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スチャダラパー25周年記念公演「華麗なるワンツー」東京公演レポート

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今年1月に12枚目のオリジナル・アルバムとなる「1212(ワンツー・ワンツー)」をリリースしたスチャダラパー。そのリリース・ライヴの東京公演となる「華麗なるワンツー」が4月11日、日比谷野外音楽堂で行われた。

「1212」のオープニングとなる「イントロダクション・ワンツー」が流れ、バンド:ザ・コストパフォーマンスが登場し「スタートレックのテーマ」を演奏すると、スチャダラパーの3人が登場し、会場は総立ちに。そして笹沼位吉のベースが唸り「4ch FUNK」でライヴはスタート。バンド・アレンジで再構築された「A.K.A. ETC」に続き、Kashifのギターに先導される「ライツカメラアクション」では、“ライツ!カメラ!アクション!”というコール・アンドレ・スポンスが野音に響く。そして曲の後半ではビートが差し替わり、バンド演奏ならではの構成で展開していく。

「今回は新旧の曲を織り交ぜてセトリを組んだ」というBoseのコメントに続き、「1212 耳をつんざく……」と二人のユニゾンと、SHINCOのスクラッチから“アーバン文法”がスタートし、そこから「B-BOY ブンガク」から「中庸平凡パンチ」へ展開。その2曲は約20年の時間を経ている訳だが、両曲のソリッドなビート感とタフなラップはしっかりと感覚として繋がっており、スチャのブレなさを感じさせられた。

そして、ロボ宙(脱線3)が登場し「MORE FUN-KEY-WORD」「CHECK THE WORD」を披露。やはり「CHECKTHE WORD」のド頭の「YO」の入りは、鳥肌が立つほど格好いい! 「ゲームボーイズ」から「ゲームボーイズ 2」への連携も印象的な展開だったが、内容に加え、過去の曲も現在の曲も音の“鳴り”が粒立っており、スチャダラの“音の良さ”を改めて再確認させられた。そして、かせきさいだぁとロボ宙が登場した「ワープトンネル」では、「コーヒーブレイク」のパートで MC4 人がパックマンをイメージした動きを見せ、そのまま「GET UP ANDDANCE」へとライヴはカラフルに進んで行く。

MCではBoseからかせきさいだぁに「なにか言うことがあるでしょ?」と水が向けられ、かせき家に赤ちゃんが生まれたばかりという事が報告され祝福の拍手が贈られる。命名がまだな事について、ANI から「『さいだぁ』でいんじゃないの?『加藤さいだぁ』で」という乱暴な提案には会場から笑いが起きていた。

続くパートでは、「世の中が変わったドゥービー三部作(ANI)」「いや、完全に黙殺されてるけど(Bose)」として、「ドゥビドゥ What?」、「アフタードゥービーヌーン」、「クライングドゥービーマン」の3曲がメドレーで披露。「クライングドゥービーマン」ではシャシャミンが登場し、アルバム・バージョンのライヴとなった。

そのままMCで「シャシャミンがなぜ結婚しないのかという」話の流れで、SHINCOの結婚が発表され、会場から大きな拍手が送られる。「(LBは)結婚しないでいつまでも『ボンバーマン』やってるはずだったのに。ピーターパン・シンドロームじゃなかったの?(シャシャミン)」という微妙に寂しさも感じさせるコメントから、「コロコロなるまま」に流れたが、その終わりは“うんこうんこ”の大合唱となり、結局ピーターパン・シンドロームに会場は包まれる。

バンドが再び戻ると、「スチャダラメモ」「5W1H」「Boo-Wee Dance」とタイトな展開。そして、「おしゃれで素敵なつもりでやるとダサい、やっちゃダメなバージョンをやろう(Bose)」と、ボサノバ調の「後者-THE LATTER」という、本気だったら相当厳しいバージョンを披露。ブレイクダウンでのANI の脳天気感がやはり凄まじい「ついてる男」から「トラベルチャンス」と、「オモロラップって昔あったよね(Bose)」と、クラシックを展開する。

続く「Shadows Of The Empire」ではソリッドなラップを聴かせ、会場の空気をタフな方向にシフトさせるスチャ。そして、電気グルーヴとかスチャダラパー「聖☆おじさん」が流れ、ここで電気グルーヴが登場。8.6秒バズーカの衣装という流石すぎる格好に、笑えるやら格好良いやらで、会場を一気に悶絶させる。

ピエール瀧の「スチャダラパー25周年おめでとう!」というコメントに被せるように、石野卓球は「あれやれよ、喧嘩して仲直りするやつ」とその先のネタバレをし、「先にそういうこと言うんじゃない!」とBoseに突っ込まれる。そして、卓球の言葉通り、瀧がお祝いで買ってきたメロンをANIが勝手に食べてしまったという茶番を経て、“ANI VS 瀧”“瀧 VSANI”とマイク・バトルの後に、何故か急遽和解。瀧からの「これからの25年もよろしく!」という仲良し過ぎるコメントに続いて流れるのは、SILVETTI「SPRING RAIN」のリフ……ということは「Shangri-La」! 電スチャによる「Shangri-La」という展開には、会場が驚きと歓喜の声が上がる。

そして、その熱をクールダウンさせるかのように「ヒマの過ごし方」を丁寧に披露した後は、会場の誰もが待ち望んだリフが流れ、「今夜はブギー・バック」。会場は大合唱で進行していく。

アンコールでは、「今この瞬間こそがベストですよ!」というBoseのコメントから「ザ・ベスト」、そして「彼方からの手紙」で、この日のライヴは幕を閉じた。

アルバム「1212」をなぞれば、チャットモンチーや清水ミチコの登場も想定されたし、25周年という節目で考えれば、20周年ライヴの時のような数多くのゲストが登場するスタイルも想像できたかも知れない。しかし、この日のライヴは、「スチャダラを構成するもの」がテーマになった、芯の太いライヴだったと言えるだろう。ジャンルは違えど音楽シーンを切り拓いてきた電気グルーヴ LB NATIONとしてムーブメントを形成したロボ宙やかせきさいだぁ、そして「今夜はブギーバック」と、スチャのキャリアや音楽史を考える上では欠かせないゲスト陣。そして楽曲に関していえば、「アーバン文法」のようなソリッドさ、「後者-THE LATTER」といったスチャの音楽を形成する上での本質になる思想やイズム、「ゲームボーイズ」や「コロコロなるまま」といったオモロな部分、そして「1212」で提示した「現在」を満遍なく披露したこの日のライヴ。その意味でも、今回のセット・リストは、“スチャダラパーとは”という本質をパフォーマンスとして明確にしたライヴだったと言えるだろう。

そして、その充実ぶりからは、スチャダラパーは「今が最高」であり「常に最高」なのだと改めて気づかされる、そんな感動的な一夜だった。

なお、「華麗なるワンツー」東京公演の模様は5月5日24:00~25:30 にスペースシャワーTVにてオンエアされる。

取材:高木”JET”晋一郎
撮影:三浦憲治

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■スチャダラパー オフィシャルサイトhttp://www.schadaraparr.net/

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