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「女の涙を武器にするなら小渕優子レベル必要」と倉田真由美

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 昨年は多数の記者会見があったが、その中でも「涙」を見せた代表格が小渕優子氏と小保方晴子氏だ。二人の「涙」にはいかなる違いがあったのか。漫画家の倉田真由美氏が比較した。

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 このご時世「涙は女の武器」なんて考え方は古い。今の若いコの多くはそれで世の中を渡れるとは考えておらず、職場でそう簡単に泣かなくなっている。にもかかわらず職場で泣く女は今も存在する。

 記憶に新しいところでは、“幻のSTAP細胞”で世間を賑わせた小保方晴子さんの涙。私の周りの男性からも「あの謝罪会見での涙は美しかった」などと絶賛が相次いだ。彼女なりに必死に頑張って、それでもダメだった時にこらえきれずに流した涙。衣装や髪型、涙など、あの清楚な雰囲気のどこまでが演出だったのかは不明だが、世のオジサンの心をつかんだのは間違いない。

 しかし、あの小保方さんの“ぶりっ子”は同性からもっとも嫌われるパターンであり、女からの支持はあまり得られなかったはずだ。

 また、いくらオジサンにウケても“そこ止まり”ということに気付いて泣いている女は少ないのではないか。

 ある大手商社の人事担当者から「女同士でうまくやれる、波風を立てない女性を採用したい」という話を聞いたことがある。男の上司が管理職まで引っ張りあげたい女性は、“守ってあげたい女”ではない。仕事で本当に登りつめたいのであれば男にも女にも認められないとダメ。泣くだけで出世できるとは限らないのだ。

 成功例の典型としては、失脚前の小渕優子議員くらいだろう。あの絶妙なショートカットや無難なスーツの色など、どれをとっても男っぽすぎず、女を出しすぎない見事なバランス。完全に失脚してもおかしくなかった問題だったのに、そんな立ち居振る舞いでこらえきれずに思わず涙を流せば、自民党の長老や地元の有権者だって放っておくわけがない。

 しかも“ぶりっ子”のない姿に同性からの反感もない。ロクな禊もないままに再選を決めた彼女は、相当な”人たらし”に違いない。同じ演出でも小保方さんとは比較にならないほどスケールが違う。彼女くらいになって初めて涙は効果的な武器になる。

 今の時代に女の涙を武器にして職場でのし上がりたいのであれば、あの小渕優子レベルまで高めないとダメ。そこまで演出できない安っぽい涙なら、最初から男にすがるなと言いたい。中途半端な女の涙はうっとうしいだけ。世間はそこまで甘くないのだ。

※SAPIO2015年4月号


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