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人材育成の新トレンド「褒める文化」を根づかせるには

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「褒める」を取り入れた評価制度が流行りつつある

評価制度といえば、上司から評価されるのが一般的でした。バリエーションの一つとして、周囲からの評価も取り入れた180度評価や、360度評価なども導入されてきましたが、多くの場合、評価者からの評価で主に減点法が主流です。

近年、そのような流れとは異なる制度が流行りつつあります。それは、「褒める」ことを取り入れたものです。例えば、ヤマト運輸では、「満足BANK」と名づけて、社員同士が褒め合い、そのことをポイント化するシステムを取り入れています。また、ザ・リッツ・カールトンや東京ディズニーリゾートでは、社員同士で褒めるときにカードを相手に渡すことで、褒める文化を形成しています。当事務所の顧問先でも、社員が良い行動をした際に特製のコインを渡し、賞与の時期に賞与としてコインを交換している企業もあります。

「褒める文化」を、より機能させるための2つのポイント

この「褒める文化」を、より機能させるためにはどうしたら良いでしょうか?臨床心理士として行動科学的に言うと、2つのポイントがあります。

(1)行動が起きてからすぐに褒めること
行動科学的には、褒める効果は、行動後すぐに実施することで上がります。理想を言えば、1秒以内に褒めることでその効果は最大になります。逆に、朝に良い行動が見られたのに、夕方になってから「朝のあの行動、良かったよ」と褒めても効果は半減以下になってしまいます。

また、将来賞与や昇給で報いるとしても、行動が起きてから時間が経ち過ぎてしまっていたら、なかなか褒める効果は出づらいといえるでしょう。どうせ褒めるなら直ぐに褒めるのが良く、そういう意味でザ・リッツ・カールトンや東京ディズニーリゾートのカードを渡す方法は、とても理に適っているといえるでしょう。

(2)他の人の成功体験を見ることができること
人間の行動が増えるためには、自分自身が褒められること以外にも、他の人が褒められていることを見ることも効果的であることがわかっています。これを専門的には「モデリング」と言います。成功体験をイントラ上で公開することや、社内報などで周知することで会社として望ましい行動が自然とモデリングされ、結果、望ましい行動が増えていくことになります。

「褒める」と「鍛える」の両方を組織風土に合った形で導入すべき

人材育成の方法論として、これまでの「鍛える」だけでなく、「褒める」という効果に注目している企業が増えてきました。「褒める」が流行すると、これまでの「鍛える」をやめて「褒める」を導入しようとしがちですが、どちらかだけが正しいのではなく、どちらも組織風土に合った形で導入することで、組織を強くし企業を伸ばすことができるのではないでしょうか?

そういう意味では、これまで少なかった「褒める」を導入する企業が増えることで、日本の企業が活性化していくことを期待しています。

(植田 健太/社長専属カウンセラー)

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