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未来のイノベーションは予測可能か?

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 10年後、30年後、50年後…。世界はどうなっているのだろうか、どのようなモノに囲まれて生活しているか。想像もつかない。そもそも、来年の日本の景気すらわからない。スマートフォンなど、便利なグッズはたくさなるけれど、幸福度は下がっていたりもする。 何が流行って、どのような新しいモノが定着するのかという予測をすることは難しい。
未来はどうなるのか。統計学を駆使すれば予測はできるとも言われているが、本当に未来が分かるのだろうか。

 そういった未来予測も気になるところだが、それよりも、もっと深く科学の本質を見つめ、もっと大事な問いについて、プログラマー・投資家であり、書評家としても知られる小飼弾氏と、統計学の著作も多い数学者の神永正博氏が理系講義を繰り広げるのが、本書『未来予測を嗤え!』(神永正博・小飼弾/著、KADOKAWA/刊)だ。科学からコンピュータ、経済、教育まで広範囲にわたる先端の知見から、人と社会の本質に迫る。

 イノベーションは予測することはできないのか。小飼氏は、「結局、わからないのは『どうなる』ではなく、『どうしたい』なんでしょう」と語る。
 iPhoneが四半世紀にどれだけ売れるのかについては、多くの人たちが高い精度で予測できていが、それはiPhoneがいったんできてからの話。我々がiPhoneを欲しかったということは、それが登場するまでわからないことだ。スティーブ。ジョブズが「iPhoneが欲しい」と思わなければ生まれず、私たちがiPhoneを欲しいと思うこともなかった。こうした人間の意思がどこから来るのかは、まったく説明ができないことなのだ。

 神永氏も「技術進歩というのは、そういうことだらけで、本当にわからないですよ」と語り、企業でICカードのセキュリティ技術を開発していた頃の話を披露する。専門家の立てる予測は面白いほど外れたという。担当部署の人間は「みんないちいちお金を持ち歩くのは嫌だろうから、これからはICカードの時代がやって来る」「今はたくさんのクレジットカードを持ち歩かないといけないが、ICカードになれば1枚にまとまるからこんなに便利なことはない」と予測していた。
 実際ICカードが普及してみると、1枚にまとまるどころか、むしろ以前より持ち歩くカードの枚数は増えている。ICカードは普及したのでまったく予測が外れたわけではないが、専門家の予測とはすいぶんと違うかたちになっている。人が何を好むか、どう動くのかは予測するのは難しいのだ。

 これから来たる未来にどう備えるべきなのか。神永氏と小飼氏による講義から学ぶものは多いはずだ。
(新刊JP編集部)


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