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【2,000万回】TED至上、最も見られたスピーチ。「学校が、子供のクリエイティブを殺している」

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あらゆる分野のスペシャリスト、著名人がそれぞれの想いを胸にスピーチを繰り広げる世界的なカンファレンス「TED Talks」。名だたるスピーカーの中でも最も視聴者を集めたと言われるのが、思想家ケン・ロビンソン氏だ。2014年時点で彼のスピーチは累計2000万回以上、再生されている。

今回は、その中で最も人気の高い「学校教育は、創造性を殺してしまっている」というスピーチをご紹介したい。

人間誰もが持つ創造性について、そしてそれを奪ってしまう今の教育について改革が必要だと熱く語りかける。

Sir Ken Robinson @ The Creative Company Conference

彼のスピーチを簡単にまとめるとこうだ。

1.現在の教育制度が、子どもの才能を潰している
子供たちはみな素晴らしい潜在能力と創造力を持ち合わせている。でも大人たちが奪ってしまっていることを知るべきだ。

2.子どもは、失敗を恐れないが大人になると怖がる
子供は失敗を恐れず、とりあえずやってみる。でも失敗は悪いものだと教えられるせいで、大人になるとみな失敗を恐れ挑戦しなくなってしまう。それでは何も生み出せない。

3.今の教育で生まれるのは、大学教授だけ
数学や語学は評価されるが、芸術はいらないものとされている。そんな教育制度が生み出せるのは、大学教授だけだ。

4.学歴の価値がなくなってきた
大学に行くための学校の成績だけが評価されてきた。でも今は大学を卒業したからと仕事に就ける時代ではない。今こそ、早急に教育制度を見直す時だ。

5.才能を平坦化するのではなく、伸ばすのが大事
世界的に有名なダンサーであるジリアンは小学生の頃は、落ち着きが無く学習障害(ADHD)だと言われ続けていた。可能性を奪ってはいけない。

6.子供たちが未来をつくる
未来は今の子供たちが担っている。私たちは、子供たちの創造性を潰すのではなく、伸ばす手助けをするべきだ。

ここからは動画でケン・ロビンソン氏の名スピーチを紹介する。

現在の教育は
子どもの才能を潰している

子供はみんな素晴らしい才能を持っているものです。でも、私たち大人が無情にもそれを無駄にしてしまっていると思うのです。

だから私は今日、教育について話したいと思います。文字を教えることくらい、創造力を育てる授業が重要になるので、教育に取り入れるべきです。

今の教育は創造性を殺す
失敗を恐れていては、何も生まれない

最近聞いたおもしろい話をしましょう。今まで何も興味がなかったある6歳の少女が、絵の教室に通うと、すごく没頭し絵を描くようになったそうです。ある時先生が、少女に「何を描いているの?」と聞くと、少女は「神様の絵を描いているの」と答えました。先生は「神様の姿も知らないのに?」と言うと、「じきに分かるわ!」と答えたのです。

それから私の息子が4歳だったとき、学校で劇をやりました。なかなか素晴らしい役をもらったんですが、劇の内容は私が知っているものと少し変わっていましてね・・・だから息子に「あれで良かったの?」と聞いたんです。そうしたら「何か間違っていた?」って。

Curious kid

子供たちは、とにかくやってみるんですよね。何も知らなくても、間違いを恐れずにただやってみる。もし間違えることを恐れていたら、子供のように独創的なものなど思いつかないはずです。

でも間違えることは良くないことだと教わった子供たちは、挑戦しなくなくなります。失敗は最悪だと教えている今の教育システムによって、人間本来の創造性を殺してしまっているのです。

あなたたちは、
大学教授になりたいんですか?

私はイギリスからロサンゼルスに引っ越すなどして、世界中を渡り歩いていた時に、1つ驚いたことがあります。どこの教育制度にも、科目の優劣があるということです。必ず、数学と語学がトップ、次が人文系。一番評価されてないのは芸術系でした。本当に地球上どこにいってもそうなんです。

さらに芸術科目の中でも、また順位があります。美術や音楽は、演劇やダンスより上です。数学と同じくらい、ダンスを教えてくれる教育制度はどこにもありません。私たちはみんな、子供の頃は1日中でも踊っています。みんな体を使っています。でも成長するにつれて、腰から上だけを使うようになり、最後には脳の片側だけ使うようになってしまうのです。

現在の教育が作り出すのは大学教授だけです。彼らは昔も今も世の中のトップにいるように思えますが、実際はそんなことありません。

もはや、学歴は関係ない
大学教育のインフレが進行中

今の教育制度は、19世紀以前の公教育がない頃に生まれたものです。だから、科目の優劣は2つのことから決められました。1つは働くために役立つ科目。音楽や芸術じゃ食べていけないから音楽やアートなんて必要なし!と言われてきました。

2つ目は学力。大学に入るには、学校の成績だけが重要でした。だからそれが重要な知性として判断されるようになったのです。その結果、天才的で創造性溢れる人たちはみな「自分は才能がない」と感じてしまっています。学校では彼らの才能は全く評価されないからです。

Study

でも今、世界は大きく変化しています。テクノロジーの進歩が、労働環境に大きな影響を与えました。私が学生の頃は卒業していれば仕事が見つかりました。でも今は、大学の学位だけでは意味をなさなくなり、学士ではなく修士、時には博士号が必要になってきました。

大学教育のインフレが起こっているんです。今こそ根底から教育制度を見直す必要があるのです。

ADHDと判断され、
才能を押し殺されていたかもしれない

知性について3つのことがわかっています。1つは多様であること。あらゆる視点から捉えるべきというものです。2つ目は、ダイナミックであるということです。創造力は、様々な分野の知識や価値観の相互作用によって生み出されていきます。関係ないように思っている知識でも、密接に関係があるのです。

3つ目に、知性とは唯一無二、オンリーワンのものであることです。今、人間はいかに才能と巡りあうかについて新しい本を執筆中ですが、この本を書くきっかけを与えてくれたのは、ジリアン・リンという女性です。彼女は有名な振り付け師で、彼女の作品は誰もが知っているはずです。「キャッツ」や「オペラ座の怪人」といったところです。

dance

そんな素晴らしい才能を持つ彼女ですが、小学生の頃は集中力がなくいつもそわそわしていたため、学校は彼女の両親にジリアンには学習障害があると伝えたそうです。今だったら、ADHDと判断されるんでしょうね。

そして専門家に相談にいったことが彼女の転機となりました。医師は一通り話した後、ジリアンを1人部屋に残し、ラジオのスイッチをいれました。すると彼女は、音楽に合わせてリズミカルに動き始めたのです。そして医師は母親にこう言ったそうです。「お母さん、ジリアンは病気なんかじゃありません。ダンサーなんですよ。ダンススクールに通わせてあげなさい」と。

それが彼女の人生を、世界的なダンサーへと導きました。ダンススクールに通うようになると、言葉じゃ表せないほどの楽しさを感じたそうです。

子供たちが未来をつくる
私たちはその支えとなろう

summer here kids

これまでの教育は、私たちから特定の産物だけを取り出していました。でもそれはもう役立ちません。私たちは 根本的な理念を再考しなければならないのです。

ジョナス・サークの素晴らしい引用があります 。

「仮にすべての昆虫が地球から消え去ったら、その後50年の間にあらゆる生きものが消滅するだろう。もし地球上から人類が消え去ったら、50年後にはあらゆる生命が豊かに栄えるだろう」

まさにその通りだと思います。だから、人間の限りない創造性が、私たちの人生を豊かにすることを知り、子供たちが未来の希望であると認識することが必要です。

私たちの役割は、子供をあるがままに育てることだと思います。

どうもありがとうございます。

Top Photo by Sebastiaan ter Burg
Reference:TED Talks

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