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思考力の低下を招く「知的メタボ」から抜け出すには?

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 自分で考えるということはどういうことか。どこかで身につけた知識を披露するのは、考えたことにはならない。知識を溜めこむのではなく、「思考すること」が大事なのだ。
 そう語るのが、本書『思考力』(さくら舎/刊)の著者である外山滋比古氏だ。この『思考力』はミリオンセラーとなった『思考の整理学』の著者でもある外山氏の2013年の著作だ。

 社会で生きていくためには、ある程度の知識は必要だ。ただ、大は小を兼ねるから、知識はたくさんあったほうがいい、と考えがちになる。それらを借りてくれば、自分で考える必要はないから、手間も省けて便利だし、たくさんの知識を会得すれば、さらに多くのことをまねできる。
しかし、知識を増やしているうちに、考える頭はどんどん縮小し、思考力はよけいに落ちる。これを外山氏は「知的メタボリック症候群」と呼んでいる。

 そこから脱出するために必要なことは「よけいなものを忘れること」だと外山氏は述べる。
 余計な知識は始末し、頭の中をいつもきれいに整理しておけば、思考力、創作力、想像力、判断力、洞察力など、あらゆる知的活動が活性化する。そのためにも、まずは「忘れる」ことが肝心だが、ただ忘れるのではなく、うまく忘れることが重要だ。
 外山氏は、そのために睡眠や運動(身体を動かし、汗をかくこと)などをあげる。特に睡眠は頭の中の清掃にとってもっとも有効だと述べ、夜更かしをしていては思考力の妨げになってしまうという。

 最終章には、外山氏がどのように今まで生きてきたか、自身の経歴に沿って書かれている。「みんながやることをやっても、たいていおもしろくない。ひとのやらないことをやるのは、それだけでおもしろい」という持論のもと、その生き方は、面白くもあり、かっこいい。
 「私は、自分の頭で考えて、その変化にまきこまれることもなく、年をとることができた。自分で自分のことを考えたためである、と思っている」と外山氏はいう。誰かの意見や批判に流されることなく、生きるというのは難しい。自分の頭で考えて生きるためにも、知識ばかりを溜めこむのではなく、まずは、頭の中を整理することが必要なのだろう。
(新刊JP編集部)


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