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入学式欠席教諭批判の尾木ママ「僕が古くなっちゃったのか」

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 埼玉県の県立高校の女性教諭が、我が子の入学式を優先し、勤め先の入学式を欠席したことが大きな話題となったが、この行動に対し、世論は非難囂々ではなく、理解できるなどの容認論が続出している。埼玉県教育委員会に寄せられた意見では「女性教諭への理解」が44%で、「批判や苦情」の23%を大きく上回った。

 かつて20年以上、中・高の教壇に立った経験を持つ“先輩教師”で、教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹氏は、この担任の家庭事情など背景が明らかでないことに留意しながらも、こう話す。

「完全な職場放棄ですよ。僕が現役の教師時代に同じことをしたら、校長や同僚から白い眼で見られたはず。そもそも、休暇届を出そうという考えすらありませんでした」

 担任不在を正当化する意見に対し、尾木氏は入学式の意義を強調する。

「入学式は単なる儀式じゃない。教室で初めて顔を合わせる生徒1人1人を、じっくりと見る日です。うつむいている子がいると、“もしかしてあの子は第一志望に落ちて、落ち込んで入学してきたのかな”とか、反対に目を輝かせている子は“クラブ活動を楽しみにしているのかな”とか、生徒の個性を汲み取る大切な場なんです。

 自分の息子の入学式を欠席したとしても、後から息子1人にそのケアをするのは簡単です。でも、クラスにいる30~40人、しかも他人様の子供たちに対して、式を休んだことでいきなりできた溝を埋めるのは大変なことですよ」

 尾木ママはブログでこの担任の行動を『ありえない』と批判した。すると非難が殺到し、ブログは大炎上。

「女教師は子供を産むなというのか、“尾木ママ”なのにママの気持ちがわからないのかといわれてしまいました。そんなこといっていませんし、全く論点がすり替わっています」(尾木氏)

 また、来賓として入学式に出席していた江野幸一県議もブログで非難コメントを出したが、「時代錯誤」などと批判され、中には「死ね」という脅迫まがいの言葉まであった。

 批判意見の中には、「子供の入学式にも参加できない公務員は“ブラック企業”ではないか」というものもあった。だが公務員は「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」(憲法15条)と規定されるように、他の職業よりも高い倫理観が求められている。

 尾木氏もこう指摘する。

「公務員として教師の職業倫理は警察官などと同様、高くあるべきです。東日本大震災で、防災無線で最後まで避難を呼びかけ続けて、津波で亡くなられた町職員や、避難誘導で犠牲になった警察官の方がおられましたが、教師とて同じことです。そんなとき、自分の子が心配だからと帰るわけにはいかないんです」

 世間とのズレを「ここまで感じたことがなかった」と困惑する尾木氏が続ける。

「最近は大学の入学式に親がついていくことも増えましたが、背景には子離れできない親の現状があります。この担任だって、子供も高校生ですから、教師という仕事の重さをいって聞かせればわかる年齢のはずなんです。でも、そういうと“親が息子の入学式に行くのは当たり前”の一点張りで批判されちゃう。僕が古くなっちゃったのかなァ……」

※週刊ポスト2014年5月2日号


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