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朝日新聞の賃貸事業 売り上げこそ本業の4%だが利益は40%

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 朝日新聞社が東京創業の地、東京都中央区銀座6丁目に新ビル「銀座朝日ビル」(仮称)を建設すると発表した。地上12階、地下2階の建物には、ラグジュアリーホテル、商業施設が入り、2017年秋に完成する予定だという。

 朝日の不動産ビジネスは、すでに大阪では成功を収めている。朝日は大阪のビジネスの中心地、中之島に大阪本社が入る高さ200メートルのツインタワーを建設中だ。東側の「中之島フェスティバルタワー」は2012年11月に完成。地上39階、地下3階の巨大ビルには大阪本社以外にも2700席を誇る音楽ホールが入り、16階から36階までのオフィスフロアもテナントでほぼ埋まっている。

 西側には「中之島フェスティバルタワー・ウエスト(仮称)」が2017年に完成予定だ。こちらは地上41階、地下4階建てで、26フロアのテナントオフィスを用意する。上層階には銀座と同じく最高級ホテルが入る。朝日新聞関係者がいう。

「入るのはリーガロイヤルホテルを運営するロイヤルホテルです。1部屋の面積は50平方メートル以上と広く設定し、料金は1泊4万~6万円。会社もプレスリリースで“大阪最高のラグジュアリーホテルを目指します”と発表するなど、高級路線を謳っています。ツインタワー完成後のテナント料収入は、2棟合わせて年間100億円を想定している」

 莫大な不動産収益の背景には、国のバックアップがある。

 中之島地区は小泉内閣時代に創設された「都市再生特別地区」に指定され、様々な規制が緩和される。朝日はこの制度を利用し、容積率を従来の1000%から1600%に増やすよう申請し認められた。これによりテナント料は増収、さらに資産価値も大幅に上がったのである。

 有価証券報告書によれば、朝日新聞グループの事業の柱は大きく分けて「新聞出版事業」、「賃貸事業」、「その他の事業」の3つ。2014年3月期の売上高は、新聞出版事業は前期比1%減の4380億円。営業利益も23%減の66億円と減収減益だった。一方の賃貸事業の売上高は17%増の165億円、営業利益も16%増の27億円。

 賃貸事業は売り上げこそ本業の4%程度だが、利益は本業の40%も稼いでいる。

 コストパフォーマンスもすこぶる良い。新聞出版事業には正社員、臨時社員など合わせて7373人いるが、賃貸事業はわずか128人。社員1人当たりの利益は、本業が約90万円なのに対し、賃貸事業は約2100万円になる。

 2014年下期の部数が前年比5.87%減の約710万部と低迷する中、これだけオイシイ商売なのだから歴史ある創業の地であっても丸ごと1棟不動産ビジネスを始めようというのはうなずける。朝日新聞は、ホテル建設についてこう話す。

「旧ビルが築50年を迎え老朽化したため建て替えることになりました。事業のスキーム等は関係者と詰めている段階です」(広報部)

 前出の朝日関係者がいう。

「ツインタワー建設はリーマンショック後の不動産不況のなかで進められ、“賭け”といわれた。結果的にはアベノミクスにより不動産が高騰したおかげで利益が出た。紙面では安倍政権を批判しますが、会社の経営は安倍さんに足を向けて寝られない状態です」

※週刊ポスト2015年4月24日号


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