地元の木製おもちゃを赤ちゃんに。「ウッドスタート宣言」とは?

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地元の木製おもちゃを赤ちゃんに。「ウッドスタート宣言」とは?(画像提供:日本グッド・トイ委員会)

今年1月に、宮崎県日南市が“ウッドスタート宣言”を行い、4月から赤ちゃんの誕生祝いとして地元産・飫肥杉(おびすぎ)製のおもちゃを贈る事業を開始した。木のおもちゃを通じて子どもの情緒を育むほか、林業の活性化なども目指しているそうだ。

ところで、このウッドスタート宣言、いったいどんなものなのか。そこで、NPO法人『日本グッド・トイ委員会』に詳しい話を伺った。「ウッドスタートとは、おもちゃを通じて、幼少時から木と触れ合い“木”を好きな人を“育”てる『木育』を目的とした取り組みです。木のおもちゃは、木目の揺らぎや触ったときのぬくもり、そして音、匂い、色、重さの違いなど、子どもたちの五感に刺激を与えます」

ウッドスタートを最初にはじめたのは、どこの自治体なのだろうか?「ウッドスタート宣言の第1号は新宿区です。ただ、新宿区には森がなく地産地消で木のおもちゃをつくる事が難しいため、友好提携都市である長野県伊那市と提携しておもちゃをつくっています」

なるほど。ちなみに現在は全国11都市で行われているそうだ。では次に、ウッドスタートを始めた経緯を聞いてみた。「日本の木製おもちゃの国産材の自給率は1%を切っており、おもちゃを通じて、この状況を何とかしたいという思いがありました。そこでまず、2011年に東京おもちゃ美術館に『赤ちゃん木育ひろば』をオープンさせたんです」

写真が、「赤ちゃん木育ひろば」だ。0~2歳対象の空間は、親子が一緒に木のおもちゃで遊べる国産の杉材を活用しているそう。ウッドスタートには協定があるそうだが、その中身とは?「ウッドスタート活動に賛同いただいた自治体と協定を結んでいます。プログラムは6つあり、そのうちの2つ以上を行っていただくことを条件としています」

その条件とは、

1.地産地消の木のおもちゃを『誕生祝い品』として新生児に贈る
2.『木育インストラクター』の育成
3.地域材を活用した子育てサロンをつくる
4.木のおもちゃの良さや楽しさを体験できる『木育キャラバン』を開催する
5.地域の木育推進を語り合う『木育円卓会議』を行う
6.東京おもちゃ美術館の姉妹館を設立する

という6つ。地産地消の木のおもちゃを新生児へ贈ることも、「木育」の一環というわけだ。具体的にはどんなおもちゃが贈られているのだろう。「例えば昨年12月にウッドスタート宣言をした東京都・檜原村では、生まれたお子さんたちに『清流のモビール』をプレゼントされています。これは檜原村の清流秋川に暮らす魚や鳥などの生き物をかたどったもの。大きくなったらモビールのひもを外して遊ぶこともできます。このように、地域ごとに特性を生かしたおもちゃが贈られています」

今後はおもちゃを通じ、子どものころから木に親しむことで、ひいては日本の森や林業・林産業を活性化させる大きな一歩としていきたいとのこと。

この機会にお住まいの地域の木材について調べてみるのも、長く日本の森林を維持するきっかけとなりそうだ。●取材協力
日本グッド・トイ委員会
HP:http://goodtoy.org/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/03/19/80105/

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