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假屋崎省吾氏 糖尿病カロリー制限を勝手に緩和し体調が安定

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 糖尿病患者は全国に約950万人、予備群も含めれば国民の6人に1人が患っているというのに、日本では「食事療法はカロリー制限」という間違った常識が根付いている。時代遅れの医療の内容に糖尿病を患う当事者たちから、驚きと怒りの声があがっている。10年前に糖尿病の診断を受けた華道家・假屋崎省吾氏(56)は呆れた表情を浮かべた。

「糖尿病学会はいまだに『1日の摂取カロリーの半分を炭水化物で摂れ』って指導しているんですね。私でさえ、いろんな人の話を聞いて糖質がマズいっていうのは知識としてありますよ。炭水化物って糖質でしょ? ダメに決まってるじゃない」

 日本の“権威”である糖尿病学会は患者の食事療法として「カロリー制限」を推奨する。診療ガイドラインでは、体格や日々の運動量に応じて1日の摂取カロリーを割り出し、そのうち50~60%を炭水化物(糖質)で摂取することを推奨する。つまり「カロリー制限」であると同時に、「炭水化物推奨」でもある。

 世界では最新研究に基づいてカロリーではなく「糖質」を制限することが主流となっている。米国の学会は、合併症につながる急激な血糖値上昇を引き起こすのは「三大栄養素の中で炭水化物だけ」と10年以上前に公式見解を出している。日本のやり方では患者が危険に晒される。

 假屋崎氏が振り返る。

「父も糖尿病だったから遺伝もあると思いますけど、寝不足やストレスが直接の原因でしょうね。食生活は滅茶苦茶で、バイキングに行けば一食で一日分を食べてしまっていたし、甘いものに目がないから羊羹なんか丸かじりで一本食べていましたよ」

 異常な喉の渇きと疲れやすさを感じて病院で検査を受けると、糖尿病の指標となる空腹時血糖値が270(126以上が異常値)を超えていた。

「即入院だといわれたんですけど、スケジュールがいっぱいで無理だとお願いしたら食事療法と薬の処方が始まりました。一日の摂取カロリーを1600キロカロリーに抑えてくださいといわれました」

 まさに学会ガイドラインに沿った食事療法だった。假屋崎氏はそれまでの生活を反省しカロリー制限に真面目に取り組んだが、症状は改善しなかった。

「カロリーさえ気にすればいいんだと思って、栄養価のないものばかり食べる生活になってしまったんです。今になって考えるとカロリー制限神話の弊害よね。糖質制限をやっていたら肉や魚で栄養は摂れたはずだけど、とにかくカロリーを減らさなきゃ、と肉や魚も口にしないようになった。そうしたら血糖値以外の数値に異常が出てしまった。それでカロリー制限を自分で勝手に緩和したら体調が安定するようになったの」

 その後、病院から足が遠のいて不規則な生活に戻り、昨年末の人間ドックでは再び空腹時血糖値が279という数値になってしまった。現在は薬で凌ぐ日々だ。

「カロリー制限でだいぶ苦労したけど、糖質制限が世界の主流なら、そうしたほうがいい。なんだか悔しいよね。カロリー制限のために費やした努力が無駄だったってことでしょ。あの年月を返してほしいわよ」

※週刊ポスト2015年5月1日号


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