モスが発売「ソイ野菜バーガー」大豆が秘める力

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モスが発売「ソイ野菜バーガー」大豆が秘める力

モスバーガーが大豆を使った新商品「ソイ野菜バーガー」を発売

大手外食チェーンのモスバーガーが、大豆を使ったハンバーガーを発売するというニュースが話題になっています。近年の外食産業では、食の安全とともに健康が大きなテーマとなっています。「ソイ野菜バーガー」は、常に新しい商品提案をするモスバーガーらしい、ユニークでヘルシーな商品といえるでしょう。

今回、モスバーガーがパティに使用する大豆には、食材として健康的なイメージがあると思います。大豆は、古来より日本人の重要なタンパク源として重宝されてきました。肉食が増える以前は、魚と大豆からタンパク質をとっていて、これが「畑の肉」といわれる所以です。

イソフラボンはコレステロール値の上昇を抑えてくれる

大豆の中には、健康につながる成分が含まれています。代表格はイソフラボンです。イソフラボンはポリフェノールのひとつで、コレステロール値の上昇を抑えてくれるほか、抗酸化作用があります。更年期になると、女性の体内で分泌が低下するエストロゲンというホルモンと似た働きがあり、私のところでも、不妊相談の女性には高温期の時期を中心に大豆やイソフラボンのサプリメントなどをオススメすることがあります。

イソフラボンのほかにも、さまざまな栄養素があります。大豆サポニンは、血圧低下やがん予防などの働きが注目されており、レシチンは記憶力の向上や認知症などの予防にも良い栄養素です。食物繊維も多く含まれているので、便秘対策も期待できます。さらに大豆ペプチドは、血管収縮にかかわる酵素に働きかけ、血圧対策に効果があるといわれており、トクホ(特定保健用食品)として多彩な食品に使用されるようになりました。さらに大豆は、栄養補助食品のプロテイン(プロテインとはそもそも英語でタンパク質の意味)の原料としても利用されています。

東洋医学的には「健脾寛中(けんぴかんちゅう)=胃腸の機能を助け腸を整える働き」や、「益気養血(えっきようけつ)=造血を促し五臓の働きを補助するなど古来より重宝されてきた食材」といったことで知られています。

消化の悪い大豆はゆでてから料理に活用を

しかし、この素晴らしい食品である大豆ですが、大きな欠点があります。それは「消化が悪いこと」です。どんなに素晴らしい栄養素を含んでいても、消化が悪く腸管でしっかりと体内に吸収されなければ意味がありません。それゆえ、大豆の栄養素をしっかりと摂取したい場合は豆腐、納豆などの加工食品を食べるようにしましょう。豆乳なども良いでしょうし、ゆでた大豆はクセもなく、料理の邪魔になるような味ではないので、煮ものや炒めもの、スープなどいろんなメニューに活用できます。

東洋医学では「食は命なり・食養生」という言葉があります。本来は食事を取ることにより人間は健康になるはずなのですが、近年では逆の報告に向かってしまっている部分が見られます。私も健康相談を受ける際、必ず「人間は食べているものでできている」ということをお話ししています。

食べ過ぎや食事の質が原因で病人が増えている現代の日本。ハンバーガーは身近な食べ物として重宝されているので、今回のモスバーガーのような取り組みは、新たな「食養生」の提案としてぜひ成功してほしいと思います。

(早川 弘太/健康コンサルタント)

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