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角松敏生 meets アロージャズオーケストラ ビッグバンドとのステージで魅せた新たな世界観

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 一体、誰がこの組み合わせを? オーディエンス、いや、角松敏生、アロージャズオーケストラすらも思いつかなかったかも知れない。角松自身、選曲基準は”ビッグバンドで歌いたいもの”だったそうで、このライブへの思い入れがうかがえる。
 81年、シングル、アルバム同時リリースでデビューを飾った角松は、スタイリッシュなサウンドと歌声で、30年以上にわたり支持を集めてきた。また、他アーチストへの楽曲提供や、プロデューサーとしての高い手腕は、チャート1位に輝いた、杏里の「悲しみがとまらない」や中山美穂の「You’re My Only Shinin’ Star」などで実証済み。
 片や、アローは58年にキタの最高級ナイトクラブの専属バンドとして、ピアニスト・北野タダオをリーダーに結成。彼の引退後も、関西屈指のバンドとしてジャズやポップスだけにとどまらず、日本の名曲や歌謡曲、マンガ音楽までビッグ・バンド・サウンドとして響かせてきた。

 オープニングは「RAIN MAN」。メロウなサックスへ角松のボーカルがなめらかに乗ったかと思えば、いきなりトップギアだ。角松の世界観とアローの世界観がみごとに溶けあったサウンド。両ファンも新鮮な驚きに、1曲目から嬌声があがった。続けて「Friend」。ボーカルを引き立てながらも、一緒に歌っているかのようなアローのプレイ。さり気なく間奏で艶のある力強い音を前に出して存在感を見せるところが、また心憎い。「生まれて初めてのビッグバンドは、60~70年代のTVに出てる気分です!歌ってて気持ちイイっ。癖になりそうな気もしますが」と、相性の良さをもらすと、客席も納得の様子。

 アローの緩やかなスイングに歌声で身をゆだねた「Still know nothing at all」の後は、「目標であり、憧れでもある御歳78歳のリーダー、トロンボーンの宗清洋さん!」、「徹夜でアレンジしてくださったサックスの宮哲之さん!」と、リスペクトを持ってひとりずつアローのメンバー17名を紹介。「ジャズで自分も気分入りたいじゃないですか。角松じゃない、フラッと店に入ってきたおっさんが歌ってるのを皆さんは見ている気分で」と、スタンダード「Byond The Sea」を披露。ビッグバンド間奏のお約束、ブラスセクション全員のスタンディングプレイで、アローがステージを盛り上げる。
 ティンバレスを叩きながらの「SINGLE GIRL」、アルバムに入らなかった初期作品「I’LL CALL YOU」は、気心が知れたコーラスのKIKOと華やかに掛け合い、ボルテージは最終曲「SHIBUYA」で沸点に。

 アンコールを待ちきれない観客の歓声と拍手の中、再びステージに戻った角松。ボーカルなしのラテン「CARIOCA」でアローとの熱いセッションを展開。スネア、ティンバレスで華麗なスティックさばきを見せ、湧き上がるパッションに、オーバーなフットアクションが思わず飛び出すほど。「TAKE YOU TO THE SKY HIGH」が始まると、ライブ恒例、サビで客席から紙飛行機を一斉にステージへ飛ばし、カーニバル気分は最高潮へ。

 そんな中、一呼吸おき、アローへ共演の深い感謝を述べ、そして続けた。「戦後、日本人は前向きに海外の文化を取り入れ、独自の文化を育んできました。ビッグバンドは日本ポップス界にとって非常に重要なもので、源流をたどると、どうしても最後はビッグバンドに行き当たります。僕の85歳の父は物忘れの症状が出始め、家族共々心配していましたが、ある日、『東京キューバンボーイズとかのビッグバンドって、世代なんじゃない?』って、話しかけてみると、突然目をキラキラさせて『そうなんだよぉ』と、その頃の話をしだしまして。音楽で回路がつながったんですね。本当に音楽って素晴らしいなと思いました。今度、ビッグバンドとのライブを行う時には、皆さんとご両親との二世代で、ぜひまたいらして下さい」と、締めくくると、英語バージョンの「You’re My Only Shinin’ Star」を、しっとりと歌いだした。
 角松の洗練されたサウンドや歌声と、アローのモダンさが交錯する新たな世界を聴かせてくれた、大阪限定プレミアム・ナイトの静かなエピローグだった。

Text:野村多佳子(のむら・たかこ) ライター/アロハシャツ研究者
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Photo:Kenju Uyama

◎ライブ情報
【角松敏生 meets アロージャズオーケストラ】
2015/3/20(金) ~21(土) at ビルボードライブ大阪

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