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Album Review: ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 突如発掘された奇跡の未発表音源集!人間味溢れる歌や演奏に心躍る

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 キューバ音楽といわれて一般的に想像されるのは、おそらく老練の歌手やミュージシャンによるゆったりとしたソンのリズムではないだろうか。ライ・クーダーが忘れ去られたキューバの音楽家を集めてプロデュースし、1997年にリリースされたアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は世界中で大ヒット。1999年にはヴィム・ヴェンダースによって映画化され、世界中で感動の涙に溢れさせた。

 あれから10数年経った今、突如未発表音源が多数発掘された。この『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ~ロスト・アンド・ファウンド』は、ファンにとって奇跡といってもいいくらい嬉しい内容だ。最初はイブラヒム・フェレールがパリのゼニット劇場で歌うライヴ・テイク「ブルカ・マニグア」から始まる。続いて、1996年のオリジナル・セッションから、コンパイ・セグンドの名曲「マクーサ」が披露されるが、ふとこの時点で彼らがすでにこの世に存在しないことに気付いてしまう。それは、ベーシストのカチャイートとコンガの名手アンガー・ディアスをフィーチャーした「ブラック・チキン37」や、ラストを飾るルベーン・ゴンサレスのピアノ・ソロも同様。人間味溢れる歌や演奏だけに、その不在感はあまりにも儚くせつない。

 しかし、オマーラ・ポルトゥオンドやエリアデス・オチョアといった現役シンガーの声も聞こえてくるし、なにより豊潤なキューバ音楽のリズムとメロディに心が躍ることだろう。オマーラが歌う「黒い涙」のようなキラー・チューンが眠っていたことにも驚くと同時に、まだまだ他にも未発表音源があるのではないかと想像してしまう。それだけに、第二弾、第三弾にも期待したいスペシャル企画といえるだろう。

Text: 栗本 斉

◎リリース情報
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ~ロスト・アンド・ファウンド』
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
2015/03/22 RELEASE
2,700円(plus tax)

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