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地方議員 生活の安定のために立候補する「就職組」が急増中

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 今月の統一地方選では「立候補届に名前を書いただけ」で一票も獲得せずに当選する道府県議が5人に1人の割合で誕生する。名ばかりでも選挙は選挙。今回も巨額の公金が投じられる予定だ。
 
 各候補者の選挙時にかかるポスターやチラシ代、選挙カーのレンタル費用やガソリン代、運転手の日当まで、諸経費は「選挙公営」という名の税金で賄われる。
 
 今回の統一選における同費の総額はおよそ500億円に上ると見られている。地方自治問題に詳しいジャーナリストで『トンデモ地方議員の問題』著者の相川俊英氏が指摘する。
 
「選挙公営では過去、候補者による水増し請求の横行が指摘されてきました。東京都三鷹市のケースでは、2003年の市長選・市議選におけるポスター代の平均は候補者1人当たり36万2590円。上限額(41万5326円)を請求した候補者は38人中22人でした。その後に元市議が追及を開始したため、2011年選挙時には1人当たり平均額は29万7973円、上限額請求者も36人中3人に激減した。

 つまり、水増し疑惑が追及されるまでは不必要なポスター代を請求していた疑いが濃いのです。2007年には岐阜県山県市の市議7人が印刷業者と共謀した水増し請求が発覚。表面化しないだけで今もあちこちで行なわれています」
 
 関東圏の人口50万都市から市議選に立候補する予定の男性候補者は本誌取材にこう明かした。
 
「ウチの選挙区のポスター枚数の上限は600枚超で、支払われる選挙公営の上限額は約50万円です。つまり1枚800円の計算ですが、作ろうと思えば1枚400円ぐらいで作れる。地元の印刷業者に頼んだら、『差額分でチラシや名刺も作ってあげるから任せといて』といわれたので上限額を請求することにしました。周りの候補者を見回しても、大半の候補者は1枚800円で請求しているので、何か他の印刷物の費用に回っているのでしょう」
 
 選挙公営からは選挙カーの運転手代も支出される。日当は1万2000円だ。
 
「実は、運転手を雇わずに選挙カーを自分で運転している候補者もいる。それでも日当は請求するんです。そうして日当1万2000円を懐に収めている候補者もいます」(同前)

 この候補者が立候補する市では、「2000票集めれば当選する」といわれている。そのハードルが低く見えるせいか、今回の選挙では生活の安定のために立候補する「就職組」が急増しているのだとか。
 
 同市では定員に対して1.5倍を超える候補者が争う展開となる模様だが、動機が不純だから各候補者の“政策”といえば、〈安心・安全な街づくり〉〈市民に優しい行政〉といったおよそ政策とはいえないスローガンが目立つ。実際、ビラ配りやポスティングには熱心でも、街頭に立って政策を訴える候補者はほとんどいないそうだ。
 
 前出の候補者が続ける。
 
「市議選への立候補時に払う供託金は30万円です。ところが、50万都市でも400票程度を取れば没収されない。その程度ならばまったく無名の新人候補者でもなんとかなり、供託金は捨てガネにならないのが現実です。選挙公営を巧く使えば、市議選レベルならタダで選挙ができてしまうどころか、ちょっとした臨時収入を得ることもできる」
 
 もともと選挙公営制度は、経済力の格差によって候補者の当選・落選が左右されないよう、選挙運動の機会均等を図る目的でつくられたものだ。それがいまや「地方議員や候補者のお小遣い」になっている。

※週刊ポスト2015年4月17日号


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