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李克強首相に健康不安説浮上 チャイナリスク誘発の可能性も

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 中国メディアは連日、習近平国家主席の動静をトップで伝えるとともに、インターネットでは「習大大(習おじさん)」の愛称で習近平を礼賛する歌や漫画が大量に流されている。まるで、毛沢東主席を思わせる個人崇拝ぶりだ。

 これと反比例するように、李克強首相の影の薄さが目立ってきている。北京では昨年来、李克強の健康不安説が囁かれていたが、先月の全国人民代表大会(全人代)を機に「ポスト李克強問題」が急浮上してきた。ジャーナリストの相馬勝氏が解説する。

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 李克強の健康不安説が表面化したのは今年2月上旬、北京でアルゼンチンなど南米諸国の首相らと会談した際、顔色が優れず、目の回りが黒ずんでくぼみ、頬がこけて、げっそりと痩せていたことからだ。「北京の外交団のなかには、本国宛ての公電で、李克強の健康不安説を報告した大使館も数か国に及んだと聞いている」と北京の外交筋は明かす。

 各国の外交団にとって、3月の全人代は今後一年間の中国政府の政策とともに、李克強の健康不安説を見極めるという新たな課題が加わった。

 このため、全人代初日冒頭に政府活動報告を行った李克強の表情に注目が集まった。筆者はインターネット経由で生中継でみたのだが、やはり顔色は心なしか、全体にどす黒く、目も落ちくぼんでいるようだった。李克強はちょっとグレーっぽい色つきの眼鏡をかけているので、なお一層、目の回りが黒ずんで見えるのかもしれない。敢えて、目のまわりの黒ずみをカモフラージュするために、色つきの眼鏡をかけている可能性も考えられよう。

 筆者同様、インターネットで李克強の活動報告をみた在京の中国問題専門家は「李克強氏の健康問題が今後、チャイナリスクを誘発するかもしれない」と不安げな表情で語っていた。

 党指導部内でも李克強の健康問題を憂慮する声がしばしば上がり、地方視察や外遊の回数を減らすなども配慮されてきた。習近平は就任以来ほぼ2年間で欧米やアフリカ、南米やアジア諸国などすでに50か国近く訪問しているが、李克強の場合、訪問国は近隣のアジア諸国が多く、南北米大陸やオセアニア地区の国々への訪問はなく、全部で20か国にとどまっている。習近平との差は歴然としており、指導部内では李克強の健康状態を懸念する声が高まっている。

 2年半後の2017年秋の第19回党大会では、7人の党政治局常務委員のなかでは年齢的に習近平と李克強以外の5人の引退が決まっているが、「李克強の健康状態によっては、常務委員として残るのは習近平1人ということもありうるかもしれない」(同書)との観測も出ている。

 2017年秋から2期目を迎える習近平としては、自らの力量を存分に発揮するために、新たな常務委員に自らの腹心を登用し、少なくとも過半数はとりたいところだろう。党内で有力な勢力である中国共産主義青年団閥の台頭を抑えるためにも、その中心人物である李克強を切り捨てたいというのが本音ではなかろうか。

※SAPIO2015年5月号


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