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委託されて撮影した画像の著作権は誰のものでしょうか?

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Q.

 旅行の時に、ビデオ撮影を企画実施団体に依頼されました。その団体所有のカメラで撮影、編集のお手伝いを無償でしました。SNSサイトに旅行の時の友人だけが見られるようにその時の映像を私が編集してアップしていたのですが、著作権侵害だと言われました。私は著作権侵害しているのでしょうか。また、その著作権は私には帰属しないのでしょうか?

(30代:男性)

A.

 ビデオカメラなどで動画を撮影した場合、著作権法上では「映画の著作物」に分類されます(著作権法10条7号など参照)。著作権法16条では、「制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者」が著作者とされます。具体的に言えば、プロデューサーや監督、撮影監督や美術監督などです。

 映画の著作物については、完成後誰に著作権が帰属するかという部分について注意が必要です。通常、著作権は、著作者(著作物を創作する者)に帰属するというのが一般的なイメージだと思います。実際、音楽や絵画、写真などの静止画はその解釈で正しいと言えます。
 しかし、映画の著作物については、基本的には映画製作者(映画の著作物の製作に発意と責任を有する者。著作権法2条10号参照)に著作権が帰属することになります(著作権法29条)。つまり、プロデューサーや映画監督(著作者)ではなく、映画会社やテレビ局(映画製作者)に著作権(正確には上映権や複製権といった著作権の財産的側面)が帰属することになるのです。
 これは、映画などの映像製作物には多額な費用が必要であり、その資金を提供しているのは映画製作者であることへの配慮があるためです。

 このような背景をもとに今回のケースを考えると、映画の著作物は、旅行中に撮影したビデオの映像となります。そして、映画の著作物の製作に発意と責任を有する者たる映画製作者は、旅行企画実施団体となるものと思われます。映画の著作者は、撮影から編集などを担っているご相談者様と判断されるでしょう。
 ご相談内容からは詳細はわかりかねますが、あらかじめ著作権についての取り決めがなされていないものと考えられますので、基本的には著作権は旅行企画実施団体にあると考えられます。したがって、その団体から指摘を受けた「著作権侵害(具体的には許諾なく上映したことによる上映権の侵害。著作権法22条の2参照。SNSで友人知人のみに公開したとしても、広く閲覧しうる状態に映画の著作物を置いたとして侵害が肯定される可能性があります)」というのは考えられます。

 ただ、これまで述べた条文の規定からご理解いただけると思いますが、映画の著作物は上映される映画作品やテレビで放送されるテレビ番組などを念頭においたものになっています。
 個人が制作している映像作品の場合、議論はあるものの基本的には著作者に著作権が帰属することになる場合もあります。旅行企画実施団体の規模や旅行の概要、撮影にいたる経緯などがわかりかねるため断定はしかねますが「個人による映画の著作物なので、私に著作権が帰属するはずだ」との反論の仕方はありえます。

 しかしながら、実際にいずれに著作権が帰属するかは訴訟に発展しないとわからない部分が大きいです。そのため、基本的には映画製作者(旅行企画実施団体)に著作権があるものだという前提に立って、「SNSの限られた友人にしか公開していないし、実際に撮影から編集までを無償で行っているのだから、今回の利用を許してほしい」という交渉をされることが穏便でスムーズな解決に結びつくものと思われます。もしくはSNSから映像を削除してしまうというのもひとつの方法だと思われます。

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