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「なでしこ銘柄」に3年連続で選定、さらに「2015 J-Win ダイバーシティ・アワード」大賞受賞。KDDIの女性活躍推進への取り組み

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「女性活躍推進企業」としての積極的な取り組みが評価

KDDIは、「女性活躍推進」を積極的に推進する企業として2つの栄誉を受けた。

まず、3月18日に発表された2015年度「なでしこ銘柄」に選定された。「なでしこ銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が共同で、東証一部上場企業の中から、女性活躍推進に優れた企業を選定するものだ。選定は、東証1部全上場企業約1,800社のうち、女性のキャリア促進に関する実績を開示している企業を候補とし、公開情報に基づき、女性活躍、財務指標の2段階の審査で行われた。KDDIは、2013年度から3期連続して選定された。

これに先立つ3月6日には、「2015 J-Win ダイバーシティ・アワード」の大賞を受賞した。企業におけるダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援することを目的に設立された特定非営利活動法人ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク(NPO法人 J-Win)が、ダイバーシティ&インクルージョン(多様な人財の価値を認め、尊重することで、その力を生かすこと)を推進し、女性リーダーを継続的に輩出している先進企業を表彰するものだ。大賞は最も優秀と認められた企業に贈られ、通信事業者としては初の受賞となる。また、「なでしこ銘柄」と「 J-Win ダイバーシティ・アワード」のダブル選定は、KDDIとしては史上初の快挙だ。

「2015 J-Win ダイバーシティ・アワード」

2015年度「なでしこ銘柄」

社長直轄のプロジェクトで女性の働きやすい環境構築を推進

KDDIは、会社として目指す姿や、その実現のための考え方、価値観、行動規範を示した「KDDIフィロソフィ」の「第1章 目指す姿」の1項目として「ダイバーシティが基本」を掲げ、性別・年齢・国籍・障がいの有無・信仰など、多種多様な個性や価値観をお互いが尊重し、理解し合うことが、会社の持続的な成長に不可欠であると明記し、全社でダイバーシティを推進している。

そもそもKDDI自体が合併を繰り返して成立した企業であり、17社の異なる企業文化が融合した「ダイバーシティ企業」であることに加え、携帯電話ユーザーの半数が女性であることもあり、女性の活躍推進が企業の持続的成長に欠かせない喫緊の課題と捉えている。

女性の活躍推進には2005年頃から取り組み始め、第1ステップとして、女性が働きやすい環境作りや女性社員自身への意識醸成を行った。育児休業制度改定、在宅勤務(テレワーク)のトライアル運用などの制度整備に加えて、2007年には、社長直轄の女性活躍推進プロジェクト「Win-K(ウィンク)」を発足。職場の意識調査や女性社員の意識啓発活動、出産・育児休暇中の社員やその上司それぞれに対する復職フォーラム等を実施してきた。2008年には人事部内にダイバーシティ推進室を設置し、女性の活躍推進に加えて、多様な働き方や障がいのある社員の活躍などのテーマに取り組んでいる。また、「サステナビリティレポート」やKDDIホームページの「CSRサイト」を通じて、情報開示にも力を入れている。

KDDIの女性活躍推進の取り組み沿革

第2ステップとして女性リーダーの育成・登用を推進

テレワークでは、2011年6月に、BCPの観点から設備を拡大し、自宅のPCをシンクライアント(表示と入力のみを行えるクライアントPC。ファイルやアプリケーションはサーバ上のものを利用するため、データがクライアントに保存されることはなく、セキュリティに優れる)として、オフィスのPCと同じ環境で仕事ができるようにした。サーバ上の資料はもちろん、オフィスのPC内のファイルまですべて扱えるようになっている。対象社員に限定はなく、所属長が承認すれば利用できる。テレワークのアカウントを持っている社員数は約7,000人と、全社員の6割以上に達している。

3月6日、「2015 J-Win ダイバーシティ・アワード」の授賞式にて。KDDIで活躍する女性社員

そして2012年からは、第2ステップとして、女性リーダーの育成・登用に取り組み始めた。2015年度にライン長(組織のリーダー職で、人事評価の権限を持つ管理職)に女性90名(女性ライン長比率7%)を登用するという数値目標を掲げ、女性ライン長登用プログラム(LIP)を開始した。集合研修やロールモデルとなる女性管理職とのコミュニケーションなどを通して、候補者を選抜・育成していくプログラムだ。LIPを通して、女性ライン長は現在54人となっている。また、女性管理職育成にも努めており、昨年10月には40人の女性社員が管理職に昇格。現在、女性管理職は178人となっている。

女性活躍推進をさらに加速

2014年度のKDDIの女性活躍推進のトピックをいくつか紹介したい。

2014年度は、経営トップが、女性活躍推進への取り組みをさらに明確に表明する機会が増えた。田中孝司社長がマネジメント層に対して発信するだけではなく、11月13日には、全国から女性社員約200人を集めて、女性活躍推進を経営課題と捉えていることを、直接、熱く語りかけた。参加者の実に9割が女性リーダーの育成・登用に共感した回答をし、その効果は絶大だった。

女性活躍推進の推進役である人事部も新たな取り組みに着手。まず、女性社員約200人に面談をし、個々の不安や課題に耳を傾けた。さらに、人事部長とダイバーシティ推進室室長が30を超える本部長と面談するなど、「現地現物」のポリシーのもと、直接現場と向き合った。各部署からは、女性に活躍してもらうためにはどうしたらよいかという前向きな相談が多く寄せられるようになった。現場の意識も確実に変わり始めているのだ。

さまざまな分野で活躍する女性社員たち

2011年に新設した職位である役員付補佐の成果も現われ始めている。役員補佐は、5名の取締役に男女2~3人ずつの補佐が付き、文字通り役員のサポートをするとともに、役員の仕事への姿勢や業務内容を体験的に学ぶ制度だ。これまでに補佐を経験した女性10人は、すべてライン長になっている。ネットワークの運用にあたるモバイルオペレーションセンターのライン長に転任した女性や補佐経験後、部長に昇進し、産休・育休を取得している女性もいる。

2012年まで初代付社長補佐を務めた矢野絹子は、宣伝部長に転任。同部が担当するCMにおいては、2013年10月に月間CM好感度ランキング(CM総合研究所調べ)で7年ぶりに首位を奪還した。桃太郎、浦島太郎、金太郎が、”あたらしい英雄”を演じる「三太郎」シリーズを放送開始した今年1月に首位となり、2月には、好感を受けた人の割合を示すスコアが648.7‰と、歴代最高を更新。さらに、10代〜60代の男女、すべての層で好感度1位となった。矢野は、役員付補佐を経験した意義をこう語る。

「それまであまり異動したこともなく、コンシューマ分野の部署にずっといたのですが、役員付補佐を経験することで、会社の中のいろんな部門の方々に出会うこともできましたし、会社の中でものごとがどう決まっていくのかも初めて知ることもできました。それにより、サービスや商品がどこの部署でどのような思いで作られているのかを理解した上でコミュニケーションを考えることができ、とても貴重な経験だったと思っています。小さいお子さまからお年を召した方まで、幅広く好感を持っていただけることを心掛けていますが、女性から見てもいいなと思える感性を加えていきたいと思っていますので、三太郎シリーズにもそういった面が出るように心掛けています」

ハイライト2 Diversity
女性の活躍を推進する環境で活動領域を広げるチャンスを得ました。
コミュニケーション本部 宣伝部長 矢野 絹子


3月5日、au 新CM発表会に登壇し、”三太郎シリーズ”の新CMを紹介するKDDIの矢野絹子宣伝部長

経営層にも、女性が進出した。財務・経理部長の最勝寺奈苗が理事に就任し、KDDI初の女性役員となった。最勝寺は、一般職で旧DDIに入社し、同社初の総合職転換、初の育児休業取得と、まさに女性活躍のフロンティアを切り開いてきた。

最勝寺奈苗 KDDI 理事 財務・経理部長(当時)

自ら道を切り開き、KDDI初の女性役員に

また、異業種7社合同プロジェクト「新世代エイジョカレッジ(エイカレ)」に参画し、4人の女性社員が参加した。各社から選出された営業職の若手女性社員たちが、約半年間のグループ活動を通じて、営業職の女性が抱える課題を考え、各社の営業部門役員に向けた「提言」を行った。エイカレでは、参加した社員たちの成長に加え、提言へ向けた調査等に上司たちも巻き込むことにより、営業各部署での女性活躍への理解も深まったという。

異業種7社合同プロジェクト「新世代エイジョカレッジ(エイカレ)」参加者と事務局メンバー

営業で女性がより輝くためには? 女性たちが考える異業種合同プロジェクト「新世代エイジョカレッジ」がスタート

自ら変わることの大切さを伝えたい 「新世代エイジョカレッジ」発起人のリクルートホールディングスに聞く女性活躍推進の未来

営業女子(エイジョ)が、未来の「働き方」を変える――7社の営業職女性が経営層にプレゼン――「新世代エイジョカレッジ」最終報告会レポート

「漠然とした不安」から「私が変える!」へ――「新世代エイジョカレッジ」参加メンバーに聞く、営業女子のキャリア追求の可能性――

新たな分野のダイバーシティ推進へ

女性ライン長90人という数値目標の期限である2015年度末まで、あと1年。女性ライン長、管理職が生き生きと活躍できる制度や土壌を作ることがこれまで以上に重要になってくるが、それに加えて、KDDIでは、管理職登用の次の課題に向けた取り組みの検討が始まっている。

女性管理職登用への取り組みを通して見えてきたのが、結婚・出産等のライフイベントを経験する前の20代の社員たちに、どう意識付けをしていくかという課題だ。初期キャリアのうちに仕事の醍醐味を体験した社員は成長を続けていっていることがわかってきたためだ。若手社員だけでなく、担当する仕事を差配する管理職の意識も合わせて変えていくための施策を模索し始めている。

また、育児中の社員の生産性向上にも着目している。現在、KDDIの女性社員のおよそ1/4に未就学の子どもがいる。彼女たちの活躍なしには女性活躍が進まないためだ。時間や場所に制約のある社員が活躍し、成果をあげられる環境を作り上げることは、出産・育児だけでなく、介護を抱える社員や障がい者、高齢者等にとっても働きやすい環境整備につながることは言うまでもない。KDDIのダイバーシティへの取り組みは、次のステップへと進み始めている。

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