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アイデアは突然降ってくる!「食べて、祈って、恋をして」の著者が語る、創造性との付き合い方

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アイデアが降ってこなくて、自分を追いつめてしまったことはないだろうか?クリエイティブな仕事をしている人なら、誰もが思い悩んだことがあるかもしれない。

世界中で大ヒットし700万部を売り上げた「食べて、祈って、恋をして」(原題: Eat Pray Love)を知っているだろうか?ここではその著者であるエリザベス・ギルバートがTED talksで語った、「創造性との付き合い方」をご紹介したい。

彼女が作家を目指したときや、作品がヒットした後にも精神面を心配されたという。創造性のある仕事=苦悩だという周囲の考えに疑問を持つようになった。そして本人も自身で作品を作る上で悩んできた、創造性との付き合い方を語ってくれた。

彼女のスピーチを簡単にまとめると、

・創造性=苦悩という現代の考え方は間違い
創造性のある仕事は苦悩が伴うとされている現代。クリエィティブ業界の人が苦しみから解放され仕事を続けるために、その常識を変えるべき。

・創造性は降ってくるものだった
古い時代の人々は創造性とは、人間に寄り添う精霊だと考えており、人々は苦悩なく創造性を発揮することができた。

・創造性との付き合い方
創造性を今一度、人間個人ではなく、外部にあると考えてもいいと思う。そうすれば、結果を恐れずに、自分のすべき仕事を続けられる。

創造性について
考え始めたきっかけ

私が書いた「食べて、祈って、恋をして」は世界中で大ヒットし、各言語に翻訳されました。ところが周りからは、「あれを超える本を書けなかったらどうしようと不安にならない?」などと精神面での心配もされるようになりました。

思い返せば20年以上前、10代のときに作家になりたいと思っていたときも同じような反応をされました。「成功しなかったらどうするの?」と言われ続けました。

もちろん不安はありました。でも、不安は何にだったついてくるものですよね。ではなぜ、クリエイティブな仕事は他の仕事に比べて精神的に気遣われるのが多いのでしょうか。それが、創造性の伴う仕事について深く考えてみるきっかけになりました。

創造性=苦悩という
現代の考え方

化学技術者だった私の父が、そんな心配をされたことはなかったはずです。「化学技術のスランプは?」なんて。でも、作家を含む、全クリエイティブ業界にはそれがつきものです。確かに精神不安定になったり、自殺したり、作品に苦しめられたりする人が多いのも事実。今日の問題提起はまさにこのことについてです。芸術性が苦悩を伴うのは当たり前なのか?果たして、そのままでいいのだろうか。

私はこの先、いつまでも過去に出版された本と比較され、苦しむかもしれません。でも、朝9時からジンを飲むような人間になるのはごめんです(笑)。もっと普通に好きな仕事を続けたいのです。

創造性は”精霊”とされていて、
降ってくるものだった

古代ギリシャやローマでは、創造性は人間に寄り添う精霊で、人間の創造を超えた未知の場所からやってくるものと考えられていました。古代ギリシャではその精霊を「デイモン」と呼び、ローマでは「ジーニアス(天才)」と呼びました。能力の秀でた個人とは考えず、精霊だと考えられていたのです。

ひらめきを与えてくれるものを外部に置くことで、作品の評価から人間は心理的に守られるようになるのです。また、うぬぼれや失敗の責任に苦しむこともなくなります。

創造性に対する考えの変化が
芸術家を苦しめた

しかし、その考え方はルネッサンス期に変わってしまいました。人間が神話の上に立ち、世界の中心に置かれてからは、創造性は人間の中にあるのだと考えられるようになりました。「ジーニアス」が側にいるのではなく、芸術家自身が「ジーニアス」なのだと。

でもそれは繊細な人間の心には重荷ではないでしょうか?それが過去500年の芸術家をプレッシャーで苦しめ、殺してきたのです。

創造性との付き合い方

創造性は個人のものだけではなく、時には超常現象とも思えるほどにひらめきは突然、非合理的にやってくるものです。

90歳を超えた詩人、ルース・ストーンは、バージニアの田舎で畑仕事をしているとき大地の彼方から詩がやってくるのを感じたといいます。体を駆け抜ける詩を捕まえるために、急いで紙に書き留め、間に合わない時には身体から離れていってしまったそうです。

また、数年前インタビューで会った、ミュージシャンのトム・ウェイツは、苦悩する現代のアーティストの典型だったのですが、ある日LAのフリーウェイを走っているときに、曲の断片が空から降ってくるのを感じたといいます。そのひらめきを書き留める紙を鉛筆もレコーダーがなかったけれど、慌てる代わりに、ただ空を見上げてこう話しかけました。「落ち着いたときにまた来てくれ」と。

それ以来、問題の元を外にだすことで、作曲に対する不安も消え、気が楽になったそうです。「ジーニアス」は自分の中だけにあると不安だけど、外部にあると思うとリラックスできるのです。

この話を聞いて 私も仕事の姿勢を変えることになり救われました。 あのベストセラーを執筆中、絶望に陥り、もう本当に最悪な結末を考えたときもありました。でもトムの話を思い出してやってみたんです。原稿から顔をあげて、部屋の片隅の「ジーニアス」に話しかけたんです。 「しっかり書いておいてね、私もやることはやるから」って。そして、無事に作品ができ上がりました。

ひらめきは神からの贈り物

昔、北アフリカの砂漠で行われていた踊りと歌の祭典では、踊り手が一線を越えることがあって、それを当時の人々は、「神」と呼びました。でも翌朝になれば、誰も踊り手を神とは呼ばなくなります。自分に非凡な才能が備わっている訳ではなく、その力を借り物だと思っていたからなんですね。

私も、そんな風に考えるようにしました。気まぐれな精霊が降りて来て、一瞬でも奇跡を見せてくれたら、それは素晴らしいことだけれど、そんなことが起こらなくても、真の人間愛と不屈の精神を持ち続けた自分に対しても、称賛をしたい。結果を恐れずに、自分のすべき仕事を続けることが大切なのです。

この考えをもっと広げていきたいと思っています。ありがとうございました。

Reference:TED talks

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