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美容院の不注意で盗まれた振り袖。どう対処すればよいでしょうか?

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Q.

 姪が成人式なので「(私の)振り袖が着たい。」と頼まれて、貸しました。ところが、預けた美容室に泥棒が入り、振り袖や帯、襦袢、小物一式を全て盗まれました。返してもらえる訳ではありませんが、勤労学生時代にローンで買った私にとっては、思い入れも深く、悔しくてたまりません。美容室の対応も悪く、2ヶ月が経過しましたが、まだ、事件の説明も聞けていません。どのように対応したら良いのか、どれほどの補償が妥当なのか、解らず困っています。

(40代:女性)

A.

 苦労して手に入れられ、思い出もたくさん詰まっている振り袖を盗まれたら、私でも悲しくて悔しくなると思います。なんとか戻ってくればと思いますが、盗難されたということであれば、おっしゃるように現物が戻ってくることは難しいかもしれません。
 善後策としては、美容院側へ補償を求めることが挙げられます。法律的には何がしかの方法で、損害賠償請求をすることになります。

 大きくは次の2つの考え方があります。
 まず、美容院が着付けを行うまでの間振り袖一式を適切に保管しておくことも、着付けを行うという契約の一部であるととらえ、保管義務を怠り、振り袖一式が盗まれたことを債務不履行(義務を果たさなかった)であると考えます。そして、債務不履行に基づく損害賠償請求を行うという方法です(民法415条)。
 もう一つは、美容院側の過失(不注意)で、ご相談者様の権利を侵害した(振り袖という財産を逸した)として、不法行為に基づく損害賠償請求を行う方法です(民法709条)。
 上記は、法律的な手法の違いであって、終局的には損害賠償請求として失った財産の補償を求めることになります。
 なお、商法594条では、「客の来集を目的とする場屋の主人は、客より寄託を受けたる物の滅失または毀損につきその不可抗力たることを証明することにあらざれば損害賠償の責を免れることを得ず」とされています。簡単に言えば、考えられるあらゆる予防策を講じた場合でなければ、お客様から預かったものを無くした責任を免れないということです。通常、防犯などについて尽くすべき注意を尽くしていないということになるため、ご相談者様には有利な事情になると思われます(ただし、美容院に同条が適用できるかは議論があり、注意が必要です)。

 では、金額としては幾らを請求すべきでしょうか。この点は、購入時の価格でよいと思われます。美容院では、お客様へのサービスを提供中にケガをさせてしまったり、預かっている品をなくしたことについて保険に加入しているところもあります。こうしたものが利用可能かも確認しておいたほうがよいと思います。保険加入していれば、補償について話を切り出しやすいでしょう。
 ただ、仮に訴訟に発展した場合、購入当初の価格ではなく、使用に伴う価値の減少などを考慮された金額で落ち着くと思われますのでご注意ください。また、訴訟に発展した場合、訴訟費用や代理人(弁護士など)の費用などがかかるため現実的ではありません。
 そのため、お店側に対して不注意で盗難された点を指摘して、賠償を求めていくのが妥当ではないかと思います。

 もっとも、交渉自体が難航しそうだという場合は、弁護士などを頼るのも方法の一つです。訴訟に発展させず、交渉を代行してもらうということを行ってくれるケースもあります。
 思い出が詰まった振り袖が盗難にあった点は悔しいと思いますが、どうか納得いく解決となるようにお祈りしています。

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美容院の不注意で盗まれた振り袖。どう対処すればよいでしょうか?

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