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「10分間の価値は1000円」の法則からみる、「ドラマ冬の時代」の必然

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 インターネットが身近になった今、私たちは情報の洪水の中で生活をするようになりました。米シスコシステムズが2013年に発表した予測によると、ネット上などを流れる1か月のトラフィック(情報量)は、今後まだまだ増加するよう。日本国内の1カ月の情報量は、2012年の時点で2300ペタバイト(ペタは1000兆)ありましたが、2017年には8100ペタバイトに増える見込みです。DVDに換算すると、約 20億枚分という情報量。ネットだけでなく、スマホ定着がこの情報量増加に拍車をかけているようです。

 どんなに情報量が増えたとしても、私たちに与えられた1日24時間という数字は変わりません。私たちは限られた時間の中で、情報を選び消費しているのです。商品やサービスを提供する側もここには頭を悩ませているようで、消費者の貴重な時間の中で、どう自社のものに触れてもらうか、様々な工夫を考えています。

 書籍『買う5秒前』は、ヒット現象から読み解く消費者インサイト事例の紹介本。著者・草場滋さんは同書の中で、ヒット商品の裏側には、何がお客さんの背中を押したのかを分析しています。

 その中の一つで取り上げられたのがテレビ業界。インターネットに押され、さらにスマホの登場で、テレビ離れが加速しており、特にドラマは「冬の時代」と言われるほど苦戦を強いられています。スマホ・タブレットをいじりながらでも見られるタイプの番組ならそうでもありませんが、ある程度の集中力が求められるドラマは、よっぽどの魅力がない限り視聴者の時間を奪うことができません。そのため、番組制作側は豪華キャストを揃えたり、ユニークな宣伝に費用を費やすなどして、作品の価値を上げるよう努力しています。

 ちなみに皆さんが見たくなるドラマとはどのようなものでしょう。贔屓の俳優やアイドルが出演している作品や、友人間で話題になっている作品でしょうか。ひょっとしたら、その中に「コストパフォーマンス」という価値観も反映されているかもしれません。

 エンターテインメントのコストパフォーマンスについて、同書ではホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫さんによるある法則を紹介。馬場さんは「高級エンターテイメントにおいて10分間は1000円の価値が必要」と独自の法則を唱えています。

「例えば、レストランで2時間食事して1万2000円なら、納得して払える金額ということ。ミュージカルや芝居も大体2時間で1万2000円。マッサージなら60分で6000円。床屋だと平均して40分で4000円。逆に言えば、10分1000円を支払うだけの価値がないと判断したら、人はそれを選ばないということ」(同書より)

 高級エンターテインメントに必要とされるコストパフォーマンスは「10分1000円」とのこと。これだけの価値があると判断できれば、私たちはお金を払おうとするというのです。仮に、ドラマを高級エンターテインメントとするならば、60分のドラマには6000円の価値が必要ということになります。

「『ドラマ冬の時代』とは、要はそのドラマに視聴者を60分間、惹き付けておくだけの魅力に欠けるということだ」とは草場さん。

 ドラマ冬の時代にあって、15分で完結するNHKの朝ドラは好調をキープしていますが、「15分=1500円」というコスト感も関係しているのかもしれません。さて、4月から始まった新ドラマ。あなたに10分1000円の価値を与えてくれるのは、どの作品になるのでしょうか?

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