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完全歩合で月収500万円!? 驚異の営業マンの意外な経歴

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 企業には、それぞれ独自の「経営理念」があり、その理念とは企業の哲学であり存在意義です。
 ただ、いかに立派な理念を掲げていても、売上がなければ空念仏。ということで、「経営理念」とは日々の売上ノルマの前ではないがしろにされがちです。
 そんな中、住宅販売とリフォーム事業を展開するリアンコーポレーションを経営する五嶋伸一さんは、自身の著書『儲けることばかり考えるな!お客様が涙で感動する仕組み――売上150%アップは当たり前 住宅販売全国1位の秘密は「皆生感動システム」』(コスモ21/刊)のなかで「お客様の幸せを第一に考え、感動を提供する」という企業理念を挙げ、この理念を単なる理想ではなく本気で実現するために取り組んでいます。
 「理想論」で終わりがちな経営理念ですが、五嶋さんはどのようにこれを実現させてきたのでしょうか。ご本人にお話を伺いました。注目の後編です。
 
――かつては五嶋さんも「売上至上主義」だったとおっしゃっていましたが、そこから「皆生感動システム」に代表される今の考えになるまでにどんな転換点があったのでしょうか。中学生の頃は暴走族に入って、卒業後はとび職、そこから営業マンとして大成功するなど、本を読むと波乱万丈の人生を歩んでこられたことがわかりますが。

五嶋:暴走族は17歳くらいまでですね。当時はとび職をやっていたんですけど、どんなにがんばっても月に100万円くらいしか稼げなかったんですよ。

――月収100万円とはすごい額ですが、不満だったんですか。

五嶋:100万円と言っても、休みもなく寝ないで働き続けてそれくらいなんです。当時20歳前後で若いからそういうことができたんですけど、これを40歳までやれるかといったら無理でした。肉体労働ですから疲れるし、やっぱり危ないんですよ。これはずっと続ける仕事じゃないなということで、住宅リフォーム会社の営業マンに転職しました。

――「営業マン」っていうのはパッと思いついたんですか?

五嶋:そうですね。学歴が必要ないし資格もいらないというのが大きかったです。売ればいいわけで。

――その「売る」で多くの営業マンが苦しむわけですが、五嶋さんはすぐに成果が出たそうですね。

五嶋:すぐでしたね。暴走族もそうですが相当悪いことをしてきましたので、そういうところで言われる先輩からの無理難題に比べたら簡単だと思えたんです。全然怖くないじゃないですか、売れなくたって殴られるわけじゃないんだし(笑)
だから、楽勝だなっていう気持ちの方が強かったですね。覚えているのが面接の時のことで、「売れなかったら給料ゼロだよ」というようなことを言われたんですよ。

――完全歩合だったわけですね。

五嶋:完全歩合です。でもこっちは売れなかった場合のことなんて全然考えてなくて「売れたら売れた分だけちゃんとお金がもらえるんですよね?」ということが心配だった。だから、全然話がかみ合わないんですよ。「売れなかったらゼロだよ」「売れたらもらえるんですよね?」っていうやり取りになってしまって。結局「じゃあとりあえずやってみます」となって始めたらやはりすぐ売れましたね。

――話によるとあまりに売るものだから給与改定があったとか。

五嶋:3回くらいありました。本当に完全歩合で計算すると月収500万円くらいになってしまうことがあったのですが、そうなると会社も払いたくなくなってくるんですよ。だから途中で支店長になってくれと言われたんですけど、要は固定給にしたかったんですよね。完全歩合だと給料がとんでもない額になるから。

――当時の部下の指導法はどんなものだったのでしょうか。

五嶋:支店長になった時点でまだ23歳ですからね。23歳できちんとマネジメントできる人なんていませんよ。まだヤンチャでしたから言うことといったら「寝ないで働け!」くらいのもので。「なんで俺ができるのにお前はできないの?」とか。

――それは相当怖い上司ですね。

五嶋:なんの理論もありませんでしたからね。だからたくさん部下は辞めていきました。30人くらいいたのに最終的には事務員さんと僕くらいしか残らなかったりして。

――そこまで辞めてしまうと、会社から何か言われないですか?

五嶋:言われませんよ。辞めた人の分も僕が売上を立てていましたから。「人件費が浮いていいじゃないか」くらいに思っていました。ただ、そういうやり方にも結局は疲れてきてしまうんですよね。
お金ならもう十分あるわけで、なんでこんなにがんばって稼ごうとしているんだろうという葛藤が出てきてしまったんです。がんばればがんばるほど家族と過ごす時間がなくなって溝ができてしまうのでは、お金があっても幸せとは言えません。
それに気がついたところで、会社を離れて独立したのですが、その会社で、売上ではなく“おもてなし”を営業目的の最上位に置こうという企業理念を掲げました。でも、最初はただ理想論を掲げただけに近くて、その理念通りの活動はできませんでしたね。

――スタッフに浸透しなかったということですか?

五嶋:というよりも、現実の経営はそう甘くなかったということです。どんな理念を掲げても、やはり日銭を稼がないといけませんから売上を優先させざるを得ない時もある。理念通りに経営できていない自分がいました。3年前に新築住宅の販売事業を始めてから、ようやく理念に現実が追いついた気がします。ここが、さっきの質問にあった「転換点」だったと思います。

――その「転換点」のことについて詳しくお聞きしたいです。

五嶋:理念を掲げたのにその理念通りにやっていないのでは嘘をついたり誤魔化したりしているのと一緒です。だったら理念なんて最初から掲げずに「お金儲けのための会社です」と言ってしまったほうがまだ素直でいい。このままの状態が続くなら、会社をやっている意味がないなと思ったんです。
だから、新しく新築住宅事業を始めるタイミングで、理念通りやってみることにしたんです。それで経営が立ち行かなくなるようだったらそれはもう仕方がないという覚悟で。

――勇気のいる決断です。

五嶋:その時に歩合給をやめたんですけど、12人くらい辞めていきましたね。やっぱり歩合給の会社だと「売って稼いでやろう」とギラギラした人が集まってくるので、そういう人とは会社の方向性が合わなくなってしまった。でも、それは会社にとってはいいことだと思っていました。そうでないと会社が変わっていかないので。
幸い、この路線変更に共感してくれるスタッフもいましたし、新規住宅の事業が伸びたので、結果的には売上が10億円くらい増えました。これは自信になりましたね。

――多くの会社が「顧客第一」的な理念を掲げていながら、やはり「理想」で終わってしまいます。この状態を変えるにはどんなことが必要になりますか?

五嶋:一番はお客さんの「ありがとう」という声だとか手紙だとかが集まるようにシステム化してしまうことだと思います。
お給料が上がると確かにうれしいのですが、それで満たされるかというと必ずしもそうとはいえません。それよりも人の役に立ったとか、誰かに心から笑ってもらった時に仕事のやりがいを実感するものです。こうした実感を得やすいようにお客さんの「ありがとう」が集まる仕組みを作っていけば、理念に近づいていくことができますし、いずれは売上にも必ずフィードバックされます。

――しかし、理念に忠実に会社を運営していくとしても、現実的な「お金」の問題はつきまといます。売上が振るわない時、経営者は会社にどういう働きかけをすべきでしょうか。

五嶋:僕ならダイレクトに言います。たとえば、出ていくお金が1億円で、売上が8000万円だと2000万円マイナスで、これはまずいからがんばろうね、という話はしますね。それで、がんばってもらったお陰で帳尻があったら、その時はまたちゃんと報告します。
でも、赤字が続くようなら雇い止めをするなり、現実的な対処は必要です。生産性の低い人に対しても可能な限り待たないといけないんでしょうけど、待てないこともあるでしょう。そういったことも常日頃から話していますね。

――最後になりますが、読者の方々にメッセージをお願いできればと思います。

五嶋:最初にお話したように、この本に書いたことが今後不動産業界や建築業界のスタンダードになるように、広げていきたいと思っています。Facebookなどで読んでくださった方々と交流していきたいので、ぜひ友達の申請をしていただきたいですね。
「皆生感動システム」について、もっと知りたいと思っていただけたなら、企業研修もやっていますので、参加していただければくわしくお話できると思います。
(新刊JP編集部)


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