

重冨:日本にお金があったからですね。政治家が好き勝手に税金を振りまいてもOKだったわけですよ。だから政治に関心を持たずとも、自分の生活に困ることがないので、昔はそれでよかったんです。でも、今はお金がないので、市民が政治に感心を持って納めた税金がどこに分配されるのか、市民自身が考えて、それが政治に反映されないと、そのうち本当に生活のどこかに支障をきたすんじゃないかと僕は思っています。

ーーとはいえ、投票率の低さに示されるように、市民の政治への関心が必ずしも高いとはいえません。

重冨:やっぱり政治と市民が近づかなくてはいけないですね。そのためには、政治家を信頼してもらえるための仕組み作りが必要で、だからこその「議会改革」なんです。お金を貰いすぎているということや、何をやっているのかわからない、というのが信頼できない要因。だから議員報酬を削減しないといけないし、市政を見える化するための報告会が必要なんです。

ーー現状でも、市報や市議会だよりがあって、議会・行政としては説明しているというスタンスなのだと思います。それでは不十分だというお立場ということでしょうか。

重冨:投票率が低いので、市議会だよりでは足りないことはもう証明されているんですよね。ではどんな手法がいいのか、ということを議会で話し合わなくちゃいけなくて、その話し合うネタのひとつとして僕は「議会報告会」を提案しています。政治家が一方的に投げかけると、市民の側は受け身になってしまう。市民が主体的になれるような仕組みを行政や議会の側で用意しないといけない。それを議会で主張していかなきゃいけないと思いますし、内部の人間、市議がやるというのがすごく重要です。

ーーそれも、各市議が定例で支持者向けに報告会を開いているから十分、ということにはなりませんか?

重冨:やっぱり、これまでの議員報告会とか市政報告会は、その議員さんの支援者しか集まらないんですよ。政治家の報告会は「後援会などに勧誘されるんじゃないか」といった怖いイメージがありますよね。それがイヤだという人の方が多数派だと思うので、複数の市議が出席したり、公の機関としてやると、現在よりも人が来るようになると思います。日本人というのは公の機関を信用しやすいですから、例えば市役所や市議会がやりますということになれば今より確実に集まる。あともうひとつ、各議員がそれぞれ好き勝手に都合のいいことばかり言えなくなるんですよね。自分の活動ではなくて、議会として市民に伝える機会が必要だと思います。

4年後の「重冨グループ」を結成を目指す!?

ーーそんな重冨さんの「議会改革」を実現させるには、他の市議とどのような関係を作っていくのか、という話になると思います。現状どうお考えなのか、既に会派の誘いがあるのかどうか、お聞かせ頂ければ、と。

重冨:現状ではどこかの会派に入るつもりは全くないですね。ただ、僕がやりたい「議会改革」を実現するためにはどうしても議会運営委員会に入らないといけないんですよね。議会運営委員会に入る権利は、会派に所属している人間にしか与えられないんですね。会派を作るためには3人必要で、あと2人仲間がいれば、もしかしたら僕が議会運営委員会に入れるかもしれないです。

ーーいずれにしても、誰かと共闘する必要はあるわけですね。

重冨:僕の意見に賛同してくれる会派を探すというところですね。もともとこれは覚悟していたことですけど、どこの会派も賛成しないパターンというのが当然考えられるわけですよ。そうなった時のための戦略として、4年後に僕と同じ考えを持っている人を川崎市の各区で立候補させるというプランを計画しています。

ーーそれこそ、今度は重冨さんがモデルケースになる、と。

重冨:だから、僕はこの4年間で理想の政治家を体現しないといけないんですよね。これを一緒にやってくれる人のためにも。

ーーそうなると、ご自身が政治家としてのキャリアをどう考えていらっしゃるのかな、と。市議の先、県議や国政、あるいは市長、知事といったステップについても視野に入れていらっしゃるのでしょうか?

重冨:1人の男として夢は当然ステップアップですが、僕は当選してしまったので公人なわけですよ。だから、議会改革をやったとしても、自分がいなくなって元に戻ったとすれば意味ないわけです。だからそれがちゃんと根付くまでは、市議でいる必要はあるのかなとは思っていますね。議会改革をしたくて政治家になったのであって、政治家になりたくてなったわけじゃないから、川崎市が大丈夫だと思って辞めるかもしれないし、次は他の自治体の議員になるかもしれない。川崎市でやったことを県に広めるぞ、となるかもしれない。ですが、川崎市の議会改革が、結局は僕が死ぬまで完成しない可能性もありますし、将来のことはわからないですね。

社会経験を積んで世の中とつながってこその政治関心

ーー「若年層は政治に関心がない」と言われていますし、実際に投票率も低いです。そういう人が関心をもつにはどうするのがいいとお考えでしょうか?

重冨:いま、なぜ政治に興味がないのかといえば、政治について子どもに教える機会が学校でも家庭でもほとんどないからです。30~40代のお父さんお母さん世代も正直言って政治に関心がない。先程も話にでましたが、日本が高度成長期の頃のその世代も、豊かになるために政治に関心を持っている場合ではなく、「いいモノ作りをするぞ」ということに必死だったと思うんです。

ーー政治に関心を向ける程は困っていることはなく、仕事に打ち込んでいる人が多かったのでは、と。

重冨:戦後に日本が歩んできた歴史と経済発展が影響しているとは思います。

ーーとはいえ、同世代でも「若い層の投票率を上げよう!」と活動されている方はたくさんいらっしゃいます。

重冨:駅で立っていて、若い人を特にどうにかしなきゃいけない、と思ったことはないんですよ。若い人もいつか年寄りになって政治に関心持つんですよね。社会経験を積んで、会社を通して経済につながり、経済を通して政治とつながる。世の中とつながることがあってこそなんですよ。

ーー年齢を重ねて政治に関心をもつから、世代が上がれば投票率が上がるのは必然だという考え方ですね。

重冨:でも、それこそネットでの発信を続ける責任という意味では、50~60代が見ることを期待してやっているわけではないので、少なくとも自分でできる事はそういうことですよね。

ーー『YouTube』での報告や、『Twitter』『Facebook』の活用はこれからも続けていかれると。

重冨:もちろんそうですね。今はとにかく4年後に選挙を出る意志のある人を募集中です。自分の意見に賛同してくれる人というのはもちろんなのですが、一番は確固たる動機があるかどうかですね。正直、政策を持っているかどうかは後からでもいいと思うんです。今の政治が嫌いで、信頼できる政治家が生まれるような政治を作っていくために、自分を犠牲にしてもいいという人が来てくれるといいな、と。自分も捨て身の状態で市政に突っ込んでいくわけですから、そういった覚悟がある人が僕は大好きですね。

ーーわかりました。たくさん興味深いお話をお聞かせ頂きましてありがとうございました!

重冨たつやと川崎市政を考える会
http://shigetomi-tatsuya.com/ [リンク]

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記者:

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: http://yaplog.jp/parsleymood/

TwitterID: parsleymood

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