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JA全中の制度見直しで日本の農業は本当に変わるのか専門家解説

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 日本の成長を阻害する「岩盤規制」の象徴ともいえる農協に改革のメスが入ったが、果たして日本の農業は、本当に今後変わるのだろうか。政策工房社長の原英史氏が解説する。

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「農協改革」を巡って、政府・与党と全国農業協同組合中央会(JA全中)の間で2015年2月に合意がなされた。
 
 決着内容は、約700ある地域農協を束ねる全中のあり方の抜本的な見直しである。地域農協に対する指導・監査権の廃止、一般社団法人への移行などが合意された。
 
 全中の制度見直しによって、日本の農業は本当に変わるのだろうか? こうした疑問に対し、すでに独自の創意工夫による活動を進めてきたことで知られる、福井県のJA越前たけふ冨田隆組合長は、以下のように語る。

「今回の改革は、『本来の農協の役割を果たせ。意識改革せよ』という起爆剤になると思います。農協の実態は、60年前に制度が作られた頃とは全く変わっています。

 当時は1万3000の地域農協があり、不安定な経営などさまざまな問題がありました。しかし、その後、大同合併などがなされ、今や農協は700弱になりました。大手の地域農協の多くでは、トップマネジメントがしっかりできあがり、監査なども十分になされているのです。こうした農協にとっては、今回の改革によって何も変わることはありません。

 むしろ、意識改革のきっかけとしての意義が大きいと考えています。自立した農家は、自ら販路開拓などで汗をかき、リスクをとって事業活動を進めています。地域農協も同じレベルで活動していく必要があり、これが本来の農協の原点なのです」

 今回の改革が効果を発揮するかどうかは、全国の地域農協次第だ。全中の影響力を排除したからといって、現場で新たなアイディアが次々に生まれるとは限らない。その意識改革の度合いによっては、地域ごとに差が出てくることも考えられる。

 ちなみにJA越前たけふは、JAグループを通さずにコメを販売。販路も自ら切り拓いてきた。農家に供給する肥料も、地域に合うようメーカーと共同開発してきた。組合員は約1万人と小規模ながら、自立と自活を果たしている。

※SAPIO2015年4月号


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