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乙武洋匡「勉強は後から取り戻せる」

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教育について、地域社会について、日本の未来について…ここ数年の乙武洋匡さんは、様々な意見を持つ人たちと対話し、発信することが増えている。そんな彼に最近の高校生の印象を聞くと、「今の高校生は、僕らの時代と比べものにならないくらい、社会に対する意識が高い」という。その理由もなんとなくわかるそうだ。

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「ギリギリ僕の世代までは、まだ経済も好調で社会が安定していたから、社会がどうこうよりも自分が何をしたいのかを優先できていました。でも、今の高校生には『日本はヤバい』『この社会をどうにかしないと、やりたいことをやれるような環境じゃなくなる』という危機感がある。それが、彼らの当事者意識につながっていると思うんです」

自分がこの社会の一員であるという意識と責任感。それを乙武さんが持ち始めたのは、20代も後半になった頃だったそう。では、高校生の頃は、どんなことを考えていたのか?

…意識の多くを占めていたのは、「恋愛」という難問である。

「恋愛はしておいてよかったと思いますね。受験勉強でがんじがらめになって、恋愛、もっといえば失恋をせずに高校を卒業していたら、絶対にマイナスだったと思います。僕は、好きになったら自分から積極的に攻めるタイプ。高校2~3年生のときはずっと同じ子が好きだったので、なぜ振り向いてくれないんだろうとか、モテない自分についてとか、いろいろと考えさせられました」

高校時代はアメフト部のマネージャーもやった。文化祭では助監督として映画も制作した。それぞれ様々な気づきや発見があったが、恋愛から学んだことは、それに劣らない。

「一番大きいのは、どんなに努力してもどうにもならないことがあると、身に染みて実感できたこと。たとえば勉強って、努力は必ず実るようなイメージがあるし、実際、地道にコツコツやると少しは点数が上がります。がんばればなんとかなるんだっていうことがわかりますよね。ところが恋愛はまったく逆で、がんばるほどに空回りしたり、相手に嫌われたりもする。世の中には思い通りにならないこともあるってことは、社会へ出る前に知っておくべきです」

こういう経験は、思春期のうちに済ませておいた方がいい。一方で、「勉強は後からでも取り戻せる」というのが、乙武さんの持論だ。

「もちろん違う考えの方もいるでしょうけど、勉強が好きでもないのにやらされたところで身が入らないと思うんです。僕も現役の頃は漠然と弁護士になれたらいいなと思っていたけど、その先で何を実現したいかということを考えていなかった。成績は、数学のテストで200点中7点を取るほどひどかったです。でも、具体的な目標や、これについて勉強したいという明確なモチベーションを持てば、乾いたスポンジが水を吸収するように知識は入ってきます」

乙武さんは、1年間の浪人生活ののち、やりたいことを探すために早稲田大学へ進学した。その後、社会経験を経た29歳のとき、教員免許を取るために大学に入りなおしている。内側から教育を変えたいという目標ができたからだという。

「極端な話、大学へ行くという選択肢だけにとらわれず、NPOで活動しながら目標を探してもいいわけです。答えに至らなかったとしても、自分が何のために高校にいるのかを問い続けてほしいですね」

●乙武洋匡(おとたけ・ひろただ)
1976年生まれ。早稲田大学在学中に『五体不満足』を出版。卒業後はスポーツライター、小学校教諭を経て2013年に東京都教育委員に就任。新宿区の清掃活動を行うNPO「グリーンバード新宿」の立ち上げや、地域での子育てを掲げる「まちの保育園」の経営に携わるなど、幅広く活動している。2015年4月から1年間、政策研究大学院大学(GRIPS)に進学予定。

(宇野浩志=取材・文)
(R25編集部)

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