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京都弁を操るイスラエルの男性起業家 空手は黒帯「日本とのビジネス開発が私の使命」

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デロール・ロテルさんは、日本とイスラエル間のビジネス開発を専門とする「I.J.ビジネス道(どう)社」のオーナーです。創設は2012年4月。この分野を扱う企業はイスラエルに複数ある中で、この会社の強みは何といっても技術への理解能力です。

「I」はIsrael、「J」はJapan。そして「道」は、空手黒帯のロテルさんならではの命名です。現在彼は、イスラエルの経済省と輸出協会のビジネスコンサルタントとしても活躍しています。(文:夢野響子)
両国の関係改善を機に京都と奈良に留学

ロテルさんは、日本でビジネスをしたいと望むイスラエル企業のマーケティングコンサルタントをしています。イスラエルの企業は興業センターに認可されたマーケティングの専門家の指導を受けることができ、資金は経済省が出しています。

また彼は、経済省の「スマートマネー」という支援プログラムの一環として、日本との取引を目指してこのプログラムに参加を希望する企業をチェックする仕事をしています。輸出協会のExperts4Uプログラムでは、国際取引の日本担当として輸出入の計画と準備、契約や合意、習慣や手続きについて広くコンサルティングをしています。

実は今回のインタビューは、すべて日本語で行われました。彼の日本語には京都弁の響きがあります。実に物静かな話し方です。そもそも彼と日本との関わりは、どこから始まったのでしょうか。

「16歳から空手を習い始めたことからです。(イスラエルの工学最高峰の)テク二オン大学に在学していた時には、第二外国語で日本語を選択しました。コンピュータサイエンスの専攻で、そのころ(日本のコンピュータパイオニアである)京都大学の矢島脩三教授を知りました。ちょうど両国関係が改善されて、日本の文部省の奨学金を受けられる学生数も増えたので、私も選ばれました」

この奨学金で日本にわたったデロールさんは、京都大学の研究生として2年間を過ごし、さらに奈良先端科学技術大学院大学の修士課程で2年間、計4年間日本に滞在しました。同行した奥様の日本語に癖がないのは、彼女の通った京都日本語学校のおかげだそうです。彼の方は、京大の日本語講座は発音までは気にしなくてよかったので、京都弁が身に着いたのでしょう。
「1月の日本政府の援助表明」の影響は大きい

1998年にイスラエルへ帰国した彼は、富士通マイクロエレクトロニクス・イスラエルにLSI設計者として勤め始めます。2000年の世界的なハイテクの後退で会社が閉鎖されるまでの3年間、そこで働きました。

日本からビジネスマンが来ると、挨拶をするのはデロールさんの役でした。閉鎖後は日本の富士通で働くようにも要請されましたが、イスラエル国内の別の会社でまた3年、同様の仕事をしました。

「ハイテクで働いている間、日本との関係は途絶えてしまっていました。それで1995年に方向転換することにしました」

今度は、日本とイスラエルのビジネス開発をする「ヨキカル」という会社に入り、独立するまでそこで働きました。どのように二国間の企業をサポートしているのでしょうか。

「まずパートナーになれそうな企業に、相手企業の紹介状を送り、興味をもっていただける会社を探すことから始めます」

日本企業のイスラエル進出は、米国や中国、韓国などと比べるとかなり遅れを取っているのが現状です。しかし彼は「それは今年1月の日本政府の援助表明で、今後改善されてくると思います。政治的な後押しは大きいですから」と言っています。
「日本と取引したいのなら、辛抱強く」

イスラエル企業にとって、日本市場は入りにくいと思われている面もありますが。

「メンタリティの違いはあります。イスラエル人は動きが速く、どんどん乗り換えていきます。日本企業は、じっくり調べきって、リスクを取り除いてから契約にこぎつけるので、イスラエル人に言わせると、時間がかかります。私はすべてのイスラエル企業が日本との取引に向いているとは思っていません。日本と取引したいのなら、辛抱強く、そして定期的に頻繁に訪れて、個人的な信頼関係を築くことがとても大切です」

辛抱強くなるためにロテルさんご自身、何か特に気を付けていることはありますか(笑)。空手の修行をされていることが、会話のきっかけになったりとか。

「私は日本を自然に感じています。言葉のことだけではなく。だから日本人の方にも、それが伝わるのではないかと思います。空手については、残念ながら日本人で武道に携わる人の数が最近は減ってきていると思います」

では、今後はどのような方向へ事業を進めていかれますか。

「もっと従業員を増やして、日本を専門にする大きな会社に育てていきたいです。それが私の専門分野ですから。日本の役に立つ、革新的な技術を持ったイスラエル企業と、日本企業とを結びつけることが私の使命です」

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