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【EXILE USAインタビュー】第1回 世界に通じるダンスで心の国境をなくす

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以下USAさん

「世界に通じる共通言語(ダンス)で心の国境をなくす」

TRiPORTライターのKANAです。
今回はEXILEのメンバーであり、世界中を踊りながら旅しているUSA(宇佐美吉啓)さんに、世界を旅して感じた新しい価値観や心の国境についてインタビューしました。

第1回「踊りで広がる世界と苦悩」

ー世界中を旅していますが、何をきっかけにして旅へ出たいと思うようになったのですか?

きっかけは踊りが大好きだからです。「世界中で踊りたい」というシンプルな気持ちでした。踊りがない民族や国は世界中を探してもどこにもない。「もしかしたら、この踊りがあれば全ての民族と繋がれるんじゃないか..?」と妄想が広がって…。それがいつの間にか夢になっていきましたね。

初めて旅に出たのは18歳の時。既にダンスを始めていて、もっと踊りがうまくなりたい! という一心で日本を飛び出し、ニューヨークへ行きました。大人になってからも、何か一歩を踏み出す時はいつも踊りがセットになっていますね。今思い返してみると、世界に飛び出す感覚って、子供の頃の冒険心と似ているなと思います。「この川ってどこまで続いているんだろう…?」って思ってチャリで自分の街を飛び出す、みたいなあの感覚。それが地球規模になっただけかなと。

キューバでの衝撃と興奮

ーダンスで世界をつなげるプロジェクト「DANCE EARTH」を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

15年という長い間HIPHOPをやってきたなかで、逆にアメリカのHIPHOPがあまり届いていない所に行きたいと思い、2006年にキューバへ行きました。自分の踊りを違うふり幅に持っていきたかったからです。キューバで道を歩いていたとき、僕がダンサーだと知っている人は誰もいないはずなのに、なぜかノリノリで絡んでくる人たちがいたんですよね。ビートボックスを口で奏でながら、いきなりラップを歌ってきて、そこで突然セッションが始まったんです。洗濯物干してるおばちゃんも「ヒュ~!」ってノッてきたり、瞬く間に路上がステージになっちゃいました。その衝撃と興奮が忘れられなくて! 「旅って、ダンスって、こんなこと起こっちゃうんだ!」っていう衝撃でしたね。こんなことが世界中でできたら本当に楽しいんだろうなぁと思ったのが、「Dance Earth」をライフワークとして始めたきっかけです。

世界はみんな温かいもので繋がっている

ー世界では路上でいきなり踊りだすことも不自然ではないですよね。踊りを通して伝えたいものはありますか?

たくさんあるんですけど一番は、EXILEの信念「LOVE,DREAM,HAPPINESS」をエンターテインメントを通して伝えていく、というのが僕個人の中でも中心にあるものですね。

いつも書籍の最後に「ONE WORLD, ONE LOVE」という言葉を書いて締めているのですが、最初は肌の色とか国境を越えたいっていう想いからだったんです。でも今は、越えるっていうよりも「世界はみんな、心の底の温かいもので繋がっている」というじんわりとした繋がり方を伝えていきたいと思っています。

ー「ダンスに言語は関係ない」と本にも書いてありましたが、例えばビートボックスを奏でている人がこっちへ来たら、どういう風にダンスが始まっていくのですか? 目で通じるものがあるとか…?(笑)

相手は僕がダンサーなんてことは知らないですからね(笑)。ダンサーだからとか、そういったことは多分関係ないんでしょうね。「見たことないやつが来た! やってみよ!」みたいな感覚だと思います。手拍子とか足踏みとかだけでも、その場に参加したことにはなるし、十分成立してるんだと思います。その後すぐにハイタッチをしてラムで乾杯したので、誰がその道を通っても同じような展開になっていたのかもしれませんね。

ブータンでは「踊り=祈り」

ー逆にダンスで通じ合うのが難しかったという経験はありますか?

苦戦したのはブータンのお祭りで踊ったときですかね。仏教の国だから、「踊り=祈り」という意識が強く、人々を幸せにしようっていう考え方なんです。一曲が30分~1時間くらいあって、それを覚えるだけでも大変でした。標高2000mの田んぼでひたすら練習してたら標高が高くていつもより疲れるし、足の裏は痛くなってくるし…。でも何とか頑張って、やっと振付を覚え始めたときに、こう言われたんです。「あなたの踊りには祈りがない」って…。それ聞いて、もう「ガーン!!!!!」って(笑)。かなりショックでしたね。

踊りで祈ったこともないし、神様がどこにいるかもわからないので、これが一番、壁にぶち当たった経験ですかね。でも落ち込みながらホームステイしている家に帰った時に、家の人が「大丈夫。あなたなら絶対できる」ってめちゃくちゃニコニコして言ってきたんですよ。何で出会ったばっかの俺のことをこんな信じられるのか不思議でしょうがなくて。その次の日も、お寺のお坊さんや村人も皆「大丈夫」って言うんですよ。

そもそも海外から来た人が伝統的なお祭りで踊るなんてこと自体が前代未聞で、村人たちのテンションも自然と高まっていたらしいんです。それを聞いて、「今回の使命はこの人たちを喜ばせることなんじゃないか?」と思って踊ったら、「それが祈りだよ」って言われました。その時、「ああ、なんでこんなことに気が付かなかったんだろう…祈りってそれでいいんだ」って思ったんです。大切な人を幸せにしたい、愛を伝えたいって思うことが、結果的に祈りに繋がっているというすごくシンプルなことに気が付きました。大きな壁だったけど、乗り越えてよかったなぁと思います。

世界に出て体験したことで変わった価値観

ーシンプルだけど一番大事なことかもしれませんね。こういった考え方は発展国にいると忘れてしまいがちな気がします。この体験後に踊りに対しての意識の中で、何か変わったことはありますか?

たくさんあります。HIPHOPの魅せ方って「俺カッコイイでしょ?私イケてるでしょ?」って自分に矢印が向いているんですよ。それもカッコよさではあるんだけど、そのような自分中心的な考え方から「見ている人に自分がどれだけエネルギーを与えられるか」という精神になっていきました。それは見ている人が1人でも、5万人でも変わらないことです。そういった意識で踊れるようになったのは、旅で得たものがあったからかもしれません。

(次回の「旅の価値観編」に続く…)


(インタビューアー: ワンダーラスト 代表堀江,  ライターKANA

[USA: 2001年「EXILE」のPerformerとして、「Your eyes only~曖昧な僕の輪郭~」でデビュー。Performer以外にも、2006年6月、舞台「The面接」に出演、劇団EXILEでは2007年の「太陽に灼かれて」、2008年の「CROWN」に出演するなど、役者としても活躍。2009年「北の国から」の杉田成道氏 演出・芥川賞作家 唐十郎氏作品 舞台「蛇姫様-わが心の奈蛇-」にて初単独主演をつとめた。さらに、本場NYのダンサーの実力にも劣らない独特のダンスセンスを持つUSAは、日々”DANCEのROOTS”を追求。2008年より「ダンスは世界共通言語」をテーマに、DANCE EARTHの活動を開始し、書籍、絵本、映像作品の制作、音楽ユニット「DANCE EARTH PARTY」を結成するなど様々な形で自身の想いを発表している。2013年「DANCE EARTH JAPAN」と題し、日本全国の祭りに参加し日本の踊りを巡る旅をスタートさせる。また子どもたちに自然を感じながらダンスを楽しんでほしいという想いを込めて、自然体験型ダンスプログラムである「NATURE DANCE CAMP」を全国各地で開催。NHK Eテレで放送中の子どもたちにダンスを楽しくわかりやすく教える番組「Eダンスアカデミー」では主任講師を務めている。]

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