ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

免震装置のゴムの不適合問題発覚! 我が家のマンションだったら?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

【今週の住活トピック】
「東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料の大臣認定不適合等について」/国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000539.html

建築・不動産業界を震撼させる事実が発覚した。東洋ゴム工業の免震装置に使われるゴムが、国の認定基準に適合していなかった問題だ。マイホームも対象外ではない、超高層のマンションでは免震構造が採用されている事例も多い。分譲マンションの場合はどう考えたらよいのかに絞って、今回の不適合問題を掘り下げてみよう。国の認定基準を満たさない不適合の免震材料はマンションにも影響

国土交通省では、同社が認定を不正取得した結果、認定基準に適合しない免震材料(東洋ゴム工業製高減衰ゴム系積層ゴム支承)を販売していたとの報告を受けて、認定の取り消しをしたうえで、次のような指示をした。
・認定不適合の免震材料が設置された建築物の所有者に説明し、構造安全性の検証を行うこと
・構造安全性の検証を踏まえ、必要なものについては免震材料の交換・改修等を実施すること
・同社の他の大臣認定についても法適合性を確認すること
・徹底した原因究明を行い、再発防止策を検討すること

不適合と判明した免震材料が販売されたものは2052基あり、55棟の物件が対象になると公表されている。国土交通省は3月17日には、対象となる建築物のうち、庁舎、病院、複合施設など不特定多数の出入りがあり公共性が高いものについて、物件名を公表(3月19日に民間病院を追加)した。

公表されたものを見ると、関東・甲信越、東海、近畿、四国と広範囲にわたっており、災害時にいち早く活動しなくてはならない役所、消防署、警察署や大型病院などの名前が挙がっている。

それ以外の建築物については物件名が公表されていないが、共同住宅が25棟あることが公表されている。「共同住宅」とは、マンション・アパートなどのこと。超高層の分譲マンションもこの共同住宅の分類に含まれる。

地震の際に建物が横に揺れるのは、建築物の高層に行くほど大きくなる。そのため、超高層の建築物では、免震装置を取り付けた免震構造にする事例も多い。免震構造とは、建物と地盤の間に、緩衝材の役割を果たす免震装置を取り付けることで、地震の揺れを直接建物に伝えないようにするもの。この免震装置を構成する要素として積層ゴムが使われる。

通常の耐震構造に比べると、室内の揺れが小さいとされている免震構造だが、免震装置などさまざまな建築コストがかかるうえ、定期的なメンテナンスの費用もかかってくる。このため、超高層の建築物など揺れが大きく、かつ、コスト分散が図れる大規模物件で採用されるのが一般的だ。共同住宅でいえば、超高層マンションでの採用事例が多い。

同社が公表した資料によると、幸いなことに、3月13日時点で対象物件の被害は確認されていないという。

【画像1】免震構造と非免震構造の違い。東洋ゴム工業「当社が製造した建築用免震積層ゴムの国土交通大臣認定不適合等について」より抜粋品確法の瑕疵担保(かしたんぽ)責任により、売主に対応を求める

では、自分のマンションが不適合の対象になった場合は、どうしたらよいのだろう?

公表された資料によると、不適合な免震材料が納入された期間は、2004年7月~2015年2月となっている。「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)の施行が2000年4月なので、これ以降に建築されている点がポイントになるだろう。品確法は、新築マンションの売主に、基本構造部分の瑕疵担保(かしたんぽ)責任を10年間負うように義務づけているからだ。

瑕疵担保責任とは、引き渡しの時点で知らされていなかった重大な欠陥のこと。免震装置の性能不足は、これに該当するので、マンションの売主が欠陥の補修または損害賠償をすることになる。東洋ゴム工業は、構造安全性が確保されない建築物については、免震材料の交換をするとしているので、売主となる不動産会社などが同社に交換を求めるなど、構造上の安全確保のための適切な対応をするはずだ。

10年間の瑕疵担保責任は、実は中古で購入した人には引き継がれない。しかし、免震装置などの基本構造部分はマンションの共用部分に該当するので、引き継がれないことの影響はないだろう。

また、納入開始が2004年7月であるが、超高層マンションは着工してから引き渡すまでに1年半以上かかることが多いので、売主が引き渡してから10年を超えている物件があるとは考えにくい。万一、瑕疵担保責任の10年間を過ぎている場合であっても、これだけ影響の大きい問題なので、売主がそれを理由に捨て置くということはないだろう。まずは、売主の不動産会社に対応を求めるのが原則だ。

では、どうやって免震装置を交換するのだろう?
免震装置の耐用年数は60年~80年といわれており、免震装置は取り換え可能な状態で設置することになっている。一般的には、ジャッキで建物ごと上げて(浮かせて)、免震装置を取り替えて、元に戻すという方法になる。

こうして交換ができる場合でも、免震装置の交換には相当の費用がかかるので、その負担をどうするかが問題だ。マンションの購入者→売主の不動産会社→施工した建築会社→納入した東洋ゴム工業という形で、責任を追及することになるので、最終的には東洋ゴム工業が負担することになると思われる。交換が必要となる物件数がどの程度あって、交換費用を同社ですべて負担できるのかなどが気になるところだ。

今回の報道を受けて、テレビの街頭インタビューで「マンションを買うときにしっかり確認したい」と語った人がいた。免震装置の性能不足については、国の認定を不正に取得したものなので、納入先の建築会社などでも気づくことができなかっただろう。建築会社でも気づくことが難しいことなので、一般購入者に至っては事前に確認することは無理なはずだ。

巨大地震を懸念して、安全を求めて免震マンションを購入した人も多いだろう。安心して生活できるように、構造安全上の問題を速やかに解決してほしいものだ。●当社が製造した建築用免震積層ゴムの 国土交通大臣認定不適合等について(東洋ゴム工業株式会社)
HP:http://www.toyo-rubber.co.jp/uploads/2015/03/150313.pdf
●東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料の大臣認定不適合に係る建築物(庁舎、病院、複合施設)について(国土交通省)
HP:http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000542.html
●「免震」「耐震」「制震」…大地震に強いのはどれ?(SUUMOジャーナル)
HP:http://suumo.jp/journal/2013/01/25/37042/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/03/25/80582/

【住まいに関する関連記事】注目! 住宅エコポイント復活とフラット35S金利引き下げ幅拡大
改正耐震改修促進法の施行により、マンションの耐震化が進む?
国土交通省が中古住宅評価手法で新指針 今後は使用価値が評価される?
【今週の住活トピック】賃貸住宅を探すなら、このマークにも注目!
検討会の報告書から読み解く 地価公示の意義や調査方法は?

住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
SUUMOジャーナルの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP