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肉好きが唸る地元肉メニュー 釧路スパカツに盛岡じゃじゃ麺

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 ゴールデンウィークに国内旅行を予定している人も多いだろう。そこで各地方で愛されている「地元肉」のあれこれを、食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

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 休みといえばフェスであり、フェスといえば肉である。今年のゴールデンウィーク、首都圏では複数の”肉祭り”が行われる。ひとつは4月25日から5月10日まで新宿中央公園で行われる「大牛肉博」。全国から5つのブランド牛が集まり、会期前半は牛丼が、後半は焼肉丼が提供される。

 もうひとつの目玉は、駒沢、幕張、横須賀で行われる「肉フェス」。ほぼ同時期に、牛のみならず、豚や鶏などを提供する名店が全国から集結する。この時期、首都圏にいる肉好きなら、どちらも覗いてみる価値はあるだろう。

 もっとも連休となれば、都会の喧騒を逃れる向きも多いはずだ。そして実は地方にこそ、まだ見ぬ「うまい肉」は隠れている。

 例えば北海道ならば、ジンギスカンや豚丼などが代表的な肉料理として挙げられるが、他にも多数挙げられる。例えば釧路のスパカツ。大盛りのミートソーススパゲッティの上に揚げたてのとんかつが鎮座している。ミートソースという肉の上にとんかつが乗っている。天は肉の上に肉をつくれり。ものすごいボリュームである。

 他にもケチャップライスにとんかつをのせた根室のエスカロップ、卵でとじない醤油味の訓子府のタレかつ丼など、道民はとんかつをごはんや麺にのせてしまいがちだ。ほかにも札幌には、とんかつラーメンを出す店が何軒もある。「とんこつ」ではない。カットされたとんかつがラーメンにのっているのだ。

 東北エリアでは山形の冷たい肉そばと、岩手・盛岡のじゃじゃ麺という「肉のせ麺」は外せない。冷たい肉そばとは、コシの強い日本そばに、醤油味の鶏、かつお、昆布の冷たい合わせだしを注ぎ、具にひね鶏とねぎをのせたもの。軟弱な鶏の味に飽きたという鶏好きには熱烈におすすめしたい。

 一方の盛岡じゃじゃ麺は、実はわんこそば、冷麺と並ぶ「盛岡三大麺」のひとつで、うどんやきしめんのような小麦麺に特製の肉味噌ときゅうり、ねぎをのせた和え麺だ。食後の器に、卵を割り入れ、鶏蛋湯(チータンタン)という卵スープにするのをお忘れなく。ひき肉メニューとなると、福島・三春のピーマン入りメンチカツ「グルメンチ」もあなどれない。

 実は「肉祭り」が行われる首都圏にも地域に根づいた「肉」店は多い。埼玉県の東松山には独特の「やきとり」店が約100軒ほどある。「やきとり」といっても、この地域では豚肉を使う。豚のカシラ肉を炭火で焼き、辛味のきいた味噌ダレをつけて食べる。これが東松山の「やきとり」なのだ。

「庶民の食」となると大衆的な風情のある飲食店が取り上げられがちだが、肉を提供するファミリーレストランにも地域性はある。横浜を中心としたファミリーレストランチェーン「ハングリータイガー」ではレア気味に仕込んだハンバーグを、客席で提供するときアツアツの鉄板の上で調理の仕上げを行う。

 奇遇にも、隣の静岡県のファミリーレストランチェーン「さわやか」でも似たような方式でハンバーグを提供しているが、焼きが強めのハングリータイガーは洋風ソース。対して「さわやか」は焼きすぎない状態で提供し、ソースもオニオンソースと味つけは似て非なるものと考えていい。神奈川から静岡へと足を延ばしての食べ比べで、極私的肉祭りを開催するのもまたよし、である。

 ちなみに、神奈川県民、静岡県民ともに双方の地元チェーンを全国チェーンだと思い込んでいるフシがあるが、「ハングリータイガー」「さわやか」ともに地元密着型のチェーンである(10代を神奈川県で過ごした筆者も、当時、ハングリータイガーを全国チェーンだと思い込んでいた)。

「肉祭り」の行列を楽しめるならば、その高揚感も捨てがたい。だが必ずしも「祭り」で肉を食べる必要があるわけでもない。肉と対峙したその瞬間、己の肉祭りは始まるのだ。やや長文になったので、中部以西の「地元肉」については、次回に譲らせていただく。


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